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Oracle NoSQL Database Cloud Serviceのテーブル階層(子表)を試してみる

Last updated at Posted at 2023-04-14

はじめに

OCIのOracle NoSQL Database Cloud Service(NDCS)では、子表という機能を使って、テーブルに階層を持たせることが可能になっています。
Oracle NoSQL DatabaseはSQLが利用できるため、この機能を使うと、RDBほどではありませんがテーブル同士の関連性を表現できます。

子表の作成

子表の作成のためには親となるテーブルの作成がまず必要です。
メニュー -> データベース -> 表 と選択して、NDCSを開きます。

「表の作成」から親となるテーブルを作成します。
ここではparentと言う名前のテーブルで、id(String), Value(String)だけを持つテーブルを作ってみます。
image.png

テーブルが作成されたらクリックして開くと、左メニューに「子表」とあるのでクリックします。
image.png

同じようにテーブルが作れます。
注目すべきは「名前」の所にparent.と既に記述があるところです。Oracle NoSQLでは、子テーブルは.で繋いで表現をします。
同じカラム名は持てないので、child1_を接頭辞的につけています。
image.png

アクティブになったので確認してみると、列に設定していないはずのid列が出てきました。
これはつまり親であるparentテーブルの主キーを継承していることになり、子であるchild1テーブルは複合主キーとして振舞うということが分かります。
image.png

データを挿入

parent.child1テーブルにデータを挿入してみます。
「データの探索」からSQLが実行できるので、INSERT文を実行してみましょう。
image.png

以下のようにINSERT文を2つ実行します。どのテーブルに対してもクエリの実行は可能です。

INSERT INTO parent VALUES ("2023040001", "parent example1")
INSERT INTO parent.child1 VALUES ("2023040001", "2023040001-1", "child1 example1")

クエリの実行

子表はテーブルとして独立して利用できます。データを取得してみましょう。

SELECT * FROM parent.child1

image.png

次は親テーブルのデータを取得してみましょう。

SELECT * FROM parent

image.png
parent.child1のデータは取得されないことが分かります。
これこそがこの子表のメリットです。必要のないデータを設計レベルでそもそも取得しないようにすることが可能です。
テーブルが大きくなりすぎている場合などに利用できそうです。

勿論、必要に応じて親テーブル + 子テーブルのようにデータを取得することも可能です。
Oracle NoSQLの子表ではLEFT OUTER JOINがサポートされています。

SELECT p.id, c1.child1_value
FROM parent  p LEFT OUTER JOIN parent.child1 c1
on p.id = c1.id

image.png

テーブルの階層

子表にはさらに子表を作ることが可能です。
parent.child1テーブルと同じようにidvalueだけを持つparent.child1.grandchild1テーブルを作ってみます。
さらに、parent.child1テーブルと同じ階層にparent.child2テーブルを作ります。
テーブルの階層は以下のようになります。

parent 
  ├ child1 
  │   └ grandchild1
  └ child2

SQLを実行して作成した2つのテーブルに対してデータを挿入します。

INSERT INTO parent.child1.grandchild1 VALUES ("2023040001", "2023040001-1", 2023040001-1-1, "grandchild1 example1")
INSERT INTO parent.child2 VALUES ("2023040001", "2023040001-2", "child2 example1")

しかし、2つ以上のLEFT OUTER JOINはサポートされていません。

SELECT p.id, p.value, c1.child1_value, c2.child2_value
FROM parent p 
LEFT OUTER JOIN parent.child1 c1 ON p.id = c1.id
LEFT OUTER JOIN parent.child2 c2 ON p.id = c2.id

image.png

そのような場合はNESTED TABLES句を利用します。
descendants句と同時に利用して、descendantsの後の括弧内のテーブルが子の関係にあることを表現します。

SELECT p.id, p.value, c1.child1_value, c2.child2_value
FROM NESTED TABLES (parent p descendants(parent.child1 c1, parent.child2 c2))

image.png

これを利用すれば、孫(もしくはそれ以降)の関係にあるテーブルの同時取得も可能になります。

SELECT p.id, p.value, c1.child1_value, c2.child2_value, gc1.grandchild1_value
FROM NESTED TABLES (parent p descendants(parent.child1 c1, parent.child2 c2, parent.child1.grandchild1 gc1))

image.png

まとめ

今回はOCIのNoSQL Database(NDCS)を使って、テーブル階層を試してみました。
これを使うことで、より柔軟なデータモデルの設計や、データ取得量の軽減によるコスト(スループット)の節約に活用できそうです。

参考資料

https://blogs.oracle.com/nosql/post/table-hierarchy-nosql-cloud
https://docs.oracle.com/en/database/other-databases/nosql-database/22.3/index.html

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