はじめに
本記事は、無料でIBMの量子コンピュータを使用したい人向けのTIPSをまとめたものです。
IBMの量子コンピュータ実機、使えていますか?
私は2025/7/1のアプデ以降、使えなくなりました。
復旧させたので、そのメモを共有します。
2025/7/1からの主な変更点
アカウントの変更
- Webサイトがお引越し https://quantum.cloud.ibm.com/
- 従来のアカウント(IBMid)は使用不能となり、後継のIBM cloudアカウントへの移行が必要です
- IBM cloudアカウントを新規登録または移行(IBMidを継承)した後、最初の30日間を除いてクレジットカード情報の登録が必須となりました
(2025/07/30時点) IBMid→IBM cloudへアカウント移行(IBMidを継承)した場合、実行に必要なCRNキーが不正な値となっており、実機実行ができない事象を確認しています。
なお、なぜかWeb GUIからは実機実行できます。
不具合の気配がします。
アカウント認証コマンドの変更
- APIキーに加えて、 インスタンスを立てて、そのcrnキーを取得して与える という手順(引数)が増えています。
手順(新規アカウント登録の場合)
https://quantum.cloud.ibm.com/ へアクセスして、アカウント作成をします。メールアドレスと電話番号があればOKです。
会社名を聞かれますが、特に管理されていないようなので何でもよいです。
ログインすると、「30日限定で使わせてやるけど、そのあとはクレカ情報を登録しろ」と脅されます。
まずは、create an instance からインスタンスを立てます。
ここの、 カスタマイズ はOFFのままでいいと思います(アクセス先の実機を限定できる機能)
インスタンスにはcrnキーが割り当てられているので、これをコピーして記録しておきます。
また、ダッシュボード左上の API key のところから、API keyも発行して記録しておきます。
APNキーを token という変数、crnキーを instance という変数に与えればOKです。
name は何でもいいです。
# Or, use this
from qiskit_ibm_runtime import QiskitRuntimeService
QiskitRuntimeService.save_account(
token=token, # Your API key
channel="ibm_quantum_platform", # `channel` distinguishes between different account types.
instance=crn, # Copy the instance CRN from the Instance section on the dashboard.
name="test", # Optionally name this set of credentials.
overwrite=True # Only needed if you already have Cloud credentials.
)
# Load default saved credentials
service = QiskitRuntimeService()
# Show all available backends
service.backends()
CRNキーが間違っていても怒られます
(2025/7/30時点では、IBMidを継承してアカウント登録した場合は常にこのエラーが出てしまいます)
認証が通れば、あとはこちらのチートシートでいろいろできます。
Qiskit v2.0チートシート
お疲れ様でした。
Special Thanks
@onewan (https://x.com/onewan)
エラーの切り分けに協力頂きました。