GitHubにてpLaTeX対応同人誌用縦書きスタイルファイル「LaTeXDojinStyle.sty」を公開しました。
事の発端
Wordで小説同人誌を作成するとルビ振ったらとんでもなく行間が開くとか、
そういうこまごましたところに非常に不満がありましたので、
TeXLiveを導入してそいつで作っています。
専ら小説同人誌を作っておりましたので、
1999年にトニイさんが@niftyフォーラムで発表された「B6判・文庫本(A6判)スタイルオプション」を
たまたま別の方が@niftyフォーラム亡き後別のところで配布されていましたので
これを使わせていただいておりました。
使い始めた時、印刷所に出すデータとしては断裁用の遊び(余白)が設定されていなかったため
どうにかこうにか遊び部分を追加して
使っておりました。
しかしB6で吉○弘文館の人物叢書みたいなのを去年作りたくなってしまって、
「どうせならスタイルファイル改造しちまわね?」となりました。
これは長年のLaTeX配布パッケージの進化に、どうも中の記述が合わなくなっている部分もあったようで、
思ったような効果が出ない、または読み込んだ別パッケージがうまく動かない、というものが見られたからです。
そして上記の「人物叢書っぽい同人誌」って要するに論文や研究書の形式を取りたいということでもあり、
美文書作成でおなじみの奥村先生が開発された、論文に必要な(普通は同人誌に要らないような)
パッケージも全込みで記述してしまっています。
※まだこれ、ダウンロードURLを含めていないので、これは書かないとと思っております。
これを全部入れ込むと、こういう同人誌が作れます。(他ページのサンプル)
依存パッケージ
どうせ中身を見ていただいたら判るんですが、下記を読み込んでおります。
\usepackage{geometry}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx,xcolor} % PDF用
\usepackage{pxatbegshi} % 縦組だとatbegshiでエラーが出るのを回避する
\usepackage{pxrubrica} % from http://qiita.com/zr_tex8r/items/42466cbcbeb670a3a2dc 美しい縦書きルビを振るパッケージ
\usepackage{titlesec} % 見出しのレイアウト変更を行うパッケージ
\usepackage{tocloft} % 目次の体裁を変更できる
\usepackage{wallpaper} % 壁紙を作るやつ
\usepackage{lipsum} % ダミーテキスト作成パッケージ
%脚注スタイルパッケージ
\usepackage{pxftnright} % 縦組みpLaTeX用美しい脚注・傍注パッケージ
\usepackage{endnotesj} % 文末脚注スタイル
\let\footnote=\endnote % これで脚注が文末脚注になる(傍注の場合は行をコメントアウトでOK)
\usepackage{warichu} % 割注利用
%図表・段組等を利用した変形レイアウト作成パッケージ
\usepackage{wrapfig} % 図の回り込み用
\usepackage{picinpar} % 文章中に枠を設けて図表を入れ込むパッケージ(非推奨のよう。picinsが推奨っぽい)
\usepackage[subrefformat=parens]{subcaption} %図を並べて複数挿入
\usepackage{url} % URLを直書きできる
\usepackage{multicol} % 段組みスタイル
%フォント関係パッケージ
\usepackage[deluxe]{otf}% OTFフォント使用
\usepackage[utf8]{inputenc}% 欧文文字コードをUTF8で読む
\usepackage{type1ec} % 欧文のリガチャ可能フォント利用時、適当なフォントサイズが用意されてない時に拡大縮小する
\usepackage{lmodern} % 欧文フォントをLatin Modernフォントにする
\usepackage[T1]{fontenc}% フォントファイルのエンコーディングをT1エンコーディングにする(アクセント符号なんかに必要)
\usepackage{textcomp}
\usepackage{ascmac}
%表調整パッケージ
\usepackage{multirow} %表のレイアウト調整
\usepackage{longtable} %頁またぎの表作成
フォント関係は全部ONにしておく方が良いと思いますが、
あんまり表入れる人は同人作家には少ないのでは?とか、脚注が入ってる同人誌って何だよとか
全ての同人誌には不要不急のパッケージも色々組み込んであります。
要らん場合は行の先頭に%を書いてもらえればその行はコメントアウトになりますのでOFFにできます。
あと何も知らずにコンパイルしてエラーが出たら、
たぶんそいつがダウンロードしてこないといけないパッケージなので…
組み込んだ時にURL控えておけば良かった。
使い方
.texファイルの1行目に「\documentclass」で縦書き書籍用のtbookを指定してもらい、
2行目に\usepackageでこのスタイルを読み込んでください。
\documentclass[dvipdfmx,openany]{tbook}
\usepackage{latexdojinstyle}
ダウンロードしていただいたスタイルは、
断裁用の遊び3ミリを周囲に配した文庫本サイズがあらかじめ設定されています。
A5やB6、印刷所によって異なる遊びの寸法を設定したい場合は
37行目からサイズ設定になっていますので、こちらを変更してください。
今後
本を出すたびに直しながら使っている状態なので、たぶん頻繁に更新します。
なにかご要望などありましたら、ここのコメントにでも投げていただけると
いつか組み込むこともあるかも知れませんし、プルリクエスト送っていただいてもいいんですよ…?