はじめに
株式会社NTTデータ テクノロジーコンサルティング事業本部の@nttd-kashiwabarayです。2022年にはAWS DeepRacerリーグの日本大会、アジア大会で優勝しております。
本日はDeepRacerの学習の流れとポイントについて簡単に紹介したいと思います。
DeepRacerの学習の流れ(概要)
DeepRacerの学習の流れは大きくは以下の通りとなります。
1.学習するコースの選択
2.レースタイプの選択とアルゴリズム・ハイパーパラメータの指定
3.アクションスペースの指定
4.車両の選択
5.報酬関数の入力と学習時間の指定
DeepRacerの学習の流れ(詳細)とポイント
以下に学習の流れの詳細とポイントを示します。
1.学習するコースの選択
以下の画像のように、モデル名を入力します(必要に応じて学習モデルの詳細を記述します)。
次の学習させたいコース(以下の画像の例は今年のSummitのコース)を選択します。また、「時計回り」か「反時計回り」かを指定します(どちらかしかないコースもあります)。
2.レースタイプの選択とアルゴリズム・ハイパーパラメータの指定
次にレースタイプを指定します。基本的にはタイムトライアルを選択します。
次にアルゴリズムとハイパーパラメータを指定します。ハイパーパラメータの詳細については、別の機会にお話させていただければと思います。最初はデフォルトの値のままで構いません。詳細なチューニングを実施する際にはハイパーパラメータの指定も重要になります。
3.アクションスペースの指定
次にアクションスペースを指定します。アクションスペースは実機のレースにおいても、バーチャルのレースにおいても重要なポイントとなります。まず、重要となるのは「連続」か「離散」のどちらを選択するかです。どちらがよいと一概に言えるものではありませんので、ぜひいろいろと試していただければと思います。以下が「連続」を選択したときの例となりますが、次に重要となるのが「角度」と「スピード」の指定です。DeepRacer自身の取れるアクションを決定することになりますので、今回走らせるコースでどんな走りをさせたいかをイメージして、アクションの幅を指定してください。
次が「離散」の例となります。「離散」のアクションの選択はさらに難しくなります。以下の例では最大の角度とスピードおよび粒度を決めている形となりますが、手動で細かく設定することも可能となります。どの角度とどのスピードを組み合わせて設定するのかが、DeepRacerの走りに大きく影響します。
4.車両の選択
次に車両の選択です。車両自体はどの車両を選択しても変わらないのですが、車両のカメラやセンサーの指定がポイントとなります。
DeepRacerのメニューの「Your garage」から車両のカメラやセンサーの搭載を指定することができます。通常のカメラ(Camera)に加えて、カメラが2つで視野が広がるカメラ(Stereo camera)のいずれかを選択することが可能です。また、センサーの搭載も選択可能ですが、障害物レースや対人レースなどでの活用になるかなと考えております。
5.報酬関数の入力と学習時間の指定
最後に報酬関数を入力します。以下のAWS公式ページに入力パラメータおよび報酬関数例が載っておりますので、こちらを参考にしながら、自分の走らせたい報酬を設計します。報酬関数なども別途詳細をお話できればと思いますので、本日は割愛します。最後に学習時間を指定(5分~1440分の範囲)して、学習を開始します。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/deepracer/latest/developerguide/deepracer-reward-function-input.html
おわりに
本日はDeepRacerの学習の流れとポイントを簡単にお話しました。実機とバーチャルレースの違いやハイパーパラメータや報酬関数などについては、またどこかでお話できればと思います。まずはアクションスペースと報酬関数が一番重要となりますので、走らせるコースでどんなコース取り、走りをさせたいかを事前によく検討し、設定いただければと思います。
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