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【2025年04月版】覚えておきたい故障に関連するSMARTの属性メモ【初学者向け】

Last updated at Posted at 2025-04-06

はじめに

ディスクへのアクセスが変だな? 変な音がしているような気がする?

といったときに、smartctl で確認するときのメモ


SMART (Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology) の概要

 SMARTとは、ハードディスクドライブ (HDD) やソリッドステートドライブ (SSD) が自己診断を行い、健康状態や障害予兆を監視・報告する技術です。ディスク内部のセンサや制御チップが各種パラメータを監視し、異常があればユーザーに警告します。これにより、故障する前にデータをバックアップし、ドライブを交換できるようにします。主に「生のデータ(RAW_VALUE)」と「正常値(VALUE)」で表示され、メーカーやモデルによって解釈が異なることがあります。

 代表的な監視項目には、不良セクタ数、回転エラー、温度、データ転送エラーなどがあります。

 SMART情報は「正常」「注意」「異常」の3段階で評価され、異常値が検出された場合は早急な対応が必要です。

 Linuxではsmartctl、Windowsでは「CrystalDiskInfo」などのツールで確認できます。

 SMARTが異常を検知したとしても、すぐに壊れるとは限りませんが、データ損失を防ぐためにバックアップを取るのが基本です。

 特にID 5, 187, 197, 198, 199あたりに異常値が出た場合は、すぐに対策を取る必要があります。


故障の可能性がある重要SMART属性一覧

ID 属性名 タイプ 異常値の特徴 意味/説明
5 Reallocated_Sector_Ct Pre-fail 0以上 物理的に不良なセクタが再配置された回数
187 Reported_Uncorrect Old_age 1以上 訂正不能なエラーが発生した回数
188 Command_Timeout Old_age 値が急増 コマンドの応答がなくタイムアウトが発生
196 Reallocation_Event_Count Old_age 1以上 不良セクタの再配置が発生した回数
197 Current_Pending_Sector Old_age 1以上 修正不能なセクタが待機中である数
198 Offline_Uncorrectable Old_age 1以上 オフラインスキャンで検出された訂正不能なセクタ
199 UDMA_CRC_Error_Count Old_age 1以上 データ転送中に発生したCRCエラー数
200 Multi_Zone_Error_Rate Pre-fail 値が急増 データ読み書き時のエラー発生率が上昇
1 Raw_Read_Error_Rate Pre-fail VALUEがTHRESHを下回る データ読み取りエラーの頻度
7 Seek_Error_Rate Pre-fail VALUEがTHRESHを下回る データ検索エラーの頻度
10 Spin_Retry_Count Pre-fail 1以上 スピンアップ失敗の回数

故障判定のポイント

不良セクタ関連

  • Reallocated_Sector_Ct (ID: 5)

    • 値が1以上であれば、不良セクタが存在し再配置が発生している。
    • 急激に増加する場合、ディスク表面が損傷している可能性が高い。
  • Current_Pending_Sector (ID: 197)

    • 値が1以上であれば、読み書き不能のセクタがあり、今後再配置される可能性がある。
    • データ損失の前兆となるため、速やかなバックアップが推奨。
  • Offline_Uncorrectable (ID: 198)

    • 値が1以上であれば、ディスク自体に物理的なダメージがある可能性が高い。

データ転送エラー関連

  • UDMA_CRC_Error_Count (ID: 199)
    • 値が1以上であれば、SATAケーブルや接続不良を疑うべき。
    • 物理的な接続チェックやケーブル交換を検討。

回転機構や物理的トラブル

  • Spin_Retry_Count (ID: 10)
    • 値が1以上であれば、モーターやヘッド機構に問題がある可能性がある。
    • 電源トラブルやハードディスクの寿命が考えられる。

エラー率が上がる場合

  • Raw_Read_Error_Rate (ID: 1)

    • VALUEがTHRESHを下回ると、読み取りエラーが多発している状態。
    • 一般的に、Seagate製ディスクでこの値が高くなる傾向があるが、VALUEが低下すると危険信号。
  • Seek_Error_Rate (ID: 7)

    • VALUEがTHRESHを下回ると、ヘッドの位置合わせがうまくいかない。
    • 物理的な破損やヘッド不良の前兆。

ロングセルフテスト

  • smartctl -t long [対象デバイス]

ディスク全体の詳細なセルフテストを行い、物理的な問題やデータエラーを検出するために使用します。
ディスクの容量や速度によりますが、数時間かかることが一般的です。
テスト中でもディスクを使用できますが、パフォーマンスが低下する可能性があります。
以下のようなエラーを検出できる可能性があります。

  • 読み取りエラー
  • 書き込みエラー
  • 不良セクタ
  • 転送エラー
  • メカニカル異常(スピンドル、ヘッドなど)

テスト完了後の結果確認

  • smartctl -l selftest [対象デバイス]

さいごに

かんたんでしたね

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