#対象
『ちょっと試しにAWSでシステムを構築してみたい』
『そんなにお金をかけずにやりたいな』
という人向け
自分はAWSを使ったことはあったけれど自分で構築した実績がなかったので欲しかったのと、以前契約していたVPSの環境を手放して、そろそろまたちょっとしたコードを試せるような環境が欲しくなったのでやってみることにした。
#最初に抑えておきたい料金のこと(AWSの料金体系)
最初に抑えておきたいポイントは、『AWSっていったいいくらかかるの?』という、お金のことかと思う。
調べるために、まず公式サイトを見に行く。
■ AWS公式サイト
https://aws.amazon.com/
あたりまえのことなんだろうけど、AWSのサイトを見るときは、言語を日本語に切り替えたほうが良い。
自分は英語のまましばらく頑張って読んでおり、不自由だった。
無料枠について
さて、公式サイトの情報を見るとと無料枠の情報が出て来る(2021年1月現在)。
無料枠には3種類がある。
-
常に無料
文字通りずっと無料、例えばAmazon DynamoDB(AmazonのNOSQLデータベース)は25GBまで無料。Amazonとしては__品質向上に役立つデータ収集が目的__でユーザに使ってほしいのかもしれない。 -
12ヶ月無料
12ヶ月(1年間)無料になる。__AWSの中核となる製品__で用意されている。サーバ構築&運用のサービスEC2、ストレージのS3、データベースのRDSなど、これぞAWSという製品がここに分類される。1年経ったら料金が適用されるので、試しに構築してみるのに良い。
※EC2とRDSは750時間=31.25日なので、12ヶ月間の間は完全に無料。 -
トライアル
AWS 無料利用枠のページにはいつまで無料なのか明記されていないので、製品ごとに異なるのかもしれない。例えばAmazon Lightsail。サービス内容を見ると、あまり運用保守に工数や技術を投資できない人向けのサービスみたい。機能を拡充して他社と差別化して、__ここから収益を上げる計画__なんだな、という印象。
##無料枠と思惑について
今回私が使ってみたいのは2.12か月無料に入っているEC2。(EC2とS3使いたいって人がまあ大半なんじゃないかな。)必要があればRDSも使ってみようかな、と考えている。
となれば、気になるのは当然、__『12ヶ月経っちゃったらいくらになるのよ?』__ってところだ。12か月しか使わない、というわけにはなかなか行かないのがこの世の常なのだ。
今までも、仕事上の付き合いで「今回のオンプレミスの契約のおまけにCloudを1年分サービスするんで使ってみてください!リソースも潤沢です!」と営業さんに言われてうまい話だと使ってみたことはある。
ところがCloudの気軽さってちょっとした依存性がある。おそらく潤沢に与えられたリソースも一種の仕掛けなんだろう。
オンプレミス環境ではプロジェクトやチームの間で奪い合いだったリソースが、金持ち喧嘩せずで皆仲良く思い思いの環境を構築し、「あったらいいな」が実現された『みんなの楽園』の様を呈するのにそう時間はかからなかった。
そしてそこから脱却するのは苦い思いを伴うのだ。
だから、12ヶ月後にいくらかかるんだ、というところはきっちり抑えておく必要がある。
#EC2の料金体系
それぞれの製品の料金については、製品ごとにページがあるのでそこを参照する。
EC2の場合以下の5種類だ
- オンデマンド
- スポットインスタンス
- Saving Plan
- リザーブドインスタンス
- Dedicated Hosts
1.オンデマンドが一番スタンダードな料金体系で、それ以外は運用スタイルが定まったサーバについて、稼働の制約を設ける代わりに料金を割引くという形になっている。
ここでは『ちょっとためしてみたい』という人を対象とするので、計画的な運用を求められる2.~4.はあてはまらない。5.も物理機なのでCloudという位置付けと少し違っている。(基本的にCloudを使うんだけれど、一部物理機が必要となるシステム構成、という場合に組み合わせて使うのかもしれない)(https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/)
##EC2 オンデマンドの場合の課金
オンデマンドの場合、時間ごとの課金になる。金額の多寡はサーバのスペックで決まる。このサーバスペック、あまりにも選択肢があって困るのだけど、幸い12ヶ月分の無料枠があるのはt2.microというタイプだけなので、これ一択になる。危なかった。迷いすぎて構築を先送りしてしまうところだった。
t2.microの場合、1時間0.0152ドルという料金である。
一ヶ月は750時間なので、
■ Amazon EC2 月額料金(東京リージョン)
0.0152ドル×750時間=11.4ドル
※以下のような見積ツールもある。
https://calculator.aws/#/
このツールを使うと、上記の製品は出てこないんだけど…
最小構成として、t4g.microが出て来る。
まあ試しに使ってみるということだから、無料枠を使ってみようと思う。