はじめに-SendGridでメールを送れない現象が発生した
SendGridを使用してメール配信を行っていたのですが、ある日突然メールが届かないケースが何度か発生しました。
SendGridを利用した際にメールが届かない理由や、メールを届けるための方法について、経験や調べた内容をまとめてみます!
メールが届かない原因
- 今回のケースは、メール送信元のIPアドレスがSpamhaus(spamメールを送るIPアドレスのリスト)に掲載されていることが原因でした。
- この時、SendGridのフリープランを使用していましたが、フリープランでは複数のIPアドレスを複数のSendGridユーザーで共有しながら使用する形になるので、誰かがSendGridを使用してスパムメールを配信しているとこのような事象が発生する可能性があります。
- ちなみに、IPアドレスはメール送信をするたびに再度ランダムで決まるため、再送すると普通に届きました。
- すぐさまSendGridサポートに連絡しましたが、対応には時間がかかるそうです。また、今後このような事象が発生しないことは保証されません。
- 実際にこれ以降も、同じIPアドレスによってメールが届かないケースが何度か発生しました。
プロプランへのアップグレード
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中長期的な品質担保および保守性を考え、SendGridのプロプランを使用することにしました。(構造計画研究所から利用できるSendGridのプラン一覧ページ)
- プロプランを使用することで、SendGridから自分専用の固定IPアドレスが割り当てられます。
- 月10万通、月額14,000円〜です。正直、小規模なサービスだと持て余してしまいます。
- アップグレードしたら即日利用できます。
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私が利用した際は、アップグレードして割り当てられたIPアドレスが汚れていて元々スパムリストに載っており、一部ドメインから弾かれる状態になっていました💦
- こちらはサポートに連絡したら即座に別のIPアドレスを割り当ててもらえましたが、上記のようなことも発生し得ることは気に留めておいてもいいかもしれません!
SendGridを用いてメールが適切に届く状態を維持する
- 上記のような出来事もあり、改めてSendGridを用いて適切にメールが届く状況を維持するにはどうすればいいかを整理しました。
SPF, DKIM, DMARCについて
- メールの認証システムとして、一般的にSPF, DKIM, DMARCの3つがあります。
- いずれもメール送信のなりすましを防ぐ役割です。
SPF:メール送信者のIPアドレスとドメインを元に、DNSとの照合を行い、認証を行う
DKIM:メールに電子署名を付与し、認証を行う
DMARC:SPFまたはDKIMでの認証が失敗した場合どのように取り扱うかを決めることができる
SPF(DKIM)でメールを送信している人がなりますしでないかどうかの認証を行い、DMARCを用いて認証されていないメールを迷惑メールとして区分するなどの対応を行うことができます。
SendGridを使用する上で準備しなければならないこと
以下の二つが必要です。
①Domain Authenticationの設定
- そもそもアップデートによってDomain Authenticationを登録しないとSendGridを利用できなくなりました。
- Domain Authenticationに登録すると、SendGrid側でSPF/DKIMの利用をしてくれます。
②DMARCの設定
- 使用するドメインにDMARCレコードを追加します。
- 利用しているドメインサービスによって操作は異なりますが、割とあっさりできました。
Gmailの新ガイドラインでやらなければいけないこと
- 2024年2月からGmailにおける、メール送信者のガイドラインが実施されており、Gmailドメインにメールを届けるにはこのルールを守ることが必須になります。
- 基本的にはSPF, DKIM, DMARCに対応していればOKです!従ってSendGridを利用する場合は上記の対応を行えばOKです。
- ただし、1 日に 5,000 件を超えるマーケティング目的のメールや配信登録されたメールを送信する場合は、ワンクリックで登録解除できるようにする必要があります。
- こちらもSendGridで簡単に対応可能です!(対応方法についてのガイド)
おわりに
SendGridを用いて良きメール配信環境を!