はじめに
こんにちは、GxPの清水です。
この記事はグロースエクスパートナーズ Advent Calendar 2020の7日目です。
今回は、私がひと月前から始めた1on1でメンターとしてデビューした初回で早速失敗してしまったことと失敗からの学びについてお話させて頂きます。
私と同じように1on1を始めたばかりの方や、これから1on1を始めたいと考えている人の参考になれば幸いです。
1on1をはじめたきっかけ
1on1を始めた理由は、「自分自身が1on1に大きく救われていたから」です。
私はメンティ(受け手側)として1年ほど前から1on1を実施していただいているのですが、
1on1の時間を設けてもらうようになったことで、以下の効果がありました。
- 一人ではまとめ切れない考えを整理することができ、モヤモヤとした気持ちがすっきりする
- 悩みに対するヒントを自ら見つけることができ、前に進める
- 頑張ったことを認めてもらえ、自己肯定感が高まる
- 自信がない事柄に対し、背中を押してもらうことで勇気をもって取り組むことができる
毎回、何らかの悩みを抱えて1on1に駆け込んでいるのですが、
1on1が終わるころには「これからは2倍くらい仕事できちゃいそう!」とホクホク🍠な気持ちになり、
前向きに仕事に取り掛かることができるようになっています。
この気持ちを私が1on1のメンター(1on1開催者)をやることでメンティに感じてもらえるようになったら素敵だと思ったのが動機です。
始める前に準備したこと
初めてメンターとして1on1を始めるにあたり、私は以下のことを行いました。
- 1on1の目的を定める
- 1on1の対象者を定める
- 1on1の基礎を学ぶ
- メンター間の交流・学びの場を作る
1on1の目的を定める
まず、1on1を実施する目的を決めました。
メンター・メンティがお互いになんのために1on1の時間を設けているのかを明確にするためです。
目的が明確だとお互いに話を準備しやすくなります。
私の目的は**「仕事を行う上で困っていることや悩んでいることを一緒に考えること」**としました。
理由は以下の2点です。
- はじめたきっかけに書いた通り、自分自身がこうして寄り添ってもらったことが助けになったため
- 目標設定に対する取り組み報告やキャリア支援は別途上司が1on1を行っているため、重複しない細かい領域をサポートできるように
1on1の対象者を定める
次に、対象となるメンティを決めました。
私の定めた1on1の目的は一人で悩んでいてもなかなか声を上げることができないような人物がターゲットとしてマッチするものであったため、自部署の若手メンバーを対象としました。
この際、近い目的で1on1を始めようとしている別のメンバーがいたため、お互いの対象者が重複しないよう調整し、私のメンティは5名となりました。
1on1の基礎を学ぶ
さらに、1on1に臨むにあたって「どんなことに気を付けたら良いか?」「メンターはどのような姿勢で臨むべきか?」といった基礎的な知識を学びました。
基礎知識の学習は、同じ志を持つ1on1初心者の社員同士で集まって1on1勉強会を発足し、参考書籍を読み合わせることで実施しました。
使用した参考書籍は私のメンターが進めてくれた全日本キャリア教育改善推進協会さんの書籍「会話の引き出しを増やす 1on1カード と 使いこなしブック」です。
こちらの書籍は1on1の進行を手助けしてくれるカードを使いこなすための解説本の位置づけの本なのですが、1on1の基礎となる「話の聴き方」「質問の仕方」についても、理論に基づいてわかりやすく解説してくださっています。
内容がぎゅっと濃縮されて薄い本に収まっているので、時間をかけずにさくっと読めたところも非常に良かったです。
メンター間の交流・学びの場を作る
最後に、以下の効果を期待してメンター同士で交流・学びを共有できる場を設けました。
- 1on1で活かせるテクニックを共有し、お互いの1on1の質を高める
- メンター同士で励ましあい、高いモチベーションをキープする
- 「こんなときどうしたらよかった?」などの悩みを持ち寄って検討し、1on1に対する理解を深める
こちらは前述の1on1勉強会を継続する形で実現しており、発足からさらに新しいメンバーも増えました!
現在は週に1回1時間の枠で、以下のプログラムで実施しています。
- 前回~今回までの期間で行った1on1についての所感の共有、悩みの相談
- 1on1参考書籍の読み合わせ
参考書籍は、前述の書籍と同様の著者である全日本キャリア教育改善推進協会さんの書籍「1on1ミーティングで悩んだ時に読む本」を活用しています。
こちらはタイトルの通り悩みに対するアプローチのヒントが紹介されているため、1on1開始後のお悩み解決本として非常に適しています。
私たちも所感の共有・悩みの相談で話題に上った章を読み合わせる形で活用しています。
準備完了!
以上で1on1メンターデビューに臨む準備が整いました!
準備に記載した内容と一部重複しますが、参考までに私が設定した1on1の概要をご紹介します。
My 1on1 概要
- 目的:仕事を行う上で困っていることや悩んでいることを一緒に考えること
- 対象メンティ:自部署の若手メンバー5名
- 時間:30分~1時間
- 開催間隔:2週間に1度を目安に、メンティからやりたい日を指定してもらうスタイル
- 形式:リモートワークが多いため、Zoomを利用してオンライン開催 メンターの私はカメラONで参加
- 1on1の流れ:
- まずは「困っていること、悩んでいること」がないかメンティにヒアリング
- 特にメンティから話したいトピックがない場合は、1on1カードに記載されているテーマを質問しながら近況をヒアリング
- ヒアリング内容はオンラインふせんツールのMiroを活用し、画面共有しながら話を書き起こして整理していく
いざ実践!…そして挫折
目的と対象者を設定し、基礎も学び、仲間も作り…ついにメンターとしての第一歩を踏み出しました🎉
が!
初回から思うようにはいかず、こんな失敗をしてしまいました。
以降は私のやらかし体験談です。
関係性の構築をすっとばしてグイグイ踏み込みすぎた
当たり前の話ですが、よく知らない人とはいきなり込み入った話はできません。
まずは当たり障りのない話題で言葉を交わすだけで精一杯です。
私の1on1を受けてくれているメンティの中には、今まで一緒に仕事をした経験のない人もいます。
つまり私がどんな人間なのか、あまりよくわかっていない状態です。
そんなよくわからない人に「困っていること」や「悩んでいること」のようなセンシティブな話題を振られても、困ってしまいます。
悪い印象を与えないよう、当たり障りのないことを言いたくなってしまうかもしれません。
私はそんな当たり前のことに気づかず、相談してくれたことが嬉しくて、初回からどんどん質問を繰り返しながら話を掘り下げてしまいました。
結果、最終的にメンティが返答に困って沈黙してしまう事態を招いてしまいました…。
その際、うまくフォローもできず、メンティの方には大変気まずい思いをさせてしまったと深く反省しています。
目的を忘れて途方に暮れてしまった
あるメンターが打ち明けてくれた悩みが、私のレイヤー・役職では直接的な解決が難しい内容でした。
せっかく信頼して話をしてくれたのに私の力では解決に結びつけることができず、
申し訳ない思いを感じるとともに、今後どうしたら良いのかわからず落ち込んでしまいました。
ですが、私の1on1の目的は「仕事を行う上で困っていることや悩んでいることを一緒に考えること」です。
問題の解決策を示すのではなく、メンティの悩みに耳を傾け寄り添うことで前向きな気持ちになることを支援することを目指しています。
それなのに、悩みを聞いた私はつい解決しなくてはならないと思い込み、それができないことに勝手に落ち込み、途方に暮れていたのです。
私自身の1on1でこの件について相談し、メンターに指摘されるまで全く気付くことができませんでした。
初回の反省を踏まえて
焦らず丁寧に関係性を構築しよう
1on1はメンター・メンティの信頼関係があって成り立つものです。
そして信頼関係は一日やそこらで築けるものではありません。
失敗を振り返り、今後は以下に気を付けて取り組もうと考えています。
- まずはどんな話題でも良いので**「自分のことを話してもらえるようになること」を大切にする**
- メンティが話してくれている時にはしっかりと耳を傾けて聴く
- 話を遮ったりせず、メンティの話すペースに合わせる
- メンティの価値観(何を大切にしているか)を知り、尊重する
- 時間を奪いすぎないよう気を付けつつ、少しずつ自分(メンター)のことも話して知ってもらう
目的を意識して1on1に取り組もう
1on1に限った話ではありませんが、「なんのために取り組んでいるのか」をしっかりと定め意識して行動するようにしないと、今回のように方向性がズレてしまったり、ただ取り組むこと自体が目的になってしまったりします。
特に1on1は自分とメンティの2人分の時間を使った取り組みであるため、価値を最大化してお互いに意味のある時間にできるよう、目的の設定と意識は大切です。
私の場合、目的は定まっており初回にメンターと共有もできていたので、今後も1on1の時間にちゃんと意識することができるような施策として以下を考えています。
- メンター・メンティの双方が見える場所に目的を掲げる**(いつでも目的を確認できる状態にする)**
- 1on1を始める前に、目的を確認する**(意識し忘れの防止)**
- 1on1が終わった後、メンティとして目的に沿ったアクションが取れていたかを振り返る**(改善点を見つける)**
1on1は一日にして成らず
以上が私の1on1メンターデビューで得た反省・学びです。
メンターとの信頼関係性の構築はもちろん、1on1に対する理解やテクニックの習得もまだまだ時間が必要だということを実践を通して痛感しています。
これからも1on1勉強会や私自身がメンターとして受ける1on1の機会を活かし、「焦らず丁寧にコツコツと」をモットーに取り組んでいきたいと考えています!