はじめに
OCI MarketplaceではOracle SOA Suiteが提供されています。
Oracle SOAをOCIのMarketplace経由で簡単にプロビジョニングしてみようと思います。
前提
Oracle SOA Suite (PAID)の23.1.1を利用して進めます。
作成するSOA Suiteのスタックを以後SOA Marketplaceと呼びます。
基本的な流れ
ドキュメントに沿って進めます。Before You Beginから従って進めてみます。
事前準備
コンパートメントの作成
まずはコンパートメントを作成します。
特に制限はないので、作成した後にコンパートメントに対して以下のポリシーを設定します。
<compartmentName>
は作成したコンパートメントの名前に置き換えてポリシーを作成します。
- allow group groupName to manage instance-family in compartment
- allow group groupName to manage virtual-network-family in compartment
- allow group groupName to manage volume-family in compartment
- allow group groupName to use database-family in compartment
- allow group groupName to use autonomous-database-family in compartment
VCNの作成
VCNウィザードの起動
からインターネット接続性を持つVCNの作成
をクリックしVCNを作成します。
ここで作成するVCNはあくまでも検証用のものになります。
- 名前: 任意
- コンパートメント: 先ほど作成したコンパートメント
- VCN IPv4 CIDRブロック: 10.0.0.0/16
- Public Subnet CIDR Block: 10.0.0.0/24
- Private Subnet CIDR Block: 10.0.1.0/24
セキュリティリストの構成
今回は以下の構成でプロビジョニングしてみます。
- パブリックサブネットに踏み台とLB
- プライベートサブネットにSOA SuiteとDB
以下のようにイングレス・ルールを設定します。
サブネット | ポートの設定 | 補足 |
---|---|---|
パブリックサブネット | 22 | Marketplaceからのアクセス用 |
443 | インターネットアクセス(0.0.0.0/0)用 | |
プライベートサブネット | 22 | 踏み台からのアクセス用 |
9073 | LBからのアクセス用 | |
全てのポート | サブネット内のアクセス用 |
SSHキーの作成
SSHキーを作成します。
Linuxでの作成方法や[Windowsでの作成方法]を参考に作成するか、OCI Computeインスタンスの作成画面を利用して行う方法もあります。
Oracle Databaseの作成
SOA Suiteは以下のOracle Databaseをサポートしています。
今回はATPを利用してみようと思います。Always FreeのATPインスタンスはサポートしていないので注意が必要です
以下のようにATPをプロビジョニングします。
- データベース名: atp4soa
- バージョン: 19c
- 他は任意
SOA Marketplaceスタックの作成
メニューからマーケットプレイス
-> すべてのアプリケーション
と選択し、検索欄に「SOA」と入力します。
Oraacle SOA Suite (PAID)を選択します。
SOA Marketplaceのプロビジョニング
※2023年3月現在、コンソールが日本語版だとバージョンが選択できない不具合が発生しているため、言語を右上メニューよりEnglishに設定して以下の手順を実行してください。
Nameには任意の名前を記述して「Next」をクリックします。
Service Instanceの入力内容
MarketplaceのUIに以下のように入力します。
特に指定のない箇所はデフォルトのままで構いません。
- Instance Name Prefix: 任意
- Service Type: SOA with SB & B2B Cluster
- Compute Shape: 任意
- SSH Public Key: 作成したSSHキー
- Cluster Node Count: 1
- Administration Username: weblogic
- Administration Password: 任意(welcome1など)
- Domain Volume Size (GB): 50
Instance Networkの入力内容
- Network Compartment: 作成したコンパートメント
- Virtual Cloud Network Strategy: Use Existing VCN
- Existing Network: 作成したVCN
- Subnet Strategy: Use Existing Subnet
- Subnet Compartment: 作成したコンパートメント
- Subnet Type: Use Private Subnet
- Subnet Span: Regional Subnet
- Existing Subnet: 作成したプライベートサブネット
- Bastion Strategy: Create New Bastion Instance
- Bastion Host Subnet Compartment: 作成したコンパートメント
- Existing Subnet for Bastion Host: 作成したパブリックサブネット
- Bastion Host Shape: 任意
- Provision Load Balancerにチェック
- Load Balancer Strategy: Create New Load Balancer
- Load Balancer Subnet Compartment: 作成したコンパートメント
- Load Balancer Subnet Type: Use Public Subnet
- Existing Subnet for Load Balancer: 作成したパブリックサブネット
- Load balancer Shape: Flexible
Databaseの入力内容
- Database Strategy: Autonomous Transaction Processing Database
- Autonomous DB System Compartment: 作成したコンパートメント
- Autonomous Database: 作成したATP
- Autonomous Database ADMIN Password: 設定したADMINユーザのパスワード
リソースマネージャの実行
「Next」をクリックし、問題なければ「Create」をクリックするとリソースマネージャのジョブが開始します。
30分ほどかかるので気長に待ちましょう。
完了後、「Outputs」に表示されている値を利用するのでこのページは表示したままにしてください。
プロビジョニング後のタスク
以下のようにイングレス・ルールを設定します。
サブネット | ソース | 宛先ポート | 補足 |
---|---|---|---|
プライベートサブネット | <踏み台のPublic IP>/32 | 7002 | コンソールアクセス用 |
環境の確認
FMWコンソールにアクセスしてみます。
先ほど確認したOutputsの値から、FMW_Console
の値を確認してみます。
キャプチャのようにPrivate IPを含んだValueが表示されているので、ポートフォワードして端末からアクセスできるようにしてみます。
$ ssh -i <SSH Keyのパス> opc@<踏み台のパブリックIP> -L 7002:<プライベートIP>:7002
https://localhost:7002/emにアクセスします。
Enterprise Manager にアクセスができます。
OutputsのLoadbalancer_Public_Ip
を利用してSOAコンポーザにアクセスできます。
https://<Loadbalancer_Public_Ip>/soa/composer/
weblogicユーザでログインが可能です。
まとめ
今回はSOA Marketplaceを利用してOracle SOA SuiteをOCI上にプロビジョニングしてみました。
次回はアプリケーションのデプロイなども含めて実際に動かしてみようと思います。
参考資料