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フラグメントシェーダーだけでタイムラインアニメーションを作る考え方

Last updated at Posted at 2018-06-22

以前、フラグメントシェーダーのみで、タイムラインのようなアニメーションをさせる方法を、The Book of ShaderのGalleryの中から学んだのでまとめました。

ちなみに、私が作ったのはこんな感じです。

背景で動いている四角や、三角がそれです。
これは、Unityで作りましたがHLSLでもGLSLでも考え方は一緒です。
今回はGLSLで説明します。

0~1で動くようなアニメーション関数を作る

まずは矩形や円などが動くアニメーション関数を作ります。

float animation1(vec2 _st, float t) {
    float x = t;
    float y = 0.5;
    float d = rect(_st, vec2(x, y));
    return d;
}

tには0〜1が入る想定です。その数値をうまく使ってアニメーションさせます。
上記のは四角が0〜1に向かって移動するイメージです。

さらにEaseing関数で味を出す

ですが、ただ時間でアニメーションをさせると、一定の動きしかせず、単調になるので、Easeing関数を使っていい感じにしましょう。

Easeing関数とはざっくり説明すると、数値の変化率を変える関数です。
それを使うことで、だんだん速くとか、だんだんゆっくりにとか変化させることができます。

Easingがよくわからないという人はこちらをチェックです。
Easing Function 早見表

シェーダー内でのEasing関数はこちらが参考になります。
The Book of Shaders:Gallery - Easing Function

float easeInQuad(float t) {
    return t * t;
}

float easeOutQuad(float t) {
    return -1.0 * t * (t - 2.0);
}

float animation1(vec2 _st, float t) {
    float x = easeOutQuad(t);
    float y = 0.5;
    float d = rect(_st, vec2(x, y));
    return d;
}

Easing関数には0〜1の値を渡します。
そのままtの値を渡してあげれば、0〜1の変化率を変えてくれます。
今回はEaseOut(だんだん遅く)をかけてみます。

トータルの時間を決める

次にアニメーションのトータルの時間を決めます。
mod()の第一引数に時間、第二引数にトータルの時間を入れます。

uniform vec2 resolution;
uniform float time;

void main () {
    vec2 st = gl_FragCoord.xy / resolution.xy;
    //トータルで10秒のアニメーション
    float t = mod(time, 10.0);
    vec3 color = vec3(0.0);
    gl_FragColor = vec4(color, 1.0);
}

mod()は余りを返してくれるので 常に0〜10を返してくれるようになります。

各アニメーションに時間を配分する

それぞれ作ったアニメーション関数に、時間を渡していきます。
それぞれ時間を渡す際はlinearstep()を使います。

uniform vec2 resolution;
uniform float time;

float animation1(vec2 _st, float time) { ... }
float animation2(vec2 _st, float time) { ... }
float animation3(vec2 _st, float time) { ... }

void main () {
    //トータルで10秒のアニメーション
    vec2 st = gl_FragCoord.xy / resolution.xy;
    float t = mod(time, 10.0);
    vec3 color = vec3(0.0);

    //各アニメーションに時間を設定して渡す
    float a1 = animation1(st, linearstep(0.0, 3.0, t));
    float a2 = animation2(st, linearstep(3.0, 7.0, t));
    float a3 = animation3(st, linearstep(7.0, 10.0, t));

    //全てをまとめる
    color = vec3(a1) + vec3(a2) + vec3(a3);

    gl_FragColor = vec4(color, 1.0);
}

linearstep()の第一引数に開始時間、第二引数に終了時間を渡します。

//例えば以下の場合は0〜3を0〜1に変換してくれます
//0より小さい数字は0、3より大きい数字は1が返ってきます。
float a1 = animation1(st, linearstep(0.0, 3.0, t));

これで、それぞれのアニメーションをどのタイミングで行うかを調整します。

最後に全てのアニメーションをまとめて完成です。

さらに

linearstep()をアニメーション関数の中で使えば、矩形が入ってきて、出ていくみたいなタイミングも調整できます。

float easeInQuad(float t) { ... }
float easeOutQuad(float t) { ... }

float animation1(vec2 _st, float t) {
    float x = easeInQuad(linearstep(0.0, 0.5, t)) * 0.5
              + easeOutQuad(linearstep(0.5, 1.0, t)) * 0.5;
    float y = 0.5;
    float d = rect(_st, vec2(x, y));
    return d;
}

こんな感じで、0 ~ 0.5まではEaseIn(だんだん速く)、0.5 ~ 1.0まではEaseOut(だんだん遅く)、みたいなこともできます。

これらをうまく組み合わせるとよりいい感じのアニメーションになります。

参考文献

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