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NextremerAdvent Calendar 2017

Day 16

Google AssistantとAmazon Alexaの対話デザインを読み解く

Last updated at Posted at 2017-12-15

これは Nextremer Advent Calendar 2017 の16日目の記事です。

はじめに

2017年、Google, Amazon, LINE など各社がスマートスピーカを発売し、 音声対話インターフェースの普及と盛り上がりが大きくなってきています。

このスマートスピーカですが、各社が対話デザインのルールを設けています。

スマートスピーカ用のアプリを開発する場合、このデザインルールに従って、アプリを開発することになります。

今回は、この対話デザインのルールを自分なりに読み解きたいと思います。

Google Assistant

Google Assistant では、 対話デザインのルールを簡単にチェックできる、デザインチェックリストを公開しています。

今回はこのデザインチェックリストを読み解いてみたいと思います。

スクリーンショット 2017-12-13 15.50.51.png

デザインチェックリスト

挨拶とさよなら

ユーザに誰であるか話す

Google Assistantは、ユーザーエクスペリエンスをあなたの会話アクションに渡すので、ユーザーがあなたの会話アクションの体験に入ったことを知らせてください。

  • あなたのペルソナは、話している相手をユーザーに伝えますか?
  • Googleアシスタントからアクションへの明確な移行はありますか? また、ユーザーは現在どこにいるか知ることができますか?

適切な情報量を与える

行動に慣れ親しんでいるさまざまな程度の挨拶をユーザーに提供してください。

  • ブランドの新しいユーザーは、あなたのアクションが何であるかを理解していますか? 最初の挨拶は圧倒的に有益でありますか?
  • あなたの挨拶は経験豊富なユーザーのために繰り返されますか? リピートユーザーには、より短くて親しみやすい挨拶がありますか?

会話を適切に終了する

ユーザーが意図を果たしたら、何か他のことをする機会を与えたり、人生を進めることができます。 出口への妨げにならない道がありますか? ユーザーにとって意味のあるコンテキストで、「気にしない」や「いいえ、ありがとう」などの単純なバックアウトの要求は受け入れられますか?

ペルソナ

あなたのユニークなブランドとアイデンティティを反映する

ユーザーは1つまたは複数のデザインを予定しているかどうかをペルソナで認識します。したがって、ブランドに定義されているペルソナがまだない場合は、作成してください。

ユーザーが戻ってくるように保つ

あなたのペルソナをリアルな人間とみなし、多くの交流の後であっても、あなたのアクションとその人物とやりとりすることを確かめてください。

一貫性を保つ

対話の間はペルソナを維持するので、ユーザーは「複数の人物と話しているように感じる」という厄介な、または混乱するダイアログを経験することはありません。

会話型ダイアログ

ターンテイク

良い会話のパートナーは正しい手がかりを与える方法を知っています。

  • あなたがターンを起こすたびに応答するための十分なコンテキストをユーザに与えます。 あいまいな文を作ってからマイクを開くだけではいけません。
  • ユーザーに質問やプロンプトを表示して、会話を相手に伝えるようにします。 質問をした後でも話し続けないでください。

自然なサウンド

あなたが書くすべてのダイアログについて、大声でそれを読んでそれを確かめてください

  • あなたの望むペルソナが言うだろうか?
  • 他の媒体(変換されたモバイルアプリやウェブサイトなど)のコピーではなく、会話を念頭に置いて書かれています。

会話の回復 (エラーハンドリング)

バリエーションを期待してエラーを防止する

入力の理解には、次のようなたくさんの言い換えのフレーズがあります。
yes, yeah, sure, it does, it sure does, of course, definitely.

役立つ再署名を提供するか、別の質問にピボットする

あなたの行動が理解できないこと、または何も言わないときにユーザーに質問を返す。

いつでも助けてもらう

ユーザーは会話のどの時点ででもヘルプを求めることができます(「何ができますか?」)。そのため、準備をしたり、明示的なヘルプダイアログを表示したりしてください。

ユーザーが情報を再現できるようにする

「what?」「repeat」「say that again」などのユーザー入力を認識し、適切に対応します。

正常に失敗する

ユーザーが応答を提供しない場合、または2回または3回試行した後に認識できない応答がある場合は、適切なメッセージを表示して終了してください。

まとめ

Google Assistantではアシスタント型の対話にフォーカスしています。

そのため、ペルソナを作り、適切に挨拶を交わし、対話は適切にターンテイクし、適切にエラーハンドリングすることを、デザインの中に取り入れることをガイドしています。

Conversation Design Tips の中では、対話の歴史や技術的な話を踏まえなから、対話設計のヒントが紹介されています。

こちらの動画はとても参考になるので、一度動画を見ることをお勧めします。

そのあとに、デザインチェックリストを読むと、GoogleのVUIの思想がわかり、対話デザインの理解が深まるのでお勧めです。

Amazon Alexa

Amazon Alexa でも同様に、対話デザインのルールを簡単にチェックできる、デザインチェックリストを公開しています。

こちらも読み解いてみたいと思います。

スクリーンショット 2017-12-14 13.49.53.png

デザインチェックリスト

顧客があなたのスキルでどのような利益があるかを明確にする

タスクやエンターテインメントをより速く、簡単に、楽しくするために、顧客が自分のスキルを試してからもう一度やり直す可能性を高めるように設計する。

ユーザーはあなたのスキルを見つけることができますか?

スキルの内容がユーザーに伝わり、ほかのスキルと区別できるスキル名をつけてください。

自然言語会話のためのデザイン

日常の言葉を使って、顧客があなたのスキルで快適さを増すために通常行う方法で物事を言うように勧めます。

優れたインタラクションデザイン手法を使用する

顧客が対話する必要があるすべてのタスクフローとシーケンスを設計します。アカウントのリンク、タスクの開始と終了、自分のスキルのメインステート、「次は何ができますか」のステートが含まれます。顧客が各ステップを完了したことを確認します。

予期せぬユーザーの発話を適切に扱う

フォローアップの質問が意味を成し、気分が良くなり、顧客を成功に導くことを確実にする。

顧客があなたのスキルを使用してるところを観察する

テストバージョンを使用しているときに、そのスキルになじみのない人を観察し、何が効果的かどうかを理解し、必要に応じて調整します。

まとめ

Amazon Alexaの対話デザインでは "人々が簡単に理解して対応できるように話す方法" にフォーカスをしています。

スキルの目的を決め、自然言語会話のデザインをし、優れたインタラクションを使用し、予期せぬユーザ発話をフォローアップすることをガイドに取り入れています。

How Alexa Responds の中には、VUIに適したユーザが簡単に理解して対応できる方法が具体例を交えて、まとまっています。

もっと詳しく知りたい方は

今回はGoogle, Amazon, それぞれの対話デザインのチェックリストをさらっと、読み解きました。

今回紹介した、チェックリスト以外にも、どのようにVoice Designを作れば良いか、それぞれ章立てて、紹介がされています。

もっと詳しく知りたい方は、以下を読んでみることをお勧めします。

また、オライリーから発売されている、Designing Voice User Interfacesもとても参考になります。

VUIに関わる方は一度目を通すと良いのではないでしょうか。

最後に

2017年は各社からスマートスピーカが発売されて、音声対話インターフェースの認知度や普及が進んだことが印象的でした。

Nextremerでは対話システムをメインとした、研究・開発が日々行われています。

各社の対話デザインルールを読み解いてみて、より良い対話インターフェースのデザインとは何か、について再度考える良い機会になりました。

また、Google, Amazonそれぞれ、対話デザインをまったく違ったアプローチで捉えていることが垣間見れて、とても興味深いのでした。

おしまい。

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