以下の内容は、個人の見解であって、予想が外れるものと承知しておいてください。あるいは、既に自明だよという内容ばかりだと思いますが、個人のざれごととしてお許しください。
ドローン界の巨人
ドローンの必須技術を全て自前で調達できるのは、ドローン界の巨人だけである。
ドローンを構成するハードウェアは部品の標準化が進むしかない。
十分な数の部品の生産は互換性が必須である。故障したときに修理するための部品の調達を楽にするためにも標準化はある程度進む。
- 使用するモータの種類・電圧・電流・駆動方式。基板が同じままモーターをある程度は取り替えられるようになる。モータひとつとっても、雨の中に耐える防水性を持たせるには、放熱との両立もあり、バランスのとれた設計が必要。
既存の標準に盲目的に従うか、既存の標準を育て上げるか、新しい標準を作り上げるか?
既存の標準を標準に盲目的に従うよりは、既存の標準を育て上げるか、新しい標準を作り上げるようでありたい。
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ESC (エレクトロニック・スピード・コントローラー)
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姿勢制御に用いられるセンサの標準化(加速度センサ)
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GPSセンサ
ドローン本体の多様性
ドローンの用途によって、必要な積載可能量が違ってくる
積載可能量と運用可能時間によってドローンの本体の種別は残り続ける。
8K撮影機材、農薬の散布機材はペイロードとして標準的なインタフェースで取り付けられることになるだろう(もし可能ならば)。
あるいは、ドローンのソフトウェアは標準的なオープンソースであって、ハードウェアをカスタマイズ可能な方式で開発することでそれぞれの用途に特化したドローンが開発されるかもしれない。
ペイロードによる多様性を実現するための拡張性への標準化が必須である。
ドローンの用途ごとの特殊なノウハウはそれぞれに生じる。そのため、何をドローンに積むのかは多様な分布を持つだろう。
- インフラ点検(高解像度のカメラ)
高解像度のカメラを活かすためには、ドローンの姿勢の安定性、動きに起因するブレの除去技術 - 農業用ドローン(農薬散布)
ドローンはプロトコールの標準化が必須である。
・ドローン自体を制御する部分
・ドローンと地上との通信
- Mavlink
MAVLink Micro Air Vehicle Protocol(https://github.com/mavlink)
- UAVCAN
UAVCANはCANというバス通信規格にのっとったUAV(無人航空機)用の通信規格です
http://uavcan.org/
https://github.com/uavcan
ドローンは、今後とも、リアルタイム性を重視するため、リアルタイム性の高いOSと、汎用性の高いOSとの2重構造になる。
実用性重視のシステムは今後とも。これは携帯電話や監視カメラなどリアルタイム性と汎用性の高さとの両方を要求されているシステムがOSを2種類動作させている仕組みのままになっていることから推測する。
電力消費量あたりの演算性能の高さが要求される。
開発速度と少数生産可能な開発スタイルが要求される(ただしドローン界の巨人は除く)
マルチコアCPUよりもFPGA。
マルチコアCPU・GPUによる動作検証→FPGA化
電力消費量あたりの演算性能の高さが要求される。ただし
ただし、動力の必要とする電力に比べれば
CPUやGPUの消費電力は限られるので、
FPGA化のメリットは限定的になるだろう。
リアルタイムに処理できるか、処理できないかの差は大きい。
制御に反映させるための画像計測・認識・ライダー計測・レーザ計測は、リアルタイムで処理
できなくては意味がない。
マルチコア・GPGPUでも処理能力が足りなければFPGAを使うべき。
ソフトウェア版と互換性のあるFPGA実装。
画像関係のFPGAライブラリが、OpenCVと互換インタフェースで開発されている。
それと同じように、ドローンの処理のFPGA化でもソフトウェア版との互換性は重視されるはず。
FPGA化するのは、演算量のボトルネックになっている部分だけ、
通常の演算部分はCPU・GPUベースで残る。
ドローンで必須のアルゴリズムが十分に判明して枯れた技術になれば
LSI化する可能性は高い。(当面それができるのは巨人だけ)
今の時点では、そのアルゴリズムが本当に有効なのかについて十分に検証が及んでいない可能性が高く、
早急なLSI化は危険である。
(LSIが出来る頃にはアルゴリズムが陳腐化してる。)
安全性の高い自律飛行を実現するには
- 工夫のポイントは何か?
- 機体が変わっても、自律飛行のアルゴリズムが安定に動作させることができる機体制御。
- 自律飛行するための周辺環境の認識が必要。
- SLAM
- 2016 年ドローン技術の現状と課題およびビジネス最前線
世界で勝負しないと、いずれ世界の標準につぶされてしまう。海外に販路を同時に獲得する努力をしなければならない。
日本の企業は、英語でのドキュメントが多数必要になるものでは成功は少ない(文系の怠慢?)
成功したことのある分野:
青色LED、フラッシュメモリ、walkman, ビデオデッキ、CD、DVD、デジタルカメラ、ゲームソフト、Ruby
十分成功していない分野:
CPU、システムLSI、高位合成ツール、携帯電話、ミドルウェア
ドローンの充電できる場所が広がることが長距離運用には必須。
ドローンの運用会社
ドローンの運用会社は、それぞれの業務分野でのノウハウを積み重ねて運用していく。
ドローンの運用会社は、ドローンの機体の本体開発にはのり出さないのが大半を占める。
何を実現するのか、何で社会を豊かにするのか?
既にある技術の転用そのものでいい。それによって社会が豊かになるものであれば。
ドローンの要素技術としての他のオープンソース
OpenCV github
ROS
蛇足:
文系の怠慢説について
- 理系の方が英語の論文を読む機会が多い。書く機会も多い(人による)。
- 理系の方が毎週書くべきレポートの数が多い。(実験の単位)
- 理系の方が、その分野の卒業生として期待される最低水準というのが明確にある。
- 理系の方が、事実と解釈とを区別するように指導されることが多い。
文系の場合
- 水準の高い研究室とそうでない研究室の違いが大きい。
- 数学不要で受験できる経済学部が存在する(主に私大)。統計や微分方程式も理解せずに経済をどう理解しようとするのだろう。
- 前提とする知識が少ない分野の卒論の説明と、前提とする知識が多く分野の卒論の説明では、伝えやすさに差がでるのは生じやすい。それを「コミュ力」というのは間違いだ。同じ内容を説明させて分かりやすさの差を比較しなければ意味がない。(例:外国人への銭湯の入り方の説明)