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Java 13新機能まとめ

Last updated at Posted at 2020-07-20

Java 13が2019/9/17にリリースされています。
Java SE 13 Platform JSR 388

ダウンロード

OpenJDKサイトからダウンロードできていました。
https://jdk.java.net/13/

現在はアーカイブサイトからダウンロードできます。
https://jdk.java.net/archive/

LTSではないので、検証目的以外には今からダウンロードする必要もないと思いますけど。
MacやLinuxでのインストールにはSDKMAN!をお勧めします

Oracle OpenJDK以外に無償で商用利用できるディストリビューションとしては、次のようなものがあります。

LTSではないのでAmazon Correttoではリリースされないようです。

Oracle JDKは開発用途には利用できますが、商用利用にはJava SE Subscriptionを購入する必要があります。

JEP

変更はJEPとしてまとまっています。
https://openjdk.java.net/projects/jdk/13/

今回は5つほどJEPが入っています。
JEP 350: Dynamic CDS Archives
JEP 351: ZGC: Uncommit Unused Memory (Experimental)
JEP 353: Reimplement the Legacy Socket API
JEP 354: Switch Expressions (Second Preview)
JEP 355: Text Blocks (Preview)

JEP 355: Text Blocks (Preview)

複数行の文字列リテラルがプレビューとして導入されました。

String html = """
              <html>
                  <body>
                      <p>Hello, world</p>
                  </body>
              </html>
              """;

スペースのエスケープなどが追加されて、Java 15で標準になります。
詳しい仕様はJava 14の説明のほうをみてください。
Java 14新機能まとめ - Qiita

JEP 354: Switch Expressions (Second Preview)

Switch文を式にします。

int numLetters = switch (day) {
    case MONDAY, FRIDAY, SUNDAY -> 6;
    case TUESDAY                -> 7;
    case THURSDAY, SATURDAY     -> 8;
    case WEDNESDAY              -> 9;
};

Java 12と比べると、switch式で値を返す構文がbreakからyieldになりました。
Java 14で標準化されています。
詳しい仕様はJava 14の説明のほうをみてください。
Java 14新機能まとめ - Qiita

JEP 350: Dynamic CDS Archives

-XX:ArchiveClassesAtExitをつけることで実行時にCDSアーカイブを作成します。
使い方はこちらが参考になると思います。
Java 13のDynamic CDSで想像以上に起動速度が速くなった - きしだのHatena

試した感じでは、実行時ではなくふつうにCDSアーカイブ作った方が起動が速かった。
Dynamic CDSよりJava10からある自力ダンプの方が起動が速い - きしだのHatena

JEP 351: ZGC: Uncommit Unused Memory (Experimental)

ZGCでつかってないメモリが解放されるようになります。

JEP 353: Reimplement the Legacy Socket API

TCPソケットAPIを実装しなおして、Project Loomでの非同期処理に対応しています。

API

APIもいくつか変更されています。

String

TextBlocks関連のAPIが追加されています。
ただし、Java 13の時点では@Deprecated指定されているだけでいつでも使えますが、Java 14では--enable-previewをつけたときにだけ使えるようになっています。

formatted

String.formatをインスタンスメソッドとして使えるようにする。

たとえば

callQuery(String.format("select * from table where id=%d", id));

と書いていたものが

callQuery("select * from table where id=%d".formatted(id));

のように書けて便利。
https://bugs.openjdk.java.net/browse/JDK-8203444

translateEscapes

\nなどをエスケープ文字として扱う。
コードを見るとエスケープが入り混じってまぎらわしいですが、文字列中の\nが改行に変換されています。


jshell> var s = "test\\ntest\\n"
s ==> "test\\ntest\\n"

jshell> System.out.println(s)
test\ntest\n

jshell> s.translateEscapes()
$18 ==> "test\ntest\n"

jshell> System.out.println(s.translateEscapes())
test
test

stripIndent

インデントを取り除きます。

Map.ofで要素数1のMapに対するget(null)がぬるぽ

JDK9でMap.ofが追加されています。
JDK9、JDK10では要素数0のときはMap0、要素数1のときMap1、要素数2以上のときMapNのインスタンスが返っていて、Map.of().get(null)nullを返していました。

C:\Users\naoki>java\jdk\jdk-10.0.1\bin\jshell
|  JShellへようこそ -- バージョン10.0.1
|  概要については、次を入力してください: /help intro

jshell> Map.of().get(null)
$1 ==> null

jshell> Map.of(1,2).get(null)
$2 ==> null

jshell> Map.of(1,2,3,4).get(null)
|  java.lang.NullPointerException thrown
|        at ImmutableCollections$MapN.probe (ImmutableCollections.java:779)
|        at ImmutableCollections$MapN.get (ImmutableCollections.java:721)
|        at (#3:1)

JDK11で要素数0の場合もMapNを使うようになってMap.of().get(null)がぬるぽになってます。

C:\Users\naoki>java\jdk\jdk-11.0.1\bin\jshell
|  JShellへようこそ -- バージョン11.0.1
|  概要については、次を入力してください: /help intro

jshell> Map.of().get(null)
|  例外java.lang.NullPointerException
|        at Objects.requireNonNull (Objects.java:221)
|        at ImmutableCollections$MapN.get (ImmutableCollections.java:843)
|        at (#1:1)

jshell> Map.of(1,2).get(null)
$2 ==> null

jshell> Map.of(1,2,3,4).get(null)
|  例外java.lang.NullPointerException
|        at ImmutableCollections$MapN.probe (ImmutableCollections.java:926)
|        at ImmutableCollections$MapN.get (ImmutableCollections.java:846)
|        at (#3:1)

Map.of(1,2).get(null)の場合はJDK9からJDK12までnullを返していました。
JDK13からはMap.of(1,2).get(null)も ぬるぽになります。
以前のバージョンもJDK12.0.2や、JDK11.0.4で修正されています。

ここで、nullチェックのためにrequireNonNullじゃなくてequals呼び出しを使ってるところも面白いですね。

Numberのデフォルトコンストラクタ

Numberクラスにデフォルトコンストラクタが追加されました。
といっても実装はこんな感じです。

public Number() {super();}

これ、定義しなくても暗黙で定義されるので不要ですよね。
なんかlintをだまらせるために追加したっぽい

JapaneseEraへの令和の追加

2019/5/1に新しい元号「令和」が始まりました。
Java 8のアップデートやJava 11、Java 12でもフォーマットやパースでは令和に対応していたのですが、JapaneseEraには正式には定義されていませんでした。
Java 13からJapaneseEra.REIWAが使えるようになりました。

Java 11では元号は決まっていなかったのでNewEraとして表示されていました。

jshell> java.time.chrono.JapaneseDate.now()
$1 ==> Japanese NewEra 2-07-21

11.0.3では元号が決まっていたのでREIWAという表示になりました。

jshell> java.time.chrono.JapaneseDate.of(2020,5,1)
$1 ==> Japanese Reiwa 2-05-01

これに対するJapaneseEra.NEWERAJapaneseEra.REIWAも定義されてはいたのですが、package privateになっていてコードから使えなかったのですが、Java 13からはpublicになって誰でも使えるようになりました。

ツール

rmicに少し変更が入っています。

rmicで--preview-featureがついたものを通さないようにする

rmicをdeprecatedに。そしてそのうち消す

[JDK-8217412] deprecate rmic for removal - Java Bug System

Java 15で消えています。

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