この記事はLITALICO Engineers Advent Calendar 2022 カレンダー2の22日目の記事です
概要
相互リスペクトが自然にできるチームを作るための工夫していることについてまとめます
この記事でわかること
- 相互リスペクトがなぜ大事か
- お互いにリスペクトするために、チームで何をすべきか
- ちゃんとリスペクトしてもらうためにすべきこと
相互リスペクトがなぜ大事か
この記事でのリスペクトは、ベタ褒めすることではなく、相手に敬意を持って接し、お互いを尊重し、それぞれのありのままを受け入れることを指します。 リスペクトがあるときとないときで、どういった違いが生じるかを整理します。
互いの違いを理解することでハラスメントのリスクが減る
- 悪意を持って、ハラスメントを行うとする人は論外ですが、悪意がなくてもハラスメントになってしまうケースもあるかと思います。相互リスペクトのある組織では、これらのハラスメントの発生リスクを減らすことができるはずです
- 悪意がなくてもハラスメントになってしまうケースは、お互いの常識や認識の違いから来るのではないでしょうか。例えば、世代や性別、それまでの経歴が異なると、その人の中では正しいと思っていることが、他の人からしたらハラスメントにあたるということもあり、そういった不幸な行き違いをなくしていきましょう
- 後述しますが、リスペクトのスタートは、互いの違いを理解し、相手の立場に立って考えることから始まります。そのため、相互リスペクトがある組織では、ハラスメントの発生リスクが減少します
- ハラスメント防止のために、リスペクト・トレーニングを行っている企業も最近では増えてきました
互いの違いを理解し、違いを活用することが、多様性のある人材の活躍の鍵
- 組織の人材の多様性を増したいと考えている企業は多いと思いますが、折角、採用した多様性のある人材が活躍できるための土壌をちゃんと整えているか振り替えてみましょう
- 様々な文化や民族性、人種、宗教、ジェンダー・アイデンティティー、年齢、能力を持った社員が活躍するためには、まずは、それぞれの考え方の違いを理解することが大事です
- その上で、我慢したり、無関心でいたり、遠慮するのではなく、組織として、どうしたら、みんなが気持ち良く働けるか考えるのが更に大事になります
- リスペクトは、相手を尊重するだけではなく、自分を尊重することでもあります。相手の考えを理解して、自分の考えも理解してもらうことで、どちらかが一方的に譲るのではなく、ベストな形を検討することができるようになります
- 相互理解とリスペクトが成果や業績につながるという成功体験を実践している企業があります
相互リスペクトによる心理的安全性や思考の強化が、イノベーションの元となる
- イノベーションは、どこから発生するか、一部の天才の閃きによって発生することもありますが、天才以外でもイノベーションを起こすことは可能、そのためには、周りの人の協力が必要不可欠です
- 人の反応を気にせず、自分だけを信じて、イノベーションを起こした例も多いですが、普通の人には難しいですよね
- それぞれの立場や役職などを気にせず、誰でも発言しやすい雰囲気を作り、それぞれの発言をしっかり吟味し取り組むことで、組織の中からイノベーションを生み出せるのではないでしょうか
- 互いの立場を考えて行動すること自体が、自立心、責任感を育み、組織や顧客にとって、どうやって価値を生み出していくのかを考えることに繋がり、各自が成長します
- 相互リスペクトがある状況では、トライ&エラーに対するハードルが下がる、相互リスペクトがない中では、「とりあえずやってみる」ことのハードルが高くなってしまいます
相互リスペクトの生み出す自己肯定感がモチベーションの維持につながる
- 心理学の研究によると、人間の全体の思考の80%はネガティブな思考とのことです。ネガティブな思考は、冒険をおかさない、すなわち、今までと同じ選択を行うことで、リスク回避につながる良い部分もあります。ただ、その結果、自己肯定感は何もしないと下がり続けることになります
- 自己肯定感が高ければ、様々な出来事に対してチャレンジしやすくなります、これは、モチベーションが高い状態へと繋がります
- リスペクトされるだけの状態より、相互にリスペクトすることでより自己肯定感が高い状態を維持できると考えられます
- 自分へのリスペクトだけだと、何かのミスでリスペクトされなくなるかもといった潜在的な恐怖で、安心できず、高い自己肯定感を維持しづらいです。互いにリスペクトされる状況では、安心感があり、自己肯定感が高い状態を維持しやすくなります
相互リスペクトがあれば、ナレッジを共有・活用しやすい
- ナレッジを独占することが自らのメリットに繋がると考え、共有することによって自らにデメリットが生じるのではないかという葛藤が生じてしまいがちではないでしょうか
- 相互リスペクトが確立している状況では、能力に関係なく、リスペクトし、リスペクトされる状況のため、上記のハードルを下げられるのではないでしょうか
- 相互リスペクトによる心理的安全性で、自身のナレッジを共有した際にちゃんと聞いてもらえないのではないかという不安を払拭できます
- それぞれのナレッジを単に共有し合うだけではなく、相互リスペクトがある状況では、常に相手の立場に立って考える癖がついているため、それぞれのナレッジを掛け合わせて、どう活かすのを考えることができるようになり、ナレッジを有効活用しやすくなります
- その成功体験によって、更に、ナレッジを共有したいと考えるようになるのではないでしょうか
お互いにリスペクトするために、チームで何をすべきか
以下、意識して実践していることです。もっと、他に良い方法もあると思いますし、ここに記載したことで間違っていることもあるかもしれません。良ければ、指摘、教えていただけると助かります。
それぞれのバックボーン、属性、文化、考え方の違いを理解する
- 違いを理解するための機会を設ける
- 様々なツールを使って、互いの理解を深める
- お互いの価値観を理解するゲーム
- それぞれの強み・弱み・特性を理解する
- 9マス自己紹介
- 自由に意見を言える場を整える
- 会議で、報告の場面、相談・議論の場面を明確にする
- 匿名の窓口を用意する
- 重要なのは誰のではなくて、どんな考え・文化があるか
- 様々なツールを使って、互いの理解を深める
- 考えや文化を否定しない
- まずは相手の主張を聞いて理解する
- 考えや文化が状況に合わないとき、そのものを否定するのではなく、単に今の状況に合わなかったと考える
- 考えや文化の中からその場に合わせて部分採用する
互いに敬意を持ち、尊重する
- 周りに敬意を持つ前に、自尊心を持つ
- 必要以上に自己否定をしない
- 自分の健康ややりたいことを大事にする
- 自ら率先して、メンバーに敬意を持ち、尊重する
- チームの体制として、それが当たり前の状況を作り出す
- この記事を読んだくださった方が率先していただけると嬉しい
- 自分がされて嬉しいこと・されたら嫌なことを考え、接する際に実践する
- 親切にしてほしいなら、自分から親切に。穏やかに接してほしいなら、自分が穏やかに接する
- 他人に自分が嫌だなと思う態度で接されても、同じ態度でやり返さない
- 相手の立場に立って考えるようにする
- 相手と自分を置き換えて考える
- 余計なバイアスを持たないようにする
- コミュニケーションで尊敬を大事にする
- 互いに礼儀正しく接する
- 相手の話を正しく聞く。勝手な思い込みをしない。不明点を適切に質問する
- 前向きな意見を言う(必ずしも建設的である必要はない)
- 最初に発する返事は、肯定から始めるようにする
対立した場合にも敬意を持つ
- 人の意見を尊重する
- 最後まで、人の意見を聞く
- 意見、そのものを否定するのではなく、何故、状況に合わないのかを指摘する
- 礼節を持った態度で返す
- 対立の中でも礼節は大事
- 対立の中で、感情的になった場合は、少し間をあけて冷静になる
- 間違えたときに素直に謝れる環境を作る
- 間違えを謝った際に許せる環境を作る
- 間違い自体ですぐ評価を下げない、間違いを改善するための仕組みを一緒に考える
ちゃんとリスペクトしてもらうためにすべきこと
相互リスペクトにおいては、相手をリスペクトするだけではなくて、自分をリスペクトしてもらう必要があり、下記ではそのために意識して実践していることを記します
- 適切な自己発信をする
- 見栄を張らない、ファクトベースで共有する
- 苦労や困難に対しても、なるべく共有する
- 自分の夢ややりたいことを話す、その上で、協力してほしいことをつげる
- 周囲に対して、礼儀を持って接する
- 自分がリスペクトしていることが正しく相手に伝わるようにする
- 必ず敬称をつける
- 相手によって、態度を変えない
- 丁寧なコミュニケーションを心がける
- 自分がリスペクトしていることが正しく相手に伝わるようにする
- 無理をしすぎない、自分を適切にケアすることで、周りにも無理をしなくて良いんだと伝える
- 自分1人だけで解決しようとせず、ちゃんと周りを頼る
- なるべく残業、休日出勤をしない
- 守れていないタイミングがあるので、是正したいことNo.1
最後に
いかがでしたでしょうか。まだまだ、実践中の部分もありますので、これから更にブラッシュアップしていきたいです。
また、今回、直前まで、別のネタで記事を書いていました。
今回、リスペクトマネジメントを大事にしていることを記事を通じて、社内やチームメンバーに伝えることで、更に、社内やチームの状況を良くすることができるし、自分の目指すリスペクトマネジメントが1人よがりにならずに済むと考えたため、内容を変更しました。
また、すべて、自分で考えたわけではなく、LITALICOでは、相互リスペクトを実践するために役立つイベントや、実践されている方が多いので、とても参考になりました。
予定していたネタの記事は、更にデータを集め、検証し、公開したいと考えています。そちらも楽しみにしていただけると嬉しいです。
最後に、チームメンバー向けのお願いを書かせてください。もし、この記事で書いていること、私が実践できていないじゃんと思ったら、是非是非、指摘をください。よろしくお願い致します。