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【初心者向け】ディスク I/O の分析の方法論(メソドロジ)【5分で読める】

Last updated at Posted at 2025-02-17

ディスク I/O の分析の方法論(メソドロジ)

理解のために小咄形式でまとめました。

登場人物

  • 太郎(後輩):入社1年目の若手エンジニア。
  • 花子(先輩):システムエンジニア歴3年の先輩。

場面:会議室でのパフォーマンス分析ミーティング
太郎がノートを持って花子の前に座る

太郎:「花子先輩、ディスク I/O のパフォーマンスの分析ってどう進めればいいのか、方法がよく分からなくて…。」

花子:「なるほどね。それなら メソドロジ(方法論) を知っておくといいわ。ディスク I/O のパフォーマンスを調査・改善するには、 観察実験 の両方のアプローチが必要なの。」


方法論(メソドロジ)の解説

花子:「ディスク I/O の分析・改善には、次の 10 のメソッドがあるわよ。」

  1. ツールメソッド
  2. USE メソッド
  3. パフォーマンスモニタリング
  4. ワークロードの特性の把握
  5. レイテンシ分析
  6. 静的パフォーマンスチューニング
  7. キャッシュチューニング
  8. リソースコントロール
  9. マイクロベンチマーキング
  10. スケーリング

1. ツールメソッド

花子:「まず ツールメソッド から。これは 観察 による分析を行う方法で、 iostat, sar, pidstat, perf みたいなツールを使って、システムの I/O 状況をチェックするの。」

太郎:「あ、 iostat なら使ったことあります! iostat -x でディスクの使用率や IOPS を見たりしますよね?」

花子:「その通り! ツールメソッド では、これらのツールを活用して 現在のシステム状態を把握 するのが目的よ。」


2. USE メソッド

花子:「次に USE メソッド だけど、これは Utilization(使用率), Saturation(飽和度), Errors(エラー率) の3つを軸にして ボトルネック を特定するための方法よ。」

  • 使用率(Utilization): デバイスがどれくらい稼働しているか。
  • 飽和度(Saturation): どれくらいのリクエストが処理待ちになっているか。
  • エラー率(Errors): I/O エラーが発生していないか。

「この 3 つの指標を確認すれば、 どこで問題が発生しているか が明確になるわ。」

太郎:「なるほど、 ディスクの使用率が 100% だけど、飽和度が低い なら問題ないし、 飽和度が高い ならキューが詰まっているってことですね!」


3. パフォーマンスモニタリング

花子:「 パフォーマンスモニタリング観察キャパシティプランニング を兼ねた手法で、 定期的にシステムの状態を監視 して、将来的な負荷増加に備えるの。」

「例えば、 Prometheus + Grafana を使えば、 ディスク I/O のトレンド を可視化できるわ。」

太郎:「たしかに 長期間のデータ を見れば、 ピーク時の負荷将来のスケール計画 に役立ちますね。」


4. ワークロードの特性の把握

花子:「これは どんな I/O パターンのワークロード が発生しているのかを知ることね。」

  • ランダム I/O か? シーケンシャル I/O か?
  • 読み込みが多いのか? 書き込みが多いのか?
  • I/O サイズは小さいのか? 大きいのか?

「例えば MySQL のデータベースサーバーなら、 ランダムリードが多い から、 SSD にしたほうが良い って判断ができるわ。」


5. レイテンシ分析

花子:「 レイテンシ分析 では、 I/O の応答時間 を計測して、どこに遅延があるかを特定するの。」

biolatency みたいなツールを使うと、 どの I/O が時間がかかっているか を分析できるわ。」

太郎:「たとえば 書き込みのレイテンシが高い なら、 ディスクキャッシュの設定 を見直すべき、って感じですね!」


6. 静的パフォーマンスチューニング

花子:「 静的パフォーマンスチューニング は、 OS やディスクの設定を最適化 する方法ね。」

  • I/O スケジューラの選択
  • ファイルシステムのチューニング
  • バッファサイズの最適化

「例えば deadline スケジューラを使えば レイテンシを抑えられる し、 XFSext4 の設定を調整すれば パフォーマンスが向上する わ。」


7. キャッシュチューニング

花子:「 キャッシュの最適化 も重要よ。」

  • OS の ページキャッシュ を調整する。
  • データベースの バッファプール を最適化する。
  • ライトバックキャッシュ を有効にする。

「キャッシュヒット率が上がれば、 ディスク I/O を減らせる から、 レイテンシが低くなる わ。」


8. リソースコントロール

花子:「 リソースコントロール では、 cgroupsionice を使って I/O 制限 をかけるの。」

「例えば バックグラウンドのバッチ処理ディスクを占有しすぎないように 制限をかけられるわ。」


9. マイクロベンチマーキング

花子:「 マイクロベンチマーキングfioioping を使って、 ディスクの性能テスト をすることよ。」

「例えば fioランダムリードの IOPS を計測すれば、 最適なストレージ選定 ができるわ。」


10. スケーリング

花子:「最後に スケーリング ね。」

  • ディスクの RAID 構成を変更
  • 分散ストレージを導入
  • クラウドストレージを活用

「例えば NVMe SSD に変えたり、 データを分散する ことでスケールできるの。」


まとめ

花子:「パフォーマンス分析には 観察実験 の両方が大事。これらの メソドロジ を組み合わせれば、 どこがボトルネックか を見つけられるわよ。」

太郎:「ありがとうございます! fio を使って 実際のディスク性能 をチェックしてみます!」

参考リンク

システムパフォーマンス関連記事の目次

システムパフォーマンス関連記事は、以下の書籍を参考に記述しています。

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