昔話
文章ばかりですみません。
自分でもよくやってきたと思います。
1年目(2020)
Qiitaに初めて量子コンピュータのプログラミング記事を投稿したのが2020/12/17。
この時はPythonとは何ぞや?でした。
量子コンピュータを叩くライブラリがPythonばかりのために、まずはPythonを必死に覚えました。
2年目(2021)
1年ほど頑張った結果。
今の量子コンピュータ(NISQ)では実用上何もできないことを悟った。
基本的なアルゴリズムをフルスクラッチしまくり、ごり押し力を付けた。
qiskit textbookのバグとか結構見つけて報告してた頃。
以降も、このころの貯金で走っているところがあるので、やっぱり地道に力をつけることは大事。
このころ知り合った人たちと、今もお友達。
3年目(2022)
2年ほど頑張った結果。
相変わらずオブジェクト指向すらよくわかっていなかったが、とりあえずライブラリを動かすぐらいには苦労しなくなった。
このころには、覚えたPythonのテクニックで、仕事の効率化ツールを作りまくっていた。
量子プログラミングも、そろそろなんか出来そうだな、ということで、本業の研究の土俵で
量子機械学習の論文を書いて国際学会に投稿した。
査読者の方はかなり困ったと思われるが、ポスターで通して頂いた。
おそらく、社内で(ゲート型の)量子コンピュータで初めて国際学会に論文を通した人間になった。
量子機械学習はやっぱり挙動がよくわからないな、という感覚もあったので、
本業の少し外れた分野の研究会に、Grover系の決定論的な量子加速アルゴリズムを提案した。
チュートリアルを少しmodifyした程度のものではあったが、量子アルゴリズムという斬新さから、この論文は表彰対象となった。
社内で(ゲート型の)量子コンピュータで初めて表彰された人間になった。
このころから、社内でも認知され始めていた。
4年目(2023)
社会人博士を取りに行った関係で、量子コンピュータ関連はほとんど出来なかった。
とかいいつつ、本格化する前に、量子機械学習の論文を1本書いて、国際学会に投稿した。
これはオーラル(ポスターより格上)で採録された。
内容としてはちょっとごり押しだったが、継続するということも重視した。
共同研究として先生に教えてもらいながらやったので、
社内で(ゲート型の)量子コンピュータで共同研究をした初めて(少なくとも、ごく初期の)の人間になった。
このころから、社外の人にも認知され始めていたと思う。
5年目(2024)
ここまでの量子コンピュータ関連の作業は、すべて趣味としてやってきた。
なので、どこにも所属していない。
色々あって、そろそろ人材育成含めて真面目にやったほうがいいんじゃないかと思って、仕事にすることにした。
幸いにも社内に量子コンピュータを真面目にやろうという機運が少しあったので、ありがたいことに歓迎された。
すぐに量子コンピュータの研究をしたかったが、「少し違う研究のほうで困っていて、やってくれないか」ということだった。
素人発想・玄人実行を胸に、「普通に考えたら無理だろ」と思うアイデアだったが、「無理だということを誰も真面目に検証してないんだったら、やろう」という気持ちでやった。
勝ち筋はそれほど見えていなかったが、今の自分であれば倒れこみながらでも何かは出せるという根拠のない自信はあった。
これが、やってみると、そこそこうまくいき、論文を書こうという話になった。
これでいけることがわかったので、今ちょっと真面目にやりこんでいる。
**この仕事の脇道で、特許も書いているところだ。
こういう「脇道」「寄り道」というのは、研究者は大事にしないといけない。
また、量子コンピュータ関連でも、何かできるんじゃないかと思い始めているところ。
勝ち筋は見えてない。
今のところは、空き時間は量子コンピュータの論文を読み漁っていて、自分より若い人に教えたりしている。
来年の抱負
目標というのは、高ければ高いほど良いと思う。
ということで、高い目標を掲げる。達成できなかったら、やけ酒を飲もう。
- 量子で国際学会または論文誌に、論文を2本以上通す。
- 量子コンピュータに本質的な貢献をする。ユースケースではなく、概念を作る。
- 量子で特許を2本以上書く。
- 量子で認知度を上げる。具体的には、客観的な役回りだったり、PJ推進をする。
- 量子で人材育成をする。量子技術に限らず、研究スタイル等をしっかり教えていく。
- 上記をやりつつ、本業でも国際学会または論文誌に論文を2本以上通す。
無茶に思えるが、大体いつも10個前後の研究ネタを並行でやっているので、全く無理とも思っていない。
結論
これまで、夢を描き、楽しく元気にやってきました。
これからも、そうありたいと思います。
量子は、夢を語らないとつまらないでしょう。