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ボタンひとつでお仕事革命!Power Automateで仕事をサボ…じゃなくて効率化!

Last updated at Posted at 2024-09-10

この記事では、Power Automate Desktop(PAD)を使って、データの取得から送信までの自動化フローを構築する手順を解説します。最初は、同僚たちにシンプルなフローを試してもらい、そのフィードバックを元に改良を重ね、最終的にExcelの処理も加えました。

完成版のPADの動作動画

PADでやろうとしたこと(概略図)

PAD フローチャート.jpg

フローのソースコード

🐶クリックしてフローコードを表示🐶
WebAutomation.LaunchEdge.LaunchEdge Url: `` WindowState: WebAutomation.BrowserWindowState.Maximized ClearCache: False ClearCookies: False WaitForPageToLoadTimeout: 60 Timeout: 60 BrowserInstance=> Browser
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \'ログイン - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Edit \'cssLoginTableTextBox\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
MouseAndKeyboard.SendKeys.FocusAndSendKeys TextToSend: `` DelayBetweenKeystrokes: 3 SendTextAsHardwareKeys: False
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \'ログイン - 職場 - \'']['Edit \'cssLoginTableTextBox\' 2'] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
MouseAndKeyboard.SendKeys.FocusAndSendKeys TextToSend: `` DelayBetweenKeystrokes: 3 SendTextAsHardwareKeys: False
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \'ログイン - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Button \'ログイン\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \' システム - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Button \'送信\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \' システム - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Hyperlink \'_日次/月次\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \' システム - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Button \'検索\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
WAIT 5
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \'システム - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Button \'CSV出力\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0
WAIT 5
Excel.LaunchExcel.LaunchAndOpenUnderExistingProcess Path: $'''C:\\Users\\331824\\Downloads\\I_TenpoJisseki.csv''' Visible: True ReadOnly: False Instance=> ExcelInstance
Excel.SelectCellsFromExcel.SelectCells Instance: ExcelInstance StartColumn: $'''A''' StartRow: 1 EndColumn: $'''Z''' EndRow: 300
Excel.CopyCellsFromExcel.Copy Instance: ExcelInstance
Excel.LaunchExcel.LaunchAndOpenUnderExistingProcess Path: $'''C:\\Users\\\\Desktop\\店舗配信用\\店舗配信用.xlsm''' Visible: True ReadOnly: False Instance=> ExcelInstance2
Excel.PasteCellsToExcel.PasteAt Instance: ExcelInstance2 Column: $'''A''' Row: 1
Excel.ResizeColumnsOrRows.AutofitAllColumns Instance: ExcelInstance2
Excel.ResizeColumnsOrRows.AutofitAllRows Instance: ExcelInstance2
Excel.RunMacro Instance: ExcelInstance2 Macro: $'''色の変更と行削除_枠追加_ウィンドウ固定_列も固定'''
Excel.SaveExcel.SaveAs Instance: ExcelInstance2 DocumentFormat: Excel.ExcelFormat.FromExtension DocumentPath: $'''C:\\Users\\331824\\Desktop\\店舗配信用\\東.xlsm'''
Excel.CloseExcel.Close Instance: ExcelInstance2
Outlook.Launch Instance=> OutlookInstance
Outlook.SendEmailThroughOutlook.SendEmail Instance: OutlookInstance Account: `` SendTo: `` Subject: $'''''' Body: $'''


''' IsBodyHtml: False IsDraft: False Attachments: $'''C:\\Users\\331824\\Desktop\\店舗配信用\\東.xlsm'''
Excel.CloseExcel.Close Instance: ExcelInstance
File.Move Files: $'''C:\\Users\\331824\\Downloads\\I_TenpoJisseki.csv''' Destination: $'''C:\\Users\\331824\\Desktop\\店舗配信用''' IfFileExists: File.IfExists.DoNothing MovedFiles=> MovedFiles
UIAutomation.Click.Click Element: appmask['Window \'システム - 職場 - Microsoft​ Edge\'']['Button \'ログアウト\''] ClickType: UIAutomation.ClickType.LeftClick MousePositionRelativeToElement: UIAutomation.RectangleEdgePoint.MiddleCenter OffsetX: 0 OffsetY: 0

なぜPADを導入したのか

現行業務の課題や問題点.jpg

職場では「データ処理の時間短縮」が課題でした。そこで、Power Automate Desktop(PAD)を導入。社内PCに初期インストールされ、日本語対応も充実しているので手軽に使えます。

初めに複雑なフローを提示しましたが、同僚たちの興味は薄かったため、自動ログインやデータ保存などのシンプルなフローから試してもらい、徐々に改良を重ねました。

使用したツール

  • Power Automate Desktop (PAD): 自動化フローを作成
  • Excel: データ処理・編集のために使用
  • Visual Basic for Applications (VBA) : Excelでマクロを使用して処理を自動化

基本フローの手順

最初は次の手順で基本フローを作成しました(この時点ではExcelでのデータ処理は含んでいません)。

  1. 自動ログイン: UI要素をクリックし、IDとパスワードを入力。
  2. データ保存: 指定したファイルのダウンロードと保存。
  3. メール送信: 保存されたファイルを自動でメール送信。

まずは自動でログイン!

最初1.jpg
最初2.jpg

UI要素をクリックで、任意のUIをクリックできるようになります。

自動でデータを取得!

コメント 2024-09-10 103620.png

UI要素をクリックで指定したファイルのダウンロードを開始します。

ダウンロードしたファイルを選択してみよう!

スクリーンショット 2024-09-09 154716.png

ダウンロードしたファイルをメールで送ろう!

スクリーンショット 2024-09-09 160029.png
スクリーンショット 2024-09-09 160433.png

ここまでフローを設定すると、自動でメールまで送ってくれるようになります。

最後に、ファイルがダウンロードフォルダに保存されたままなので、移動させます。スクリーンショット 2024-09-09 161421.png
これで、データ取得からメール送信までが自動化されました。

職場で使ってみよう!

作成したPADフローを職場の仲間に試してもらいました。事前に以下のような説明を行いました。

説明内容

  • 課題: データ処理に時間がかかり、業務の効率化が求められている
  • 目的: Power Automate Desktop(PAD)を使用して、データ処理の時間短縮と自動化を図り、チーム全体がデジタルツールに慣れてもらう
  • 目標: チーム全体の業務効率を向上させるための仕組みを確立する

その中でもPADに興味を示してくれた2名(上司と同僚)からフィードバックを頂きました。

上司と同僚の紹介

上司(統括リーダー 40歳 男)

  • 関東ブロックを統括
  • 資料作成やデータ処理に多くの時間を費やしている
  • 店舗の巡回ができないのが課題
  • PADについては知識があるが、使用は今回が初めて

同僚(複数店舗を巡回している薬剤師 35歳 男)

  • 複数店舗を巡回
  • デジタルツールに詳しくない
  • 主な業務は店舗教育
  • データ編集に時間がかかり、業務が滞ることがある

使ってもらった感想(フィードバック)

フィードバックを受ける際の質問内容

  • 業務のどの部分で役立つと感じましたか?

  • 完全自動化への抵抗感はありましたか?

  • 他に改善できるポイントはありますか?

  • 自分でもこのツールを使ってみたいと思いましたか?

フィードバック内容

上司(統括リーダー 40歳 男)

  • 自動ログイン: ワンクリックで簡単にログインできることを評価
  • 完全自動化: 完全自動化を推奨
  • ファイルの見やすさ: 視覚的にデータを見やすくする改善点を提案

同僚(複数店舗を巡回している薬剤師 35歳 男)

  • 教育的指導の懸念: 時間を割けないため、ファイルの見やすさを強調
  • 自動化のメリット: 他の仕事をしながらの自動処理を評価
  • フローの長さ: フローが長すぎることへの懸念を示す

フィードバックに基づく改善点

  • 完全自動化: 最初は手動操作を含めて部分自動化していたが、フィードバックに基づき最終的に完全自動化に移行した。
  • ファイルの見やすさ: ダウンロードしたファイルの自動加工機能を追加し、データを見やすく整理。
  • フローの簡潔化: 操作が負担にならないように、フローを短くする工夫をした。

フィードバックを基にした改善

VBAを使ってデータを見やすくしよう!

ダウンロードしたファイルが見づらかったため、VBAで自動整形機能を追加しました。
ついでに、「ダイアログでのファイル選択」から、自動でファイルを選択するように設定します。
改良1 (2).png
改良2 (2).png

いいかんじ.png
予め設定したマクロがPADで自動化されます。

VBAマクロコードの例

以下は、必要なエリア部分を抽出し、特定店舗のセルに色を変更し、ウィンドウ枠を固定するVBAコードです。

🐶クリックしてVBAコードを表示🐶 ```vba Sub 色の変更と行削除_枠追加_ウィンドウ固定_列も固定() Dim lastRow As Long Dim lastCol As Long Dim i As Long Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1") ' 実際のシート名に変更
' 最終行と最終列を取得
lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
lastCol = ws.Cells(1, ws.Columns.Count).End(xlToLeft).Column

' 末尾からループする(逆方向で行を削除)
' 1行目は消さないので、2行目以降をチェック
For i = lastRow To 2 Step -1
    ' A列のセルに「」が含まれていない場合、その行を削除
    If InStr(ws.Cells(i, 1).Value, "") = 0 Then
        ws.Rows(i).Delete
    End If
Next i

' 最終行の再取得(行削除後に変更される可能性があるため)
lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "B").End(xlUp).Row

' 色の変更:B列に「」「」「」が含まれるセルの行の色を変更
' 1行目は消さないので、2行目以降をチェック
For i = 2 To lastRow
    If InStr(ws.Cells(i, 2).Value, "") > 0 Or _
       InStr(ws.Cells(i, 2).Value, "") > 0 Or _
       InStr(ws.Cells(i, 2).Value, "") > 0 Or _
       InStr(ws.Cells(i, 2).Value, "") > 0 Then
        ws.Range("A" & i & ":R" & i).Interior.Color = RGB(255, 255, 0) ' 黄色に変更
    End If
Next i

' 1行目に太枠を設定
ws.Range(ws.Cells(1, 1), ws.Cells(1, lastCol)).Borders.LineStyle = xlContinuous
ws.Range(ws.Cells(1, 1), ws.Cells(1, lastCol)).Borders.Weight = xlThick ' 太枠

' 2行目以降に普通の枠を設定
For i = 2 To lastRow
    If Application.WorksheetFunction.CountA(ws.Rows(i)) > 0 Then ' データがある行だけ枠を適用
        ws.Range(ws.Cells(i, 1), ws.Cells(i, lastCol)).Borders.LineStyle = xlContinuous
        ws.Range(ws.Cells(i, 1), ws.Cells(i, lastCol)).Borders.Weight = xlThin ' 普通の太さ
    End If
Next i

' 1行目とB列のウィンドウ枠の固定
ws.Cells(2, 3).Select ' B列と2行目を基準にしてウィンドウ枠を固定
ActiveWindow.FreezePanes = True

End Sub

結果として配信できるぐらいにはなりました。

完成版.png

以上で、冒頭の動画のように完全自動でメール配信まで行ってくれるようになります。

気を付けるポイント

  • ネットワークの不安定さ: データのダウンロード前後に待機時間を設け、ネットワークの安定を確保しましょう

  • マクロの連携: マクロ名を間違えるとフローが動作しません。正確に入力し、事前にテストを

  • メールの複数送信: 複数宛先には、「;」で区切ることが必要です

フィードバックを受けてみて感じたこと

デジタルに慣れていない人に複雑なフローを説明しても興味を持ってもらえないと感じました。最初は簡単なフローから始め、徐々に機能を拡張することで、チーム全体の業務効率を向上させることができました。小さな成功体験を提供することで、デジタルツールへの理解と信頼が深まりました。

まとめ

シンプルな自動化から始めることで、チームの効率化に一歩前進できたと思います。デジタルツールを活用する際には、徐々に慣れてもらうステップを踏むことが重要だと感じました。今後も継続的に改良を重ね、より効果的な業務フローを目指していきます。

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