ファイルシステム関連の用語
理解のために小咄形式でまとめました。
システムパフォーマンス関連記事の目次
登場人物
- 太郎（後輩）：入社1年目の若手エンジニア。
- 花子（先輩）：システムエンジニア歴3年の先輩。
場面：オフィスの開発ルーム
太郎が ファイルシステム についての資料を見ながら、花子に質問する。
太郎：「花子先輩、ファイルシステムについて勉強してるんですが、基本的な用語 が多すぎて混乱しています…。 ファイルシステムの基本用語 について教えてもらえませんか？」
花子：「もちろんよ！ ファイルシステム は ストレージ上のデータ管理の仕組み だから、 基本用語を理解 しておくことが重要ね。 まず、 6つの主要な用語 について説明するわ。」
ファイルシステム関連の用語
花子：「ファイルシステム に関連する 重要な用語 は次の 6 つよ。」
- ファイルシステム（File System）
- ファイルシステムキャッシュ（File System Cache）
- オペレーション（Operation）
- I/O（Input/Output）
- メタデータ（Metadata）
- 特殊ファイルシステム（Special File System）
1. ファイルシステム（File System）
花子：「ファイルシステム とは、 データをファイルやディレクトリとして整理し、管理する仕組み のことよ。」
- ファイルベースのデータアクセス を提供する。
- アクセス制御（パーミッション管理） を備えている。
- デバイス、ソケット、パイプなどの特殊ファイルを扱う。
「たとえば、 ext4、 NTFS、 ZFS などの ファイルシステムの種類 があるわね。」
太郎：「なるほど、 ファイルやフォルダの管理システム みたいなものですね！」
2. ファイルシステムキャッシュ（File System Cache）
花子：「ファイルシステムキャッシュ は、 ディスク I/O を最適化 するために メモリ上にデータを保持 する仕組みよ。」
- リードキャッシュ（Read Cache）: よく使うデータをメモリに保存して、高速アクセスを可能にする。
- ライトキャッシュ（Write Cache）: 書き込みデータを一時的にキャッシュし、後でまとめてディスクに書き込む。
「たとえば、 Linux の Page Cache や Windows の File System Cache があるわね。」
太郎：「ってことは、 キャッシュを有効活用 すれば ディスクの負荷を減らせる んですね！」
3. オペレーション（Operation）
花子：「ファイルシステムのオペレーション とは、 ファイルに対して行われる処理 のことよ。」
- read(2) → ファイルを読み込む。
- write(2) → ファイルにデータを書き込む。
- open(2) → ファイルを開く。
- close(2) → ファイルを閉じる。
- stat(2) → ファイルのメタデータを取得する。
- mkdir(2) → 新しいディレクトリを作成する。
「つまり、 ファイルシステムに対するシステムコール のことね。」
太郎：「なるほど、 ファイルを操作する基本的な関数 ってことですね！」
4. I/O（Input/Output）
花子：「I/O は ディスクの入出力処理 のことよ。」
- シーケンシャル I/O → 連続したデータを読み書きする（高速）。
- ランダム I/O → バラバラの場所にあるデータをアクセスする（低速）。
- 同期 I/O → データ書き込みが完了するまで待つ（確実）。
- 非同期 I/O → 書き込みを並行して処理する（高速）。
「たとえば、 データベース は ランダム I/O が多い し、 動画ファイルの再生 は シーケンシャル I/O よ。」
太郎：「ってことは、 ワークロードに応じて I/O の最適化 が必要になるんですね！」
5. メタデータ（Metadata）
花子：「メタデータ は ファイルの情報（データ以外の属性） を管理するデータよ。」
- ファイルサイズ
- 作成日時・更新日時
- アクセス権限（パーミッション）
- 所有者
- ハードリンク情報
「例えば、 ls -l コマンドを実行すると、 メタデータの一部（パーミッション、サイズ、更新日時） が表示されるわ。」
太郎：「つまり、 ファイルの付加情報 を管理する仕組みなんですね！」
6. 特殊ファイルシステム（Special File System）
花子：「特殊ファイルシステム は 通常のファイル保存とは異なる仕組みを持つファイルシステム のことよ。」
- tmpfs → メモリ上に作られる高速な仮想ファイルシステム（/tmp など）。
- procfs → プロセス情報を提供する仮想ファイルシステム（/proc）。
- sysfs → システム情報を提供する仮想ファイルシステム（/sys）。
- devfs → デバイス管理用の仮想ファイルシステム（/dev）。
「たとえば、 /proc/cpuinfo を見ると、 CPU の情報がファイルとして表示される のよ。」
太郎：「ってことは、 特殊ファイルシステムはファイルとしてシステム情報を提供する んですね！」
花子：「これらの ファイルシステムの概念 を 図書館の管理システム に例えると、こんな感じね。」
-
ファイルシステム →
図書館全体の管理システム（書架やルール） -
ファイルシステムキャッシュ →
よく借りられる本をカウンターに置く（アクセス最適化） -
オペレーション →
本を借りる、返す、検索する（ファイル操作） -
I/O →
本の貸し出し・返却の動作（ディスク I/O） -
メタデータ →
本のタイトル、著者、発行年、貸出状況（ファイルの属性） -
特殊ファイルシステム →
電子カタログや検索システム（特殊管理）
太郎：「なるほど！ ファイルシステムはデータ管理の仕組み で、 メタデータやキャッシュが効率化に役立つ ってことですね！」
まとめ
花子：「ファイルシステムの基本概念 を理解することで、 データ管理やパフォーマンスの最適化 がしやすくなるわ。」
太郎：「ありがとうございます！ ファイルシステムキャッシュの挙動 を確認するために、 free コマンドを試してみます！」
参考リンク
システムパフォーマンス関連記事の目次
システムパフォーマンス関連記事は、以下の書籍を参考に記述しています。