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DeepRacerバーチャルレースで上位を目指すために考えること

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はじめに

株式会社NTTデータ デザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部の@nttd-kashiwabarayです。
以前以下のページでDeepRacerの学習の基本的な流れを説明しましたが、本日はDeepRacerのバーチャルレースで上位を目指すために検討すべきことを紹介します。

【検討①】走行ライン

初めに開催されるバーチャルレースのコースについて、どのようなラインで走行させるかを検討する必要があります。例えば、RL SpeedwayというAWS Summitで利用されたコースで考えてみます。センターラインで走らせる場合は以下のような形となりますが、特に赤枠部分でロスが大きくなります。

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直線で走らせられる部分は以下のように直線で走らせないと上位を目指せないので、いかにロスのない走行ラインで速く走らせられるかがポイントとなります。まずは開催コースでどのような走行ラインを描くかを検討しましょう。

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DeepRacerのルールとしては、4輪すべてがコースアウトしなければよいので、そのあたりも考慮して走行ラインを検討する必要があります。世界上位者の走りをみていただければ分かるのですが、4輪すべてがはみ出さないギリギリの最短ルートを走らせていることが分かります。世界上位者の走りは過去の分を含めて、マネージメントコンソールのDeepRacerのメニュー「AWS Virtual Circuit」から確認できますので、ぜひ確認してみてください。
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【検討②】アクションスペース

次に考えることはアクションスペースです。上記で検討した走行ラインについて、必要なアクションスペース(角度、スピード)を検討します。アクションスペースは大きく分けて、「Continuous」と「Discrete」の2つがあります。

「Continuous」は名称の通り、以下のように連続のアクションスペースとなります。左右のsteering angleの最大角度と、最小・最大のスピードを決定します。
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「Discrete」も名称の通り、以下のような離散のアクションスペースとなります。角度とスピードの組み合わせを選択します。最大で30個の組み合わせを選択することができます。角度とスピードの組み合わせもさることながら、何個のアクションスペースを設定するのかという点もポイントとなります。
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「Continuous」は取りうる値の範囲が大きいため、最適な値を探索できる可能性は高まるものの、収束は遅くなると考えられます。「Discrete」も取りうる値の組み合わせが多いほど最適なアクションスペースを探索できる可能性は高くなりますが、収束は遅くなり、アクションスペースの組み合わせが少ないほど収束は早くなると考えられますが、その分最適な値を探索できる可能性は低くなるため、どのようなアクションスペースにすべきかはよく検討する必要があります。

【検討③】報酬関数

次に検討すべきは、上記で検討したレースラインおよびアクションスペースで走行させるための報酬関数を設計することです。以下のURLにあるように、様々な入力パラメータがあるので、その中からどのパラメータを活用して、どのような報酬関数を設計するのかを考えてみましょう。

【検討④】ハイパーパラメータ

上記3点が重要なポイントとなりますが、学習の中ではハイパーパラメータを調整して、チューニングを実施していく必要があります。例えば、エントロピーの値を大きくすれば、走りの幅を広げることはできますが、その分収束までの時間が長くなります。学習の段階や状況によっても選択する内容は変わってくるかと思いますので、試行錯誤をしながら学習を実施してみてください。

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【検討⑤】その他

その他に考えられる要素を以下に箇条書きします。
・Training algorithm
→PPOとSACの2つのアルゴリズムがあります。SACは「Continuous」のアクションスペースでしか活用することはできませんが、それぞれのアルゴリズムによる違いがありますので、検討が必要です。
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・カメラ/センサー
カメラも「Camera(単一)」と「Stereo camera(複数)」を選択することが可能です。
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まとめ

バーチャルレースで上位を目指すためには、まずは開催されるコースでどのような走行ラインを描くのかを検討することが重要です。
次に走行ラインに従って、アクションスペースを決定することが重要となります。「Continuous」を選択するのか、「Discrete」を選択するのか。また、「Continuous」であれば最小・最大のスピード、左右の角度幅を検討します。「Discrete」であれば、そのコースの特性を考えながら、いくつのアクションスペースの活用するのか、角度とスピードの組み合わせをどうするかを検討します。
その上で、検討した走行ライン、アクションスペースで走らせるために、どのような報酬関数を設計するのか検討します。
学習を実施していく中では、ハイパーパラメータのチューニングを実施しながら学習をすることが重要です。自身の学習結果のログも確認しながら、調整していきましょう。
また、他のレーサーの走りを確認しながら、どのような走行ラインとなっているかを確認しつつ、思考錯誤しながら世界上位を目指しましょう。

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