【情シス警報】ファイル名に絵文字はやめて!見えない“地獄”が待っているかも?
はじめに
Windows 10やWindows 11では、アップデートによってファイル名に絵文字が使えるようになりましたよね。
「ファイルが探しやすそう!」「見た目がかわいい!」なんて、最初は便利に感じるかもしれません。
でも……情シスの視点から見ると、それは結構、いや、かなり危険なサインかも?
今回は、ファイル名の絵文字利用に潜むリスクについて、ライトにお話しします。
ちなみに、「Windows+ .(ドット)」で絵文字が使えます!
ファイル名に絵文字が使えるってどういうこと?
技術的には、こんなファイル名が作れてしまいます:
営業報告🐱_4月.xlsx
2025-04-10_プロジェクト振り返り✨.txt
☕️_休憩時間アイデアまとめ.pptx
Windowsが進化して、ファイル名として絵文字を認識できるようになったのです。
しかし、技術的に「できる」ことと、業務で「やっていい」ことは、まったく別の話だということを忘れてはいけません……。
情シス的にここが困る!絵文字ファイル名の落とし穴
1. システム間の互換性が不安定すぎる!
- 古いアプリや共有システム(例:一部のNAS、古いOfficeバージョン、Macとのファイル共有など)では、文字化けや保存エラー、ファイル消失のリスクがあります。
- 特に、各種スクリプトやマクロ、Power Automate、RPAツールなどの自動化処理が、予期せぬエラーで止まってしまう可能性大!最悪の場合、業務がストップすることも…。
2. ログ追跡や監査証跡がカオスに!
- システムログに記録されたファイル名が
🐶🐼🍔計画書.xlsx
のようになっていたら…後から見ても全く内容が推測できません。 - さらに、環境によっては絵文字が表示されず、意味不明な記号や□(豆腐)になることも。
- 万が一の情報漏えいインシデント発生時など、原因調査や影響範囲の特定が非常に困難になります。
3. ファイル検索性が壊滅的に低下!
- 絵文字は「表記ゆれ」の宝庫です。
- 例:
決算資料✨.xlsx
,決算資料⭐️.xlsx
,決算資料🌟.xlsx
…これらはPC上ではすべて別のファイルとして扱われます!
- 例:
- 加えて、OSやアプリの検索機能が絵文字に完全対応していなかったり、そもそも特定の絵文字を入力・検索するのが難しかったりする問題もあります。「あのキラキラマークのファイルどこだっけ…?」状態になりがちです。
想像してみよう…絵文字ファイル名が引き起こす「地獄」の例
- 部署の共有サーバーにあるはずの「
🐱日報.xlsx
」が、特定のPCから開けない、または文字化けしている。 - 受注処理の自動化フローが、ファイル名に含まれる「
✨重要顧客リスト.xlsx
」が原因でエラー停止。担当者は手作業での対応に追われる。 - 上司や同僚から「ファイル名にアイコンつけといて!分かりやすいから👍」という指示が…。(システム的なリスクを知らずに…震)
- 重要なファイルをバックアップから戻そうとしたら、ファイル名が文字化けしていて、どれが目的のファイルか見つけられない…。復旧に膨大な時間がかかる。
情シスから切実なお願い:ファイル名は「分かりやすく」「確実に」!
業務で使うファイルには、誰が見ても、どのシステムでも、確実に扱える名前をつけましょう。
✔️ 理想的な命名ルール(例)
-
YYYYMMDD_プロジェクト名_資料名_バージョン.xlsx
→20250410_〇〇プロジェクト_営業報告_v1.xlsx
-
取引先名_書類種別_日付.pdf
→山田商事_納品書_202504.pdf
-
半角英数字、アンダースコア(_)、ハイフン(-) を基本に構成しましょう。
- (理由: 文字化けリスクがなく、多くのシステムで確実に扱え、誰が見ても分かりやすく、検索も容易なためです!)
個人の判断だけでなく、ぜひチームや組織で命名ルールを決めて運用することが、将来的な混乱を防ぐ鍵になります。
終わりに
絵文字、プライベートのチャットなどでは、かわいくて表現豊かで、とても楽しいツールですよね。
でも、みんなで使う大切な業務ファイルに安易に使うのは、見えないところで思わぬトラブルの原因になりかねません。
“できる”ことと“やっていい”ことの違い。
絵文字はコミュニケーションでは便利ですが、ファイルの「住所」であるファイル名には、確実性と普遍性が大切です。適切な使い分けで、未来の自分や同僚を助けましょう。
あなたの職場では、ファイル命名規則、ちゃんとありますか? 絵文字ファイル、見かけたことありますか?