この記事はLITALICO Engineers Advent Calendar 2022 カレンダー2の10日目の記事です
概要
この記事は、入社2年目のエンジニアのチーム目標や個人目標に関する気づきを綴った随筆です。
この記事でわかること
入社2年以内のエンジニアがチーム目標や個人目標を立てるにあたり、考え体験したことから、以下の事項をお気持ちベースでまとめています。
- 目標の大事さ
- エンジニアのチャレンジの仕方
- チーム目標・個人目標を立てる際にやっていること
この記事でわからないこと
全てのチームに当てはまる最適な目標の立て方は、確立できておりません。
あくまでも、LITALICOのあるエンジニアチームでの話で、今後、更にブラッシュアップしたいと考えております。
目標は何のために立てるのか
気づきはここから始まった気がしております。
人生の中で、目標を立てる機会って、その人の人生によって、マチマチだと思いますが、社会人になると、途端に、その機会が増えたりしませんでしょうか。私自身も、社会人になってから、目標を立てる機会が増え、目標をたくさん立てなければならず、なぜ、目標を立てるのかをちゃんと考えずに、大半は評価のために目標を立てていました。評価されることも重要ですが、それだけでは、本末転倒な気がしておりました。
LITALICOに入社してから、気づいたのですが、学生のときって、評価のために目標を立てることはなかったんですよね。学生の目標って、例えば、志望校に合格したいとか、その過程として、模試で良い成績を取りたいとか、推薦をもらうために学校の成績をあげたいとか、他にも、好きな女の子とつきあいたいとか、そのために、良さげな服を買うためにバイトしてお金を貯めたいとか、接点を増やすために彼女と同じ部活で活躍したいとか、色々な方向性があったと思います。少し、思い返してみてください。
いずれも、共通して、自分の希望に直結していませんでしたか?その上で、目標を立てること、目標の段階を考えることで、今何をしたら良いのかがわかり、ゴールに向かって最短距離で進むことができましたよね。(ちゃんと成果が出るかは別の問題です。好きな女の子とつきあえたかは察してください。)
とは言え、社会人と学生は違うよ、学生の時は、自分のことだけ考えていることが許されたけど、社会人になったら、自分のこと以外にも、会社のこと、組織のことを考えなければいけないよ、それも正しいと思います、私もそう思います。
ですから、この二つをミックスして考えてみました。
- 会社がやりたいこと、組織がやりたいこと、そして、もちろん、自分がやりたいことを達成するために、目標を立てる
- 目標を立てる中で、やりたいことを達成するためには何が必要かや自分の役割が明確になる
- 目標を立てたことで、前向きに挑戦できる、挑戦に対し周りに協力してもらえる、モチベーションが保てる
- 目標を振り返ることで、計画の修正が行え、都度、最適化できる、状況の変化に対応できる
上記が目標を何のために立てるのかの答えではないでしょうか。以降は、この前提に基づいて、それぞれに対して、どういう目標を立てていけば良いのか、それを考える上で、事前に確認すべきこと、考えることを踏まえ、目標の立て方を考えていきます。
事前準備をしよう
会社がやりたいことを把握しよう
会社の規模にもよりますが、経営者の方とお話をする機会って、皆さんはどれくらいあるでしょうか。ありがたいことに、LITALICOは同じ目標に向けて働いている社員が多く、人にもよりますが、なかなか、経営者の方と話す機会はありません。
では、会社がやりたいことを把握して、その中で、自分のやるべきことを考えるには、どうしたら良いでしょうか。色々な方法があります。例えば、会社のホームページや、社長のインタビューの内容で、会社をどうしていきたいのか、書いてあることも多いのではないでしょうか。
それらの確認も大事ですが、少しスケールが大きな話になって、自分がどういう役割を果たせば良いのか考えるのが難しくありませんでしょうか。理由としては、上記は会社全体についての目標やビジョンが語られているからです。
上記を確認しつつも、個人的に、目標を立てる上で、より重要視してるのが、評価制度と、部門ごとの目標です。
評価制度を確認すると、どういう人材を会社が求めているのかがわかります。評価の基準を満たすことで、評価されるのはもちろんですが、評価の基準を満たす人材が増えれば、増えるほど、会社のやりたいことが達成できると考えられないでしょうか。もし、そうなっていないのであれば、改めるべきは評価制度であると、個人的には思います。会社が求める人材に、完全に一致しなくても良いと思いますが、なりたい自分と、会社が求めている人材の一致するところを考え、目標に落とし込んでいくのはどうでしょうか。
部門ごとの目標は、会社の規模にもよるので絶対ではないですが、経営者も確認していることが多いのではないでしょうか。すなわち、部門の目標は、その部門に対する会社の期待の表れであり、部門ごとの目標を、全部門分集めると、ほぼほぼ、会社がやりたいことになるのではないでしょうか。そうなっていないのであれば、ちょっと経営者としていかがなものかと、個人的には思います。また、自分が所属している部門の目標ですので、会社全体の目標やビジョンよりも、落とし込んで考えやすくはないでしょうか。
- 評価制度を読み取り、会社の求める人材を把握する
- 自分の将来像と、会社が求める人材の一致するところから、目標を考える
- 部門ごとの目標を確認して、会社が部門に期待していることを確認する
- 部門の目標に貢献することで、ひいては、全社の目標に貢献すると考え、目標を考える
チーム目標を確認しよう、ないなら作ろう
組織というと、様々な規模が考えられますが、会社がやりたいことを考えようの項目で、部門の目標については、確認しましたので、部門の中にあるチームについて、考えていきましょう。
1つの部門の中にも、様々なチームがありますよね。私の場合は、プロダクト開発のエンジニアチームに所属しております。
チームの目標って、結構考えていくと難しいですよね。部門目標のように、偉い人が決めてくれるわけではなく、チーム内で、相談して決めていくことが多いのではないでしょうか。場合によっては、あなたが自分の目標を考える段階で、チームの目標がイマイチはっきりしないなんてことはありませんか?
その場合は、チーム目標を作るように、率先して動いてみてはいかがでしょうか。「ん?チームリーダーがいかがなものか」という話に帰着しないのかとお思いの皆さん、個人的にはそう思います。ですが、評価制度や部門の目標と違って、チーム目標であれば、いかがなチームリーダーを差し置いて、あなたが目標を取りまとめるために動くことも可能ですよね?と、同時に、年に何回か拝顔させていただく経営者の方と違い、チームリーダーとは話をする機会も多いと思います。もしかしたら、チームリーダー的には、「目標はある、ただ、口下手なだけ」などということもあるかもしれません、聞いてみましょう。
以降は、チーム目標を考える場合について、少しまとめたいと思います。
チーム目標の作り方
チーム目標を作ろうと思うとき、何から始めたら良いでしょうか。色々なことを考えないといけないですよね。ですが、それって、一人で考えなきゃいけないものでしょうか。むしろ、他のチームメンバーと相談の上、考えたら良くないですか?だって、あなたは一人で働いているんじゃなくて、チームで働いているんだから(良いこと言った風に)
さて、真面目な話に戻すと、以下の3点をチームメンバーと一緒に確認するのが良いのではないでしょうか。
- 自チームの期待される役割
- 同じ部門の他チームの目標
- 同じチームの他のメンバーのやりたいこと(目標まで行かなくてもOK)
上の2つは、部門目標を束ねたら、全社の目標になると同じ発想です。チーム目標を全チーム達成したら、部門目標を達成できるという目標にしたいですよね。そうなると、自チームの期待される役割と、同じ部門の他チームの目標を把握できたら、自ずと、自チームで達成しなければいけない目標が見えてくるのではないでしょうか。
下に関しては、上の2つと少し異なります。その話をする前に、そもそも、目標って、どういった観点で整理すべきでしょうか。様々な観点があると思います。ここでは、以下の3つの観点で整理することを考えましょう。
- MUST: 達成しなければいけない目標
- WANT: 達成したい目標(チャレンジ目標)
- CAN: 頑張ったら達成できる目標の範囲、どれくらいかでいうと、個人的には普段の105%くらいの頑張り
近しいワードが出てきましたね、前述の「自チームで達成しなければいけない目標」、これはMUST目標です。全チームがMUST目標を達成したら、部門の目標が達成できるように考えてみましょう。このとき、重要なのは、MUSTは、絶対に、CANの範囲で考えることです。
MUSTは、上記の通り、達成しなければいけないわけですから、CANの範囲になかったら、達成する見込みがないってことになるのでおかしくないですか?そんなことはわかってる、でも、上から言われた部門目標を達成するためには、無理な目標を達成しなければいけないと思う方もいるかもしれません。
前述の通り、全チームがMUST目標を達成したら部門の目標が達成となり、全部門が部門目標を達成したら会社の目標が達成となるはずです。「上から言われた部門目標を達成するためには、無理な目標を達成しないといけない」というのが本当であれば、会社の目標を達成しようと思ったとき、各部門の全チームがMUST目標を達成しないといけないということになりますよね(あなたの部門だけ無理な目標が与えられるって、不平等だし、会社にとってもリスクでしかないですよね)。その仮定で考えると、確率的に会社の目標を達成することはありうるでしょうか、数ある部門のうち、1つの部門が無理な目標を達成することはあるかもしれませんが、全部門達成となると奇跡連発ということになりませんか。状況にもよりますが、その奇跡連発を期待するのは、経営と言えるでしょうか?
OKRなど、目標を高めに設定したいということもありますよね。その場合の高めの目標は、WANTの方から持ってきたらいかがでしょうか。WANTは達成したい目標です。達成したら嬉しいし、達成しなくても、MUST目標を達成できるようにしておけば、最悪、部門の目標は達成できます。WANTの目標に関して、ときにはCANの範囲を超え、チャレンジしたら良いのではないでしょうか。
例)
- 売り上げのMUST目標: 3000万円 (→ これを達成しないと、赤字)
- 売り上げのWANT目標: 5000万円 (→ これを達成なくても、赤字ではないが、達成できたら、大幅な黒字)
エンジニアのチームだと、MUSTは考えやすいのですが、WANTって考えるのが難しいことがありますよね。例えば、スケジュール通りにプロダクトを開発するのはMUST目標ですよね。それに対して、スケジュールより早くプロダクトを開発するのはWANT目標になるでしょうか?WANTになる場合もありますが、自チームの場合で本当にそうか考えてみてください。スケジュールより早くプロダクトを開発することで、誰か得をする人はいますか?
こういうときに、私は、将来的にやりたいことからWANT目標を考えることが多いです。今、やらなくても良い(=MUSTではない)が、今やっておけば、計画が前倒しになるとか、将来的にやれることの幅が広がるということはありますよね。これってWANTになりませんか?もちろん、チームの状況によりけりですので、スケジュールより早くプロダクトを開発することで、その差分が長期休暇になるとかあるかもしれません。そういう場合はWANTになることもありますよね。
話を戻しますと、同じチームの他のメンバーのやりたいことは、WANT目標のヒントになります。あなた自身がやりたいことを、チームメンバーに相談しても、もちろん良いし、みんなのやりたいことの中から、今やったらチームのために一番良いWANT目標を相談してみましょう。
さて、ここまでで、事前準備は完了です。次は、いよいよ、個人目標について考えてみましょう。
個人目標を作ろう
なりたい自分を確認しよう
直近の個人目標を作る前に、今一度、なりたい自分を考えてください。将来、どうなっていたいですか、具体的に思い描く理想像はありますか。もし、そこまで具体的に描けていないようであれば、抽象的な理想像から、詳細を詰めていきましょう。
例えば、抽象的な理想像が、お金持ちになりたいだとしましょう。
- お金持ちになりたい
- どれくらい稼いでいる状態が理想か
- どうやって稼ぎたいか
- 会社で稼ぎたい
- どれくらい出世する必要があるか
- 会社を起業して稼ぐ
- どういう分野で起業するか
- 会社で稼ぎたい
- いつまでにお金持ちになりたいか
色々な角度から具体化できますよね。この具体化したものを長期的な目標として、中期的にはどうなっている必要があるのか、それを満たすためには、短期目標はどうすれば良いのかと考えてみましょう。長期目標を達成したい時期にもよるのですが、まずは、1年毎の状態を考えるつもりで中期目標、短期目標に落とし込んでみてください。そうすることで、最終的には、今、何をしなければいけないのか、直近の目標が見えてきませんか。
例) 起業して大金持ちになる
- n年後に、なりたい自分 : 起業して大金持ち
- n-1年後の到達点 : 上場準備を始める or ビジネスを軌道に載せる
・・・ - i年後のあるべき姿 : 起業のため、投資してもらう or 起業に必要な自己資金を貯める
・・・ - 2年後のあるべき姿 : 起業のための計画を立てる
- 1年後のあるべき姿 : 起業に必要な知識を身につける、人脈を築く → 直近の目標
チーム目標と組み合わせよう
自分がどれくらいの割合で、チーム目標に貢献すべきであるのかは、チームでの役職や役割によっても変わってきます。その辺りの調整は、チームリーダーの仕事だと思いますので、確認してみましょう。LITALICOのエンジニア組織だと、評価の等級区分によって決まっていますので、それを元にチーム目標と、なりたい自分から考えた目標を組み合わせています。
また、チーム目標の中で、なりたい自分と合致する項目はありませんか。例えば、将来的に、チームのマネージャーをやりたい、そのために、今まで経験したことのないタスクに挑戦したい。チーム目標の中でも、自分が経験したことのないタスクに関する目標があるとか。そういった場合は、積極的に、チームリーダーに担当させてもらえないか相談しましょう。チームリーダーとしても、あなたがそのチーム目標を達成したら助かりますし、チームメンバーを成長させることは、常にチームリーダーが掲げるべき目標ですよね。
ただし、ここでも、自分のCANの範囲なのかどうかはちゃんと考えてください。仮に、あなたのCANの範囲を大きく逸脱していて、それでも、担当させてもらえた場合、あなたのギャンブルに、チーム全員を巻き込むことになってしまいます。それはチームメンバーとしていかがなものでしょうか。どうしても担当させてもらいたい、だけども、CANの範囲を超えてしまっている。そういう場合は、チームリーダーに相談してみましょう。あなたと他のメンバーが一緒に、そのチーム目標を担当させてもらえるかもしれません。
前回の目標を確認しよう
最後に、前回立てた目標があれば、それを確認してみましょう。前回の目標は、全て達成しましたか?もし、達成できていない項目があれば、今回の目標に入れることを考えてみてはいかがでしょうか。目標は、やりたいことを達成するために立てるわけです。前回の目標の中で、達成できなかったものは、今もやりたいことの中に含まれていませんか?
最後に
いかがでしたでしょうか。
私の場合は、上記を実践して、上長に褒められました。
ゆくゆくは、給料が爆上がりして、素敵な奥さんも迎えられることでしょう。(予定は未定)
LITALICOでは、目標に関して、かなりコストをかけています。
目標に対して、考えるきっかけになりましたし、会社全体にとっても、それだけ、コストをかける価値があると考えているのでしょう。
その期待に応えつつ、未来のお嫁さんに良い生活をしてもらうために頑張っていきたいと思います!