はじめに
株式会社NTTデータ デジタルサクセスソリューション事業部 の nttd-saitouyun です。
最近は社内外からDatabricksの問い合わせが増えており、デモをする機会が増えてきています。
その中でタイトルの点について、かなり些細なことではありますが、気づきがあったので本書で共有します。
半角スペースの扱い
まず、Databricksのオブジェクトにおける半角スペースの扱いを説明します。半角スペースをテーブル名やカラム名に使うことがあまりなかった(アンダースコア派)ので意識してきませんでした。いま一度まとめてみます。
まず、カタログ、スキーマ、テーブル、ボリュームの名前には半角スペースは使えません。
一方で、カラム名には半角スペースを使用することができます。意図的に半角スペースを入れているのであればよいのですが、GUIでテーブルを作成するときに意図せず半角スペースが入ってしまうケースもあると思います。
※データはダミーデータで、以後も同様です。テーブル名はdummyとします。
半角スペースを含むカラム名
それでは、以下のように、3パターンのカラムを用意してみました。
- カラム名の先頭に半角スペースがある場合(nameカラム)
- カラム名の中に半角スペースがある場合(name hiraganaカラム)
- カラム名の末尾に半角スペースがある場合(ageカラム)
3つ目のパターンはコピペミスなど意図せずこのようなカラム名になってしまう場合が多そうです。(私はやってしまいました。)
半角スペースが入ってしまうと気づきにくい理由
ズバリ、UI上に表示されるカラム名は前後の半角スペースがトリムされて表示されています。そのため、カタログを見ただけだと、意図した通りのカラム名が設定できているように見えます。
また、データプロファイルの実行、UIからのカラムフィルタなどの基本的な機能はすべて正常に動作します。システムの動作上はカラム名はシステムとして正しく、` name`、`name hiragana`、`age `と半角スペース入りで認識されており、UIだけの問題のようです。
なので、UIの表示名を元にSQLを実行するとエラーになってしまいます。
` name`と半角スペース込みでカラム名を指定すれば正しくSQLを実行できます。
ちなみに、PySpark のデータフレームでスキーマ定義を見てみると、こちらは先頭に半角スペースがある場合(パターン1)は半角スペースが消えてます。
うーん、なぜなのか・・・
半角スペースに入っていることに気が付くには?
そのまんまですが、UIの表示名を当てにしないことです。(とはいえ、エラーになればメッセージですぐに気が付くことができると思います。)
「列名をコピー」からカラム名を取得すると正しく半角スペースを含んだ状態でカラム名を取得できました。
また、PySparkも printSchema()
を使えば正しくカラム名を取得できます。
または、Databricks Assistant(生成AI)を活用することです。半角スペースなしのカラム名で指示をしても正しく半角スペースありでSQLを書いてくれました。
カラム名を修正する
RENAME COLUMN
構文で修正ができます。こちらも AI に修正をお願いしてみます。
半角スペースの位置に応じて適切な修正案が提案されました!
先頭・末尾の半角スペースは消えて、単語中の半角スペースはアンダースコアに変換されています。かしこい!
カラム名を変更するときの注意点
制約などが削除される
マニュアルにある通りです。以下の点に注意してください!
カラムやフィールドの名前を変更すると、依存するチェック制約や生成されたカラムも変更する必要があります。そのカラムを使用している主キーと外部キーはすべて削除されます。外部キーの場合、外部キーが定義されているテーブルを所有しなければなりません。
タグが削除される
これは検証をしていて気が付きました。マニュアルにも明示はされていないようです。
カラム名を変えるとタグも消えるようです。なぜか末尾の半角スペースを消した場合(パターン3)だけはタグが残りました。
カラムのタグの情報は、<your_catalog_name>.information_schema.column_tags
テーブルに保存されているので事前にバックアップしておきましょう。
※試してみましたが、テーブルやボリュームは名前を変えてもタグは残りました。
おわりに
かなり細かい論点でしたが、UIの仕様を知らなかったので記事にしてみました!
また、カラム名の変更時の注意点についても新発見がありました。
本記事が、皆さんがハマらないための道しるべとなれば幸いです。
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