はじめに
株式会社NTTデータ デザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部 の nttd-saitouyun です。
6月26日~29日にサンフランシスコで開催されたDatabricks主催のData + AI Summit 2023(旧Spark + AI Summit)にSpeakerとして参加しました。
本記事では、登壇が決まった後の準備とイベント当日の過ごし方について紹介します。
Data + AI Summit をはじめとしたグローバルカンファレンスで登壇しようと考えている方の参考になれば幸いです。
また、本記事は以下の記事の後半です。Call for Presentations(登壇)への応募についてはこちらの記事を参照してください。
登壇の準備について
Call for Presentations(以下、CfP)がAcceptされると、登壇者用のサイト(Speaker Resouce Center)へアクセスできるようになります。資料の提出やレビューなどはこのサイトを通じて行います。
全体の流れ
登壇までの流れは以下のとおりです。3ヶ月間にわたる作業ですが、長いようで短かったです。慣れない作業が多くノンネイティブにはなかなか大変なスケジュールでした。
時期 | 準備 |
---|---|
3月末〜4月1週目 | CfPの結果発表 / Speaker Resouce Center オープン |
4月1週目〜2週目 | 登壇への同意 / イベントへの参加登録 |
4月1週目〜5月15日 | ドラフトの作成 / 写真、経歴の更新(必要に応じて) |
5月15日 | ドラフトの提出 |
5月15日〜6月16日 | 資料の本作成 |
5月15日〜6月27日 | プレゼンテーションの練習 |
5月25日 | 登壇日時の通知 |
6月16日 | 資料の提出 |
6月28日 | 登壇当日 |
7月1週目〜2週目 | 配布用資料の提出 / セッションページに動画掲載 |
登壇の準備
まずは資料作成やプレゼンテーションなどの準備について記載します。
登壇への同意 / イベントへの登録
Speaker Resouce Center にアクセスできるようになったら、まず、登壇への同意やイベントへの参加登録がなる早で求められます。
イベントの参加と登壇について、自分の予定の確認をし、すぐに上司へお伺いを立てましょう。イベント参加費は登壇者は無料ですが、渡航費や宿泊費はかかりますのでご注意ください。
ドラフト作成
オーガナイザーからイベント用のスライドテンプレートとガイドラインが提供されます。
このテンプレートを使用して資料を作成します。ドラフトということで、元ネタの日本語の資料を一通り英語に変換しました。
フォントの指定もあるのでほとんどのスライド(特に図)が崩れるので修正は地味に大変でした。
資料が大方できたタイミングで関係者へレビューの依頼やロゴの使用許諾を行うと以降の工程がスムーズになります。
ドラフトの提出
作成したドラフトを Speaker Resouce Center にアップロードします。コメントを追加できるため、まだ修正できていない点、確認して欲しい点などを伝えるようにしました。
提出後、数日で担当者から返信がありました。ガイドライン上の指摘は特になく、表現・言葉使い(Wording)をいくつか指摘されただけでした。
同じ表現をセッション概要で使っていたため、そちらも合わせて修正のお願いをしました。プレゼンテーションのレビュアーとセッション概要のレビュアーは別であるためそれぞれ依頼する必要があります。
資料の本作成
関係者へのレビューを通じて指摘点の取り込みを行います。また、並行して行なっているプレゼンテーションの練習を通じて資料とスピーカーノートの修正も行います。
レビューですが、人によっては日本語の資料を用意する必要があったり、こちらもなかなか骨が折れました。余裕を持って計画を立てましょう。
英語の表現については、後述する英会話教室の先生やDatabricksの方にご協力いただき、より伝わりやすい・話しやすい(重要!)表現へ修正を行いました。やはり機械翻訳だけでは伝わらないことが多いのだと実感しました。
私だけかもしれませんが、発音に自身がないと「伝わらないのではないか?」と思ってしまい、スライドにたくさん情報を載せようとしまいがちです。恐怖心をグッとこらえ、伝えたい内容を精査し、メッセージ性のある資料を作成するようにしましょう。私のスライドも初版の見る影もないくらい修正を行いました(笑)。
また、QA時間を5分〜10分ほど取るようにオーガナイザーから指示があるため、自分が話すパートの分量をスライド枚数やスピーカーノートを調整を行います。
登壇本番の最難関であるQA時間の想定問答集の作成も忘れないようにしましょう。
プレゼンテーションの練習
個人的には最大の難関でした。自力では難しいと判断し、ドラフト提出後あたりから英会話教室に1.5ヶ月みっちりと通いました。英会話の先生に発音やリズムを確認してもらい、自己練習を繰り返しました。
英会話教室
体験授業の予約や申し込み契約のリードタイムを考慮し、できる限り早く動くことをオススメします。英語に慣れるという意味でも早くから開始した方がいいと思います。
教室の選定
まずは英会話教室の選定です。教材を持ち込むことができる教室から候補を探しました。持ち込みのため、授業はワンツーマンになります。
また、登壇がオンサイトであるため、英会話もオンサイトで行いたいと思い、近場で通いやすい教室から選びました。
自社制度を確認し、選んだ教室が自己研鑽の補助の対象となっているかも確認しました。
授業
ネイティブの先生の発音をマネして、自分の発音をひたすら修正していきます。
自分でうまく発音できたと思っても、ネイティブ視点だとダメだったり、その逆もあり、ネイティブ基準で判断してもらうことが重要だと思います。
参考になるかは分かりませんが、単純な発音以外で私がよく指摘された点を以下に記載します。
-
a
、the
などの短い単語を抜かしがち、発音が弱い - 名詞や動詞の単語の最後につく
s
を抜かしがち、発音が弱い - 単調に話さない(強調すべき単語の明確化)
- ブレスをするタイミング
- 早口にならない
また、If that’s OK, Let’s move on to the next slide.
のようなスライド間のつなぎ言葉やDo you have any questions? If you have any questions I’ll be happy to answer them.
のようなQAで使うような表現の確認も積極的に行いました。
発音だけでなく、ボディランゲージの重要性も教えていただきました。「R」と「L」のような細かい発音に気を取られるより、ボディランゲージをしっかり行い、話し手の余裕(こなれ感)や熱意、自信を聞き手に伝えることが重要であるとのことでした!
自己練習
スピーカーノートを音声化し、発音の確認と練習をひたすら行いました。
有料ですが、音声化にはNaturalReaderを活用しました。機械音声感が少なく、かなりナチュラルかつスムーズに英文を読んでくれるのでオススメです。スピードの調整も可能なので苦手なパートの練習もやりやすいです。
資料の提出
提出した資料が会場で用意されているPCに格納されます。確認したところ、自分でPCを持ち込む場合は、発表直前まで資料を修正可能とのことでした。もちろん、大幅な修正はNGだとは思いますが、スピーカーノートや細かい点をギリギリまで直せるのは助かりました。
補足事項
特に言及がなく、オーガナイザーに確認した内容を記載します。
質問 | 回答 |
---|---|
服装規定はあるか? | 規定はないが、ダメージジーンズなど場にそぐわない格好はNG。ビジネスカジュアルが推奨。 |
リハーサルはあるか? |
|
持ち込みのPCは利用可能か? | 利用可能。HDMIのインタフェースが必要。 |
スピーカーノートは見ることはできるか? | 手元のPCで可能。 |
QAの時間は取ったほうがいいのか? | 5〜10分のQA時間を取ることを推奨。 |
セッション終了後にQAを受け付けることは可能か? | ステージの横で受け付けることは可能。 |
登壇本番
いよいよ本番です。緊張のピークですが、これまでの準備の成果を発揮できるように万全を期していきましょう。
登壇会場について
ステージの中央に演台があり、その両端に大きなスクリーンがあります。演台には、PC、クリッカー、電源が用意されています。
※緊張のため会場の写真を撮っていませんでした・・・一番近い画像を Data + AI Summit の Facebook から引用させていただきます。画像は2022年のものですが会場は同じです。
ステージは高さ1mほどあり、後ろの方までよく見えます。逆に手前中央(演台の目の前)はあまり見えないです。後ろまでよく見えるので、携帯いじっている人や途中退出する人がすごく気になってしまいますが、集中を切らさないようにしましょう。前の方に座っている頷いたりリアクションをしてくれている人を見ながら話すのがよいと思います。
部屋によってキャパシティは違いますが、私のセッションは大部屋で200〜300名くらいでした。(部屋が大きすぎるとスカスカに見えて悲しい。)
前日までの過ごし方
カンファレンス期間中にキーノートやディナーパーティなど様々なイベントがあると思います。忘れることは無理だと思いますが、できる限り楽しみましょう!
イベントの空き時間に以下の点は確認しておくようにしましょう。
- 自分のプレゼンテーション会場の確認(場所、大きさ)
- 登壇者用のラウンジで機材の確認
- PCを持ち込む場合は必ず確認しましょう。 前日まで確認することをおすすめします。
- 登壇者用のラウンジは登壇前のピリッとした雰囲気があります。
登壇当日
いよいよ本番です。登壇者は15分前に登壇会場の部屋に行くようにしましょう。前の時間のセッションが終わり次第、部屋に入ることができます。
部屋に入ったら、演台に上がりPCの設置やスライドの映り具合なのど確認を行います。演台にいると、オーガナイザーと音響スタッフが話しかけてくれます。オーガナイザーは、セッションの開始時に前振りをしてくれます。挨拶と名前の発音などの確認を受けました。音響スタッフはピンマイクをつけてくれます。ピンマイクのオン・オフは音響スタッフがコントロールしてくれるので、自分で操作する必要がありません。
開始時間になると扉が閉まり、オーガナイザーの紹介後、プレゼンテーションの開始となります。あとは、ここまで練習してきた成果を発揮するだけです!!
冒頭は緊張やピンマイクの音に慣れるのに時間がかかってしまいましたが、後半はジェスチャーなどもしっかりでき、練習の成果を出せたのではないかと思います。
また、原稿を読んでいるようにも見えなかったと聴講者からコメントいただきました!
また、QAもしていただきましたが、想定問答集の範囲内であったため、なんとか回答することもできました。しっかり準備していってよかったです。
登壇後の過ごし方
思いっきり、イベントを楽しみましょう!!
カンファレンス 終了後
カンファレンス終了後、数日でDATA+AI Summitのサイト(Youtube)に動画がアップロードされ、視聴可能になります。
ここまで記事に記載してきたことの成果を見たい方は以下から確認することが可能です。あまり期待はしないでください!!(苦笑)
また、ダウンロード用の資料の提出をオーガナイザーから求められますので、スライドをPDFにして送付します。
おわりに
後編では、登壇が決まった後の準備とイベント当日の過ごし方についてご紹介しました。本記事がグローバルカンファレンスで登壇する方の手助けになれば幸いです。
ここまで記載した通り、大変な作業ではありましたが、それを超える経験や反響があり、やってよかったと心から思っています。(ご協力いただいた皆様も本当にありがとうございました。)
また機会があれば、チャレンジしてみたいと思います!!
仲間募集
NTTデータ デザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部 では、以下の職種を募集しています。
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ビジュアル分析プラットフォームのTableauと2014年にパートナー契約を締結し、自社の経営ダッシュボード基盤への採用や独自のコンピテンシーセンターの設置などの取り組みを進めてきました。さらに2019年度にはSalesforceとワンストップでのサービスを提供開始するなど、積極的にビジネスを展開しています。これまでPartner of the Year, Japanを4年連続で受賞しており、2021年にはアジア太平洋地域で最もビジネスに貢献したパートナーとして表彰されました。
また、2020年度からは、Tableauを活用したデータ活用促進のコンサルティングや導入サービスの他、AI活用やデータマネジメント整備など、お客さまの企業全体のデータ活用民主化を成功させるためのノウハウ・方法論を体系化した「デジタルサクセス」プログラムを提供開始しています。
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