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【DataRobot×Snowflake】データ準備機能データラングリングを試してみた

Last updated at Posted at 2024-02-25

はじめに

この記事ではDataRobotとSnowflakeの連携機能であるデータラングリング機能を試していきたいと思います。

DataRobotとは

DataRobotは自動機械学習(AutoML)プラットフォームであり、機械学習モデルの構築、トレーニング、評価、デプロイメントを自動化することができます。複雑なデータ分析を迅速かつ簡単に実行し、優れた予測モデルの作成をサポートすることが可能です。
くわしくはこちら

Snowflakeとは

Snowflakeは、クラウドベースのデータウェアハウスであり、スケーラビリティ、柔軟性、セキュリティが強みです。高速なクエリ処理、さまざまなデータ形式のサポート、データの保護機能、最適化されたクエリパフォーマンス、クラウドネイティブな特徴があります。ビッグデータ分析やデータウェアハウスのニーズに効果的なソリューションです。
くわしくはこちら

DataRobotのデータラングリング機能とは

DataRobotのデータラングリング機能とは、機械学習を実施するためのデータ準備機能です。

通常、機械学習を行うためには適切な形式にデータを整形する必要があります。
作業のためにはプログラム言語や別途データ加工のためのツールを習得する必要があるなど、業務部門の方にとってはいざ実施しようとしてもハードルが高いことが多いです。

DataRobotのデータラングリング機能では、
加工したいデータに対して、データをサンプリングしたうえで、リアルタイムで処理状況を可視化確認しながら、データ準備加工のレシピをノーコードで作成することができます。
また、試行錯誤の末に完成したレシピはDataRobot画面からSnowflakeに送信し、レシピを適用したデータセットを用意することができます。

image.png

Snowflakeとの接続

データラングリングは、DataRobotワークベンチで実施します。
ワークベンチでは、データ、モデル、モデルから作成したアプリケーション、Notebookをユースケース単位で管理できます。データの準備加工とモデル構築を何回も往復して繰り返していくと、実験がうまく管理できなくなることがありますが、ワークベンチで管理することにより、これらを統一して管理することできます。
image.png

早速ユースケースを作成していきたいと思います。
image.png
データを追加します。
image.png

データはAIカタログ登録データ、データウェアハウス接続、直接アップロードが選択できます。
今回はSnowflakeからデータを取得してきたいと思います。
image.png
こちらは設定画面です。パラメーターなど必要情報を入力して下さい。
image.png

各種設定が完了するとSnowflakeのテーブルが選択可能になります。
image.png

今回の記事では糖尿病患者に関するデータを使ってラングリング機能を試していきます。
ラングリング画面に移ると、全データからサンプリングされたデータについて各項目の型やヒストグラム、表形式でのデータの格納状況が確認できます。
今回は5,000行がランダムサンプリングされたようですが、画面右側のインタラクティブ操作用サンプルから行数の変更やリサンプリングも行うことが可能です。
image.png
ヒストグラム部分をクリックすると拡大表示もできるようです。
image.png

レシピの作成

では、ここからデータの加工をしていきたいと思います。
画面右側レシピ一覧から必要な処理を選択し、実行していきます。
image.png
現在実行できる処理は下記となります。

No レシピ名 内容
1 結合 別途Snowflakeに存在するテーブルと結合する
2 集計 指定した列を軸に値を集計する。集計関数は最小、最大、件数、ユニーク数、最頻値が選択可能
3 行をフィルター 指定した列について条件合致する行のみを抽出する。
4 重複行を削除 重複しているサンプルを削除する
5 検索と置換 指定した列について条件合致する項目の値を指定した値に置換する
6 新しい特徴量を計算 Snowflakeの関数を記述して、新たな特徴量を作成する
7 特徴量名を変更する 列名を変更する
8 特徴量の削除 指定した特徴量の削除

それでは各処理を使っていきます。

1.結合

結合ではSnowflakeに存在するテーブルと結合処理を行うことができます。
テーブルを選択すると、結合方法や結合するための列指定の画面となり、結合の詳細条件を指定していきます。
image.png

2.集計

集計では、指定した列の値毎に特徴量の集計が行えます。
ここでは年代ごとに入院期間の最小、最大、件数、ユニーク数、最頻値を計算しています。
image.png

実行するとラングリングでの表も計算された状態に変更されました。簡単な可視化集計であればこの機能で実行できそうです。
image.png

3.行をフィルター

行をフィルターでは指定した列について、条件に合致した行のみを抽出することができます。
ここでは性別がMaleの行のみを抽出しています。
image.png
レシピを追加すると、性別が男性のみとなりました。
image.png

ちなみにですが、条件は現在下記が選択可能です。上記の例ではカテゴリ型の変数でしたが、数値に使う以上/以下や欠損値の行のみの抽出などもできるようです。
image.png

4.重複行の削除

ここでは完全に重複行の削除が実行できます。もし一部分が重複する行を削除したい場合は、行をフィルターなど別機能を駆使しながら行う形となりそうです。

5.検索と置換

検索と置換は、行をフィルター機能と同じように条件を指定しつつ、該当する値を変更する機能です。
ここではWEIGHTで?という値を空欄(欠損)に変換してみました。
image.png
元々のデータではWEIGHTに多くの「?」が含まれていました。
image.png
「?」を空欄に置換することで、ラングリング画面上でも欠損に変わったことがわかります。
DataRobotのAutoML機能では、欠損値であれば欠損値用の処理を実施してくれるため、本来欠損の意味であるにも関わらず、このような文字列が入っている場合は変更することをお勧めします。
image.png

6.新しい特徴量を作成

新しい特徴量を計算では、Snowflakeの関数を自由に記述して新たな特徴量を作成することができます。
image.png

7.特徴量名を変更する

指定した特徴量の変更ができます。
image.png

8.特徴量の削除

チェックを付けた特徴量の削除ができるようです。
image.png

レシピを適用

ここまでの処理についてはラングリング機能内でのサンプリングデータに対する処理になります。
レシピを適用することで、全データに処理を適用して、データを取得したいと思います。

レシピを適用すると、データレジストリ(DataRobotのAIカタログ)かSnowflakeのどちらにデータを出力するか選択ができます。この画面ではデータレジストリを選択したいと思います。
image.png

公開とすると、ワークベンチのユースケースにデータが作成されました。
image.png

あとは、エクスペリメントから加工したデータに対してDataRobotを実行することができます。
(AIカタログにもデータは登録されているので、従来の画面でのAutoML実行も可能です!)
image.png

まとめ

今回はSnowflake連携機能であるデータラングリング機能を使って、データの準備を行ってみました。
複雑な処理はまだラングリング機能では実行できなさそうですが、結合や集計、置換処理など比較的よく実行するようなデータ準備は気軽に実行できそうです。

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