問題提起
- 人型ロボット・双腕ロボットの活用事例が少ないのは、ハンドの賢さが足らないからではなかろうか
- 2足歩行よりも、ハンドの賢さを重視しよう。
触覚の重要性
- 視覚をなくした動物はいるが、触覚をなくした動物はいない。
- 長い時間をかけて見れば、触覚を持っているかのような植物もある。
- つる植物
興味あるハンドの事例
FingerVison
触覚ハンドで食品を盛付けるロボット、FOOMA JAPAN 2024に登場
近接覚センサ
現状のロボットについての私見
人型(少なくとも双腕ロボット)の開発への私見
- 開発資金が継続して得られるような開発のループを回すことこそが、成功させるこつ。
- 1回のトライで実現できない内容を目標に設定すべきではない。
- 例:
自由度があって、人程度の握力のある人の手の程度ハンド
難易度が高すぎる。
仮に高価格で実現できたところで、購入してもらえないため、なかったと同じになってしまう
2足歩行がもたらす欠点
- 手に何かをさせようとした時点で、2足歩行による姿勢の不安定さは問題を引き起こす。
- 車輪で姿勢が安定している方が、手に何かをさせようとするのに向いている。 - 開発資金の大半を2足歩行とそのデモンストレーションに費やしてしまうので、手に何かをさせる余力が失われている。
- 2足歩行をできるロボットにした時点で、ロボット全体の単価を上げてしまうので、導入することができなくなってしまう。
- 明確な目的で作られるロボットに及ばない。
- 例:配膳ロボットと人型ロボット
人型ロボットに配膳ロボットの代役ができるとは思えない。
人型という制約を縛られずに人型を作るべきだということ
- 進化はなりゆきの結果のデザインであることを認めよう
- 脊椎動物では2眼という制約。生物では眼を作るコスト高いために、2眼より増えることがなかった。
- 現在のコンピュータビジョンでは、カメラと画像認識のコストが格段に減少している。
- そのため、カメラの数を増やすという選択枝が可能である。
人の手の形状という制約に縛られすぎずに、用途を開拓していくべきだということ
- 形状・可動域・パワー・触覚・制御・タスク。 これらは連動しながら進化(もしくは退化)してきた。
バランスを持って開発していきながら、実現できるタスクを増やしていく。 - 触覚と制御がない形状・可動域は実用にならない。
- 展示されている人の手に類した5本指ハンドは、飾ってあるだけ。重すぎてエンドエフェクタとして取り付けるのも困難ということも起こる。
- 耐水性も必要だよね。例:イチゴの収穫。
repeatability(繰り返し位置精度)は意味を持たない使い方が増えつつある
用意される環境が、十分に制御された条件から異なってくると、
repeatability(繰り返し位置精度)は意味が少なくなっているんじゃなかろうか。
repeatabilityの意味合いが少なくなれば、ロボットの各軸に剛性を高める必要もないんじゃないだろうか。
タスクをこなせる範囲でハンド・アームを軽く作ることが大事になっているんじゃなかろうか。
首という自由度は必要か?
胴体についている腕・手を動かすために、胴体基準の座標系を使用する。
首の自由度がもたらすもの
- 胴体基準の座標系と頭部の座標系との変換行列が必要になる。
- 座標変換で必要になるもの
- 頭部座標での点群
- 頭部データでのタイムスタンプ
- 胴体と頭部の相対関係を決める頭部の自由度のパラメータ
- それら自由度のタイムスタンプ
そのタイムスタンプデータでの頭部の姿勢を決めるパラメータ
-> 変換行列
-> 変換後の点群データ
- 頭部のIMUデータ
- 胴体のIMUデータ
欠点
- このために、ただでさえ点群算出のために増えている遅延時間がさらに増えてしまう。
- 変換作業による誤差の累積が増えてしまう。ただでさえ、3D計測は精度を出しにくいのに、その変換作業による誤差が大きくなってしまう。
私見:センシングのためには、首という自由度は不要
初代のAtlas に首の自由度はない。胴体の上部に3Dカメラが直接ついている。倒れたときに3Dカメラにぶつけないようにするガードはある。
頭部への3Dカメラを増やしたロボット
https://agilityrobotics.com/products
このロボットには、頭部に複数の3Dカメラを採用している。
しかも、頭部は胴体と連結している。