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【初心者向け】CPU のパフォーマンス分析の方法論(メソドロジ)【5分で読める】

Last updated at Posted at 2025-02-19

CPU のパフォーマンス分析の方法論(メソドロジ)

理解のために小咄形式でまとめました。

登場人物

  • 太郎(後輩):入社1年目の若手エンジニア。
  • 花子(先輩):システムエンジニア歴3年の先輩。

場面:オフィスの開発ルーム

太郎が CPU のパフォーマンス分析手法 に関する資料を見ながら、花子に質問する。

太郎:「花子先輩、CPU のパフォーマンスを評価 する方法が色々あるみたいですが、どの手法をどう使い分ければいいのか よく分からなくて…。」

花子:「なるほどね。パフォーマンス分析の方法論(メソドロジ) には、 ツールを使った分析、ボトルネックの特定、チューニングの手法 など、いくつかのアプローチがあるのよ。 」


CPU のパフォーマンス分析の方法論(メソドロジ)

花子:「CPU のパフォーマンスを分析・改善する手法 には、以下の 11 のアプローチ があるの。」

  1. ツールメソッド
  2. USE メソッド
  3. ワークロードの特性の把握
  4. プロファイリング
  5. サイクル分析
  6. パフォーマンスモニタリング
  7. 静的パフォーマンスチューニング
  8. 優先度のチューニング
  9. リソースコントロール
  10. CPU のバインド
  11. マイクロベンチマーキング

1. ツールメソッド

花子:「ツールメソッド は、 パフォーマンス分析のためのツールを使ってシステムの状態を可視化 する手法よ。」

  • vmstat, top, mpstat, sar, perf などのツールを使う
  • CPU 使用率、I/O 負荷、コンテキストスイッチ、割り込みなどを分析
  • リアルタイムで負荷を確認し、問題がどこにあるかを特定する

花子:「これは 体温計で熱を測る みたいなもので、 システムの状態を把握する最初のステップ なのよ。」

太郎:「つまり、 まずツールを使ってシステムの状態を観察する のが大事なんですね!」


2. USE メソッド

花子:「USE メソッド は、 CPU のボトルネックを特定するための手法 よ。」

  • USE = Utilization(使用率), Saturation(飽和度), Errors(エラー)の略
  • CPU のリソースがどれくらい使われているかを分析
  • 例えば、CPU の使用率が高すぎる場合、ボトルネックの原因を特定する

花子:「これは 高速道路の渋滞分析 みたいなもので、 どの車線(CPU)が詰まっているのかを調べる のと同じよ。」

太郎:「なるほど! USE メソッドを使えば、どのリソースが問題を起こしているのか分かる んですね!」


3. ワークロードの特性の把握

花子:「ワークロードの特性を把握 することも重要よ。」

  • CPU がシングルスレッドなのか、マルチスレッドなのかを分析
  • バースト型の負荷か、安定した負荷かを確認
  • キャッシュヒット率やメモリアクセスの頻度を調査

花子:「これは お店の混雑パターンを分析 するのと同じで、 ピークタイムの対応を考える のに似てるわ。」

太郎:「ってことは、 システムがどんな負荷にさらされるかを理解する のが大事なんですね!」


4. プロファイリング

花子:「プロファイリング は、 特定のプロセスやコードの詳細な動作を解析する手法 よ。」

  • perf, strace, gprof などのツールを使用
  • CPU 時間のどこに時間がかかっているかを特定
  • 関数単位での実行時間を測定し、最適化すべき箇所を見つける

花子:「これは 会計ソフトでどの項目にお金を使っているかを分析する のと同じね。」

太郎:「つまり、 プログラムのボトルネックを細かく分析する のがプロファイリングですね!」


5. サイクル分析

花子:「サイクル分析 は、 CPU のサイクル単位でどこに時間がかかっているかを分析 する手法よ。」

  • CPI(Cycles Per Instruction)を計測
  • キャッシュミス、ブランチミス、命令パイプラインの影響を分析
  • ハードウェアカウンタを活用して CPU の効率を調査

花子:「これは スポーツ選手のフォーム分析 みたいなもので、 どこで無駄が発生しているかを特定する のよ。」

太郎:「なるほど、 CPU の内部動作を深掘りする 手法なんですね!」


6. パフォーマンスモニタリング

花子:「パフォーマンスモニタリング は、 システムの状態を定期的に監視する 方法よ。」

  • sar, mpstat, iostat などを使う
  • 長期間のトレンドを分析し、ボトルネックを特定
  • キャパシティプランニングに活用できる

花子:「これは 天気予報のデータ収集 みたいなもので、 長期的な変化を追う のよ。」

太郎:「短期的な観察だけでなく、 長期間の傾向をチェックすることも大事 なんですね!」

7. 静的パフォーマンスチューニング

花子:「静的パフォーマンスチューニング は、アプリケーションやシステムの設定を見直して性能を最適化する手法 よ。」

  • CPU アフィニティの設定やスレッド数の調整
  • コンパイラ最適化オプション(例: -O2, -O3)の利用
  • 不要なサービスの無効化やシステムパラメータの調整(例: sysctl 設定)

花子:「これは 車のタイヤの空気圧を適切に調整する ようなもので、基本的な設定を最適化するだけでパフォーマンスが向上 することがあるのよ。」

太郎:「つまり、システム全体の設定を見直して、無駄なリソース消費を抑える ことが大事なんですね!」


8. 優先度のチューニング

花子:「優先度のチューニング は、CPU リソースの割り当てを最適化する方法 よ。」

  • プロセスの優先度変更(nice, renice コマンドの利用)
  • リアルタイムスケジューリングポリシー(例: SCHED_FIFO, SCHED_RR)の設定
  • 重要なプロセスに優先的に CPU 時間を割り当てる

花子:「これは レストランでVIP客を優先的に案内する みたいなもので、重要な処理がスムーズに進むように調整する のよ。」

太郎:「優先度を適切に設定することで、重要なプロセスが遅れないようにできる んですね!」


9. リソースコントロール

花子:「リソースコントロール は、各プロセスが使用できるリソースを制限して、全体のバランスを保つ手法 よ。」

  • cgroups を利用して CPU、メモリ、I/O などの使用量を制限
  • コンテナ環境(例: Docker)のリソース制御オプションを活用
  • CPU クォータや CPU シェアの設定で、リソースの偏りを防ぐ

花子:「これは 飲み放題のお店で一人一人のグラスを制限する ようなもので、全体のリソースを効率的に分配できる のよ。」

太郎:「リソースを使いすぎるプロセスを制限することで、他のプロセスへの影響を抑えられる んですね!」


10. CPU のバインド

花子:「CPU のバインド は、特定のプロセスやスレッドを特定の CPU コアに固定する手法 よ。」

  • taskset コマンドを使ってプロセスを特定の CPU に固定
  • マルチスレッドアプリケーションでの NUMA(Non-Uniform Memory Access)最適化
  • 高頻度な割り込み処理を行うプロセスを専用のコアに割り当てる

花子:「これは 工場の作業ラインを固定する ようなもので、決まった担当者が効率よく作業できる のよ。」

太郎:「プロセスを特定のコアに割り当てることで、キャッシュ効率が向上したり、競合を減らせたりする んですね!」


11. マイクロベンチマーキング

花子:「マイクロベンチマーキング は、CPU や特定のコードの性能を詳細に評価するためのテスト手法 よ。」

  • sysbenchlmbench などの専用ツールを使用
  • アルゴリズム単位や関数単位での性能を測定
  • 比較検証や最適化の前後での効果を確認するのに有効

花子:「これは エンジンのパーツごとに性能を測る ようなもので、細かい改善ポイントを見つけるのに最適 なの。」

太郎:「特定の処理だけを切り出してテストすることで、問題のある箇所をピンポイントで特定できる んですね!」


まとめ

花子:「CPU のパフォーマンス分析 には、 ツールを使って可視化し、ボトルネックを特定し、最適化するプロセス が重要なのよ。」

太郎:「ありがとうございます! `まずはツールを使ってシステムの状態を確認し、USE メソッドでボトルネックを特定してみます!」

参考リンク

システムパフォーマンス関連記事の目次

システムパフォーマンス関連記事は、以下の書籍を参考に記述しています。

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