1. ボットネットとは
- ボット(Bot):マルウェアに感染し、攻撃者の指令で動く端末(PC・スマホ・IoT機器など)。
- ボットネット(Botnet):世界中の多数のボットがネットワーク経由で遠隔操作される仕組み。
- 攻撃者は C&C(Command & Control)サーバ を通じてボットを制御します。
仕組みイメージ
2. 感染経路
ボットは以下のような経路で増殖します。
- フィッシングメール(添付ファイル・リンク)
- OSやアプリ、IoT機器の脆弱性攻撃
- 不正アプリのインストール
- 弱いパスワードの総当たり攻撃
3. ボットネットの用途
ボットネットは攻撃者にとって「サイバー兵器」とも言えます。主な用途は以下の通りです。
- DDoS攻撃:大量のリクエストを送りサービス停止を狙う
- スパムメール送信:迷惑メールの踏み台として利用
- 情報窃取:キーロガー等で個人情報や認証情報を盗む
- 暗号資産マイニング:感染端末を勝手に計算資源として利用
- 不正プロキシ:攻撃者の匿名化のために利用
4. 有名なボットネットの例
- Mirai(2016):IoT機器を狙ったボットネット。大規模DDoS攻撃に利用。
- Zeus(2007〜):銀行口座情報を狙うトロイの木馬。
- Emotet(2014〜2020/2021〜):メール経由で感染、他マルウェア配布にも利用。
5. 対策
被害を防ぐためには、日常的なセキュリティ対策が重要です。
- OS・アプリ・IoT機器の定期的なアップデート
- 強力なパスワードと**多要素認証(MFA)**の利用
- セキュリティソフトの導入
- 不審なメールの添付・リンクを開かない
- IDS/IPSによる異常通信の検知
まとめ
ボットネットは見えない形で世界中に広がり、DDoS攻撃や情報窃取の温床となっています。
「自分のPCやIoT機器が気づかないうちに攻撃の一部になっている」ケースも少なくありません。
セキュリティの基本である 「アップデート・強固な認証・不審メールに注意」 を徹底することで、ボットネットへの参加を防ぐことができます。