学生であれ、研究者であれ、職業的なプログラマであれ、いい結果を出したいと思うことでしょう。
そのとき、見るべきポイントの一つは、そこに働く人を見て、働く先を選ぶことだ。
- 経営陣(大学の場合だったら、研究室の教授)がどう語っているか、
- 上司となるひとはどんなであるか
- 同僚となるひとはどんな人たちであるか
それらは、あなたが成長しいい結果を出していくうえで、重要な要素だ。
それらの中に、根本的な問題を抱えていると、あなたがどんなに優秀な人であっても有意義な結果を残せなくなってしまう。
だから言う。人を見て、働く先を選ぼう。
経営陣は、どのように人について語っているか
人を見る目がない、人を動機づける力のない人が経営のトップにあるときは、割り引いて考えたほうがいい。
「業績が悪いのは従業員が働かないからだ。」と述べた経営者がいたが、それは、従業員に働きたいという動機付けを経営者ができなかったと述べているのと同じだ。自分達の活動が世の中をいい方向にもっていることを実感させ、働くことに喜びを感じさせるようにもっていくことだ。
経営陣の人を見る目は、その事業の成否に結びつく要因の一つだ。
だれの判断を信用できるとするか。
経営陣に人を見る目がないと、適切な判断を述べている人がその場にいても、それを拾い上げることができずに、その組織の中で潰されていくのを見過ごすことになる。
人は愚かだし、正しい判断をなかなかできないものです。そのときに、間違えたことに気づいたら修正がきくありかたをしているかどうかだ。
経営陣のトップの影響は短期的には少ないかもしれませんが、長期的には、組織の劣化を確実に引き起こします。
組織の劣化の事例
「改善提案をしたときには(中略)「話を大きくすると、新入社員が思いつくようなこと何故今までやっていなかったのか」と問題になるのでと却下されたこともありました。 」 このような事例が発生するということは、「間違えたことに気づいたときには、間違えを修正することができない人をそのチームの長にすえている」ということです。そのような行動様式は、いろんな問題を引き起こしているはずだと推測されてもしかたはないでしょう。
大企業だからといって良いわけではない。
人は、現状の認識について、時間的な遅れを持っています。既に衰退期に入っている産業であっても大企業だから安心だろうと考えがちです。そのあたりは、いくつかの就職希望ランキングにあらわれています。生物の歴史を見ると、種が絶滅するのは、個体数ではなく、多様性が喪失して環境の変化に耐え切れなくなったときです。日本企業の事業の喪失も、環境の変化に耐え切れなくなったときに起きているように思えます。
ベンチャーならよいと考えるのは短絡的
ベンチャーも玉石混合です。
自分達の事業を進めるのに適切な適性を判断するのに、数十年も前の学歴を用いるのは適さない。
以下の引用例は、悲しい実例である。経営者が人を見る際に、学歴や在籍した企業の名前でしか人を判断できなかった事例である。
「やっと僕らがかけた募集にたくさん人材が集まるようになりました。見てみると、すばらしい学歴ですばらしいキャリアの方々ばかりで「おお!」と思っていたら、ほとんどが53歳以上だったんです。」
これが、「すばらしい学歴ですばらしいキャリア」でなく、「すばらしいキャリアとすばらしい結果を出してきた経験」であってほしかったと思う。
自社内の技術と技術者の良さと弱みとを自分達の頭で考えて判断する力を経営陣は持っているか
人は、自分の身近にいる人の能力を冷静に判断できないことが多い。自分の頭で物事を判断し切るよりは、「どこどこでもこう判断しています。」と、他の事例でもそうなんだと、客観的な裏付けがあって判断できる方が判断しやすい。
でも必要な判断力は、自分達だけの判断して行動を選択していく力だ。
判断の基準を他者に求めるものは、世の中にある「客観的な第3者の判断」は
情報を求める人達の判断に影響させるために意識的な加工が加わった判断であることを
過小評価している。そして、その結果喰い物にされるのだ。
身近の人、身近な人が創りだした技術を、判断できる人は、解決したい問題をとことん
自分事として考えている人だけだ。
「自分と同じように考える人を優秀だとみなす」傾向がたいがいの人にある。
裏返せば、自分と違った考え方をする人を無能とみなしやすい傾向がある。しかし、必要なのは、その考え方・行動様式が、何らかの結果を出し続けているかどうかです。とくにそれなりのチャンスが与えられてきた人について言えば、その結果をものにしてきたかという視点だ。その結果が、その人自身の力で成し遂げられているか。そういう視点で見れば、自分が嫌いな人でも、違った考え方をする人でも優秀さを見失うことがなくなるのではないでしょうか。
経営陣は予算の優先順序を決定します。
また、経営陣は、予算の使い方の優先順序を決定できます。その優先順序が間違えていれば、本来必要な活動に支障を生じます。こればっかりは、現場の社員が言ったところでどうにもならないのが、ほとんどでしょう。破綻したあとの企業についてあれこれ出てきます。しかし重要なことは、物事が行き詰まる前に、そのような企業にはかかわらないことでしょう。そのような出発点で間違えている場合に、それが修正されてうまくいくなんて期待はできないからです。
経営者は、その商品・サービスを受け取る人の幸せについて語ることができるか、その商品・サービスを提供する社員の幸せについて語れるか。
もし、それを語れないのであれば、相当割り引いて考えた方がよいのではないかと、私は思う。それが世の中に送り出されることで、人々を幸せにしていかなければならないと思う。だれにとってどのようにうれしいかを本気で考えぬかなくてはならない。
プログラミング情報のサイトでこのことを述べる理由は、実現するサービスがだれにとってどのように嬉しくて、どのような社会的な価値があるものを作っていけるかどうかが大事だからと考えるからです。
上司となる人物がわかるのならば、決定する前にあっておくのがよい。
組織では、どのように物事を決定し、それを進めていくのか。その部分はあなたの仕事の進め方に直接的に影響します。
あなたが物事を考えて進めていくうえで自由度はどれくらいあるのかが大切です。
部署間の垣根が大きくて、上司が権力的な場合には、できることは限られてしまいます。
何を開発するのかといった提案もできず、上からの命令に従わされることが多い。
このような仕組みを導入すれば、開発がうまく進みますと言っても、無視し続ける人もいます。
そのような場合にも、あなたの力は発揮できなくなります。
「何も関与せずほっておいてくれたほうが、どれだけマシかわからない」という状況さえありえます。
ですから、上司となりそうな人物に会える場合には、あってから最終判断をすることです。
できるなら、将来の同僚と話をしてから、入社を決めたほうがよい。
- その組織にいて自分をダメにしてしまうのか、自分を高めることができるのか
- その組織にいて和やかにやれるのか、閉鎖的な状況で行き詰まってしまうのか
そういった状況を左右するのは、将来の同僚です。あるいは将来の同僚が置かれている状況です。
それを知ってから入社を決めたほうがよいです。
その分野も問題に取り組むのに適した資質を持っている人が集まって、自分事として問題に取り組んでいけば成功の可能性は高まる。
こうすれば必ず成功するなんて方法は世の中にありません。でも、成功しやすくする方法は何かしらあります。成功しやすくする方法を積み重ねていくことです。