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Informaticaのデータ統合サービスCloud Data Integrationの命名規則

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はじめに

はじめまして。 NTTデータ デザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部 デジタルテクノロジー&データマネジメントユニット の nttd-nagano です。

Informatica(インフォマティカ) のクラウドデータマネージメントプラットフォームとして、「Intelligent Data Management Cloud」(※1。以下IDMCと記載)というものがあります。

今回は、そのIDMCのデータ統合サービス「Cloud Data Integration」(※2。以下CDIと記載)の命名規則をご紹介します。

idmc_summary.png

※1. Intelligent Data Management Cloud 略称はIDMC。旧称はIICS。クラウドデータマネジメントプラットフォーム。以下IDMCと記載。
※2. Cloud Data Integration 略称はCDI。データ統合サービス。ETL処理(※3)やELT処理(※4)を担う。以下CDIと記載。
※3. ETL処理 データベースなどに蓄積されたデータから必要なものを抽出(Extract)し、目的に応じて変換(Transform)し、データを必要とするシステムに格納(Load)すること。
※4. ELT処理 ETL処理(※3)と対比して使われることが多い言葉。データ統合処理の順序を従来型のE→T→Lの順ではなく、E→L→Tの順でおこなう。近年ではDBMSの性能が爆発的に向上したことから、その性能を有効活用するために使われる手法。

命名規則は重要

一般的にプログラミングにおいて、 命名規則(Naming Conventions)は重要です。
各開発者に命名規則を守ってもらうことで、 可読性、保守性、一貫性を保てるからです。

これはIDMCのデータ統合サービス「CDI」において、マッピング等のアセットを作成する際でも同様です。

さて、Informaticaの製品として「PowerCenter」や「Data Engineering Integration」というデータ統合製品があり、これらについては公式ドキュメントに命名規則が記載されています。

一方で、 「CDI」の公式ドキュメントには、命名規則は記載されていません。

一応、公式ドキュメント外に「 Naming Conventions - Informatica Cloud Data Integration 」という記事はあるのですが、CDI以外の情報も記載されており、少し冗長です。

そこで今回は、 この記事と過去の製品の命名規則を参考に、 CDIの命名規則(接頭辞のみ)を検討してみました。

CDIの命名規則

いきなりですが、以降が検討結果です。

接続関連

項目 接頭辞
接続 con_ (または conn_

接続については、データベースの種類など「接続タイプ」に相当する情報も含めた方がよいでしょう。

タスクフロー関連

項目 接頭辞
タスクフロー tf_
割り当てタスク ast_
データタスク(データ統合タスク) dat_
コマンドタスク cmt_
ディシジョンタスク dec_

タスクの接頭辞以降は、書こうと思えば細かく書けてしまうのですが、効率を考えると種類ごとの連番などを付与する程度に留めるとよいでしょう。

マッピングタスク関連

項目 接頭辞
マッピングタスク mt_ (または mct_

マッピング関連

項目 接頭辞
マッピング m_
マップレット mplt_
ソーストランスフォーメーション src_
ターゲットトランスフォーメーション tgt_
Javaトランスフォーメーション jtx_
SQLトランスフォーメーション sql_
Webサービストランスフォーメーション ws_
アグリゲータトランスフォーメーション agg_
クレンジングトランスフォーメーション cln_
シーケンストランスフォーメーション seq_
ジョイナトランスフォーメーション jnr_
ソータートランスフォーメーション srt_
データマスキングトランスフォーメーション dmsk_
トランゼクション制御トランスフォーメーション tc_
ノーマライザトランスフォーメーション nrm_
フィルタトランスフォーメーション fil_(または flt_
マップレットトランスフォーメーション mplt_
ラベラートランスフォーメーション lab_
ランクトランスフォーメーション rnk_
ルックアップトランスフォーメーション lkp_
ルータートランスフォーメーション rtr_
ルール仕様トランスフォーメーション rsp_
共有体トランスフォーメーション un_ (または uni_
式トランスフォーメーション exp_
検証用トランスフォーメーション vrf_
構造パーサートランスフォーメーション spar_
解析トランスフォーメーション prs_
重複排除トランスフォーメーション ddp_
階層パーサートランスフォーメーション hpar_
階層ビルダトランスフォーメーション hrbld_
入力トランスフォーメーション inp_
出力トランスフォーメーション out_

トランスフォーメーションの接頭辞以降は、書こうと思えば細かく書けてしまうのですが、効率を考えると種類ごとの連番などを付与する程度に留めるとよいでしょう。

その他

項目 接頭辞
インテリジェント構造モデル ism_

参考:命名規則についてやるべきこと・やってはいけないこと

ちなみに、公式サイトのKnowledge Baseに、 FAQ: What are the Do's and Dont's for naming convention in CDI? (「 FAQ: CDIの命名規則でやるべきこととやってはいけないことは何ですか?」)という記事があったため、翻訳してみました。

Do's(やるべきこと)

項目 説明
分かりやすい名前を使う フィールドの目的や内容を明確に説明する名前を選んでください。これにより、マッピングまたは統合ロジックがより分かりやすくなります。
特殊文字を避ける 互換性を保ち、さまざまなシステムでの潜在的な問題を避けるために、フィールド名には英数字とアンダースコアを使用してください。
Informaticaの命名規則に従う Informaticaには独自の命名規則や推奨事項がある場合があります。具体的な推奨事項については、Informaticaが提供する公式ドキュメントまたはガイドラインを確認してください。
キャメルケースまたはアンダースコアを使う 一貫した命名スタイル、キャメルケース (例: myField) またはアンダースコア (例: my_field) を選択します。マッピングまたは変換全体を通じて、選択したスタイルを維持してください。
明確にするための接頭辞または接尾辞を使う フィールドのタイプまたは目的を示すために、プレフィックスまたはサフィックスの使用を検討してください。たとえば、フィールドがソースカラムを表す場合は、src_column_nameを使用します。
オブジェクト間で一貫性を保つ ソースフィールド、ターゲットフィールド、トランスフォーメーション変数、パラメータなど、さまざまなオブジェクト間で命名規則の一貫性を保ちます。一貫性は、統合ワークフローの理解と維持に役立ちます。
予約語を避ける Informaticaまたはデータベースのコンテキストで特定の意味を持つ可能性のある予約語を使用しないように注意してください。
業務固有の命名基準を考慮する 組織が業務固有の命名基準を確立している場合は、必ずそれに従うようにしてください。これは、命名規則に対する統一されたアプローチを維持するのに役立ちます。

Don'ts(やってはいけないこと)

項目 説明
オブジェクト名に特殊文字を使用しない Informaticaやその他の多くのシステムでは、オブジェクト名(テーブル名、列名、変数名など)に特殊文字(&、%、$、#など)やスペースを使用しないことが一般的に推奨されています。互換性を保ち、システムのパースと処理の問題を回避するには、英数字とアンダースコアを使用してください。
スペースの代わりにアンダースコアを使う Informaticaではオブジェクト名にスペースを使用できますが、代わりにアンダースコア(_)を使用するのが一般的な慣例です。これは、コマンドライン環境やスクリプトでスペースが問題を引き起こす場合があり、アンダースコアの方が広く受け入れられているためです。
予約語に注意する オブジェクト名には、プログラミング言語やデータストレージシステムの予約語やキーワードを使用しないでください。これにより、競合が防止され、コードがより読みやすくなります。
一貫した命名規則に従う 変数、ポート、フィールド、接続などのシンボルに対して一貫した命名規則を確立し、これに従ってください。一貫性により可読性が向上し、マッピングとワークフロー全体で標準化されたアプローチを維持するのに役立ちます。
アンダースコアの過度の使用を避ける アンダースコアはシンボル名の単語を区切るためによく使用されますが、読みやすさに影響を与える可能性があるため、過度の使用は避けてください。明確で説明的な名前と不必要な複雑さの回避との間でバランスをとってください。
意味のある名前を使う 説明的でオブジェクトの目的や内容を伝えるシンボル名を選択してください。これにより、コードの理解とチームメンバー間のコラボレーションが強化されます。
大文字と小文字の区別を考慮する 動作環境での大文字と小文字の区別に注意してください。Informaticaなどの一部のシステムでは、名前の大文字と小文字を区別せずに名前を扱う場合がありますが、大文字と小文字を区別するシステムもあります。シンボルの大文字と小文字に一貫性を持たせることをお勧めします。
システム固有の制限を確認する システムによっては、最大長や許可される文字など、シンボル名に特定の制限がある場合があります。明確に遵守するには、連携する特定のプラットフォームのドキュメントを参照してください。

なお、この記事には明示的に記載されていませんが、 アセット名やトランスフォーメーション名などに日本語などのマルチバイト文字を使うことも避けましょう (もちろんデータ統合処理対象のデータとしては使用できます)。

おわりに

以上、「Informaticaのデータ統合サービスCloud Data Integrationの命名規則」でした。

CDIは30日間の無料体験ができる ので、この機会に試してみてはいかがでしょうか。

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