VMware ESXi をスタンドアロン環境で利用する場合、vSphreClientで直接ESXiへ接続することになるが、WebClientを経由しないこの利用方法の場合、HWバージョンが9以降の仮想マシンについては、CPU・メモリの割り当て変更といった設定の編集ができない。
新規仮想マシンの作成でもHWバージョン8までしか選択できないのだが、既存の仮想マシンの右クリックメニュー中にある「仮想ハードウェアのアップグレード」を行うとバージョンを9以降に上げることができる。
HWバージョンを上げると仮想マシン構成の上限が引き上がったり、仮想マシンのGuestOS内でCPUの仮想化支援機能(vmx)を利用できるようになったりとメリットがあるので、スタンドアロン環境でもHWバージョン9以降を利用したいケースもあると思われる。
しかしうっかりこのアップグレードを行ってしまうと、以降vSphereClientでは仮想マシンの設定の編集ができなくなり、困ってしまう。
正規の方法としては製品版(ないしは体験版)でvCenterServerを導入し、vSphereWebClientを利用しない限り、HWバージョン9以降の仮想マシンを扱うことはできないのだが、サポート外の方法(※)でスタンドアロンのESXi環境でもHWバージョン9以降の仮想マシンを扱う方法がある。
正確には、HWバージョンをダウングレードする方法がある。その方法は下記の通り。
- vSphereClientのインベントリ画面にて、対象の仮想マシンを右クリック→「インベントリから削除」する (誤って「ディスクから削除」しないように)
- 対象の仮想マシンイメージが格納されているデータストアを参照し、[仮想マシン名].vmxをダウンロードする
- ダウンロードしたvmxファイルをメモ帳等で開き、「virtualHW.version = "X"」(Xは仮想マシンのHWバージョン)となっている箇所を「virtualHW.version = "8"」と書き換える
- 編集後のvmxファイルを、データストアブラウザにてダウンロードした場所と同じ場所に上書きでアップロードする
- アップロードしたvmxファイルを右クリック→「インベントリへの追加」をする
これでvSphereClient上から見える仮想マシンのHWバージョンは8へ戻る。設定の編集も可能となるので、適宜編集し、再度アップグレードすればHWバージョンを9以降の最新に戻すことができる。
※知る限り、あくまでサポート外。VMwareコミュニティに少し記載がある程度で、公式の動作保証はない。ただ個人用途の環境であれば利用価値はあるかと思われる。あくまで個人の責任範囲で実施ください。
※(2014/11/16追記)vSphereClient 5.5 build-1993072にて、HWバージョン9以降の仮想マシンの設定変更も可能となりました。(ただしHWバージョン9以降の機能は利用できません。)