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社内ラヂオのすゝめ (組織開発に活用して分かったことやオススメのポイント)

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#■ はじめに
僕は今、ディップ株式会社のエンジニアリング部門で組織開発を担当していまして、「組織文化の形成」とか「MISSION・VISION・VALUEの浸透」なんかに取り組んでいます。

その施策として、社内ラジオを始めてみました。

最初は『うまくいくかなー?』と不安な気持ちもあったのですが、なんだかんだ放送回数も40回を突破しました。

『あれ、思ったよりアリだな』と、そこそこ手応えを感じるようになったので、備忘録がてら、気づいたことやオススメするポイントなんかを残しておこうと思います。

コロナの影響でリモートワークに移行する会社が多くなり、社内広報の一貫で社内ラジオを始めたという会社も多くみかけるようになったので、これから始める方の参考になったら嬉しいです。

#■ 聞く人、いる?
社内ラジオを始めるにあたり、**「そんなの聞く人いるの?」**というのが一番気になるポイントだと思います。僕もそうでした。

結論から言うと、います

もちろん組織フェーズやインナーコミュニケーションの状態によって、全体の何割の人が聞いてくれるかは違うと思います。

けど、います

特に初回配信に至っては、『こんなに聞いてくれるとは思わなかった』と驚くと思います。

ラジオという方法自体がまだ珍しいことや、素人が配信する恥ずかしさを覗けるなど、ラジオならではの新鮮さが一定の興味・関心を引くようです。

なので、しつこいようですが聞いてくれる人は、います。

ただし、

  • 聞いてくれる
  • 聞き続けてくれる

これは全然違うので、聞き続けてくれるラジオにする為には、様々な工夫が必要だと思います。

#■ 二人で始める
一人よりも、二人で始めるのをオススメします。

「聞きたくなる要素」としてコンテンツの内容ももちろん大事なのですが、聞いてて楽しい雰囲気はとても重要です。

Results____subako-radio___Typeform.png

こちら、弊社内で取ったアンケートの結果です。

母数が18人なので多くはないのですが、様々な要素の中で2番目が「楽しい雰囲気」なんですよね。

一人で楽しい雰囲気を出す、というのはなかなかハードルが高いので、二人ならではのメリットかなと。

あとはラジオに限った話しではないですが、一定の効果を感じられるまで一人で熱量を保ち続けるのってしんどいと思うんですよね。

二人であーだこーだ言いながら、配信している側も楽しんでやるのが続けるコツだと思います。

#■ 音質には最初からこだわった方がいい
ラジオを始める時に、

  • 「どのくらい続けるか分からないから」
  • 「とりあえず聞ければ十分だろう」

と、音質を二の次に考えていましたが、これは間違いでした。

聞いてくれた人の感想を聞いていると「もう少し音質がよければ...」という声が多く、シンプルに聞く気が失せるみたいです。

なので、リスナーの「聞く習慣」が育っていない時は、聞く理由よりも聞かない理由を作らないようことに注意した方がよいです。

それなりの音質を維持するために僕がやったのは、

  1. コンデンサーマイクを買う
  2. 反響の少ない部屋で録音する
  3. 最低限の編集をする

こんなところです。

###1. コンデンサーマイクを買う

まずは何をおいてもマイクかなと。

正直、マイクが駄目だとその他のコトをいくらがんばっても大した効果がありませんでした。

で、どんなマイクがいいか色々々々々....調べたんですが、(あまり高額なのは予算がおりず)結局お値段もお手頃な↓のマイクを買いました。

ソニー エレクトレットコンデンサーマイクロホン PC/ゲーム用 PCV80U ECM-PCV80U

結果的に、聞いていて不快ではないというレベルに改善されたので、この価格でも十分な性能だと思います。

###2. 反響の少ない部屋で録音する

狭い部屋で録音をすると、反響音とかすごいです。

声が「ボワー」っと籠もった感じになるのが比較してみるとよくわかります。

レコーディングスタジオとまでいかなくとも、出来るだけ上下に広く、反響の少ない壁面の部屋をオススメします。

###3. 最低限の編集をする

僕はAudacityというツールを使って編集をしています。

  • ノイズの除去
  • 笑い声の音量調整
  • BGMの追加

くらいやっておけば十分かなと思います。

####ノイズの除去

マイクにもよりますが、録音したままの音源だと「サー」というホワイトノイズが聞こえたりするので、それを取り除きます。

Audacityなどツール内には大体ノイズ除去の機能があるのでそれを活用すれば大丈夫です。

####笑い声の音量調整

笑い声だけ音量が大きくなったりするので、録音データをいじって調整します。

_subako-radio_第6回.png

「コンデンサー」とか「正規化」とか、自動でいい感じにやってくれる方法もあるみたいですが、僕はあまりうまく扱えないので手動でやっています。

####BGMの追加

話し声を邪魔しない程度に、小さい音量で入れておくといいです。

期待できる効果としては、

  • ちょっとしたノイズをかき消してくれる
  • 無言の間を緩和してくれる
  • ラジオっぽくなる

などなど、結構いいことが多いです。

また、選曲で言うと、

  • 歌声が入っている曲は避ける
  • 抑揚が強い曲は避ける
  • シンバルなど、破裂音が入っている曲は避ける
  • リピート前提に作られた曲でリピートする

などを考慮してあげると、会話の邪魔にもならずいい感じですね。

最近は素敵な音源をフリーで公開してくれている方々がいるので、ご厚意に甘えてしまいましょう。

#■ 聞きやすい環境で配信する
僕の所属する部門ではコミュニケーションツールにSlackを使っているので、専用のチャンネルを作ってそこに音源を投稿しています。

Slack___subako-radio___dip-dev2.png

こんな感じです。

Slackがいいかなと思ったのは、

  • リスナーがアクセスしやすい
  • 絵文字で簡単にリアクション出来る
  • ピン留めしておけばバックナンバー代わりになる

などなど、社内用と割り切れば十分な機能を持っています。

ポッドキャストやVoicyなどを活用する方法も考えたのですが、リスナーに聞く習慣が出来ていない状態で外部ツールを導線とするのは、アクセシビリティへの懸念でやめました。

最初は「聞く」というアクションへの障害を極力無くした方がいいと思いますが、この辺は正直社内インフラの状況などを考慮して検討するのがよいかなと。

リスナーの習慣が出来てきて、社外への広報を考えるフェーズになったら検討してもいいかなと思っています。

#■ 配信タイミングが意外と大事
最初の頃は

  1. お昼頃に録音
  2. 夕方までに編集
  3. 編集できたら配信

というサイクルだったので、大体18:00くらいの配信が多かったです。

で、リスナーに『どういう時に聞いてるの?』と聞いてみると、

仕事の合間やお昼休憩中の息抜きに聞いている
という人が存外多く、理由を聞いてみると

  • 会話内容が仕事関係のコトなので、頭が仕事モードになっている時に視聴したい
  • 常に意識しているわけではないので、「明日聞こうかな」と思っていても忘れてしまうことが多い

とのことでした。

これにより配信までのサイクルを見直して、予め編集を終えておいたものを朝10:00頃に配信するようにしました。

もちろん、通勤時間中に聞く人や家で聞くという人なんかもいたので、リスナーが増えてきたらアンケートやヒアリングをして調整すると良いかと思います。

タイミングで言うと他にも、

  • 月〜金のどこで配信するか
  • 毎週配信するか

という点もリスナーに合わせてチューニングするとよいですね。

ちなみに僕は

  1. 月曜日に収録
  2. 月曜日中に編集
  3. 火曜日の朝10:00に配信

を毎週のペースでやっています。

#■ 1回の配信は15分程度で完結させた方がいい
配信に慣れてくると、結構1つのテーマでたくさん話せるようになると思います。

すると、1回の配信時間が長くなったり、分割して配信するようなことをしたくなりますが、これが意外と罠です。

配信時間が長くなると、

  • 「ちょっと聞こうかな」と隙間時間で聞くのが難しくなる
  • 中断した時にどこまで聞いたか分からなくなる

という弊害が起こります。

また、分割して配信すると**「連続している分は全部聞かないと...」**という心理が生まれてしまう
ということが分かりました。

結果として、聞くべきものがたくさん溜まっているという状況になり、追うのが大変だから徐々に離れていく...という現象に繋がりました。

意外だったのは、組織的な内容が中心になっているからか、思ったよりも「気になるテーマだけ自由に聞く」という意識が少なかったことです。

『気になるテーマの時だけ聞いてくれればいいよ』とこまめに伝えるなど、「全部聞かなくても良い」というフォローを意識的にやった方がいいようです。

#■ 終わりに
思いつくままに書いていたら結構長くなってしまいました。

他にも、

  • 話題や流れを練り込みすぎると会話の自由度が低く、逆にテンポが悪くなる
  • 共通認識が定まっていないことを話すのが難しい
  • リアクションがないけど聞いてる勢はいる
  • Take2を配信するのがちょうどいい
  • 適切なフィードバックをもらう仕組みは結構難しい
  • 最初は慣れが必要なので、「出来る時にやる」よりも定期的な収録時間を確保しておいた方がよい

などなど、感じたことはたくさんあるので、この辺もまた機会をみてまとめてみようと思います。

もし気になる方は、個別にコメントとかいただければお話しもできますので、いつでもご連絡ください。

それでは今回はこの辺で。

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