車載関係の物体検出を調査していて気がついたことがある。
そのことを述べようと思う。
検出の目的は、事故を未然に防ぐこと
- 安全な運転をするには、安全な運転者の注意の向け方をまねることが必要だ。
- 停車中のクルマがあったときには、そのクルマの先には、人が隠れているかもしれない。
- そういう可能性を検討して、人が出てきたときにも、安全に停止できるようにクルマの速度を落としている。
検出問題としてとらえてしまうと起こること
- 狭い意味の歩行者検出としてとらえてしまうと、明らかに人であることがわかってからの対応になってしまう。
- 十分に人であることがわかりやすい状況での検出率の評価に、評価の重みをおいてしまいやすい。
- クルマに隠れている状況から、半分人が見ていている状況での検出の評価データが少なくなってしまう。
- そこで急に人が出てきたら、どれくらいで止まりうるかを評価できない。
自車の走行に影響を与える人が隠れているかもしれない場所の検出問題
- 人が隠れているかもしれない場所
- 人が隠れているかもしれない場所への距離
- 人が隠れているかもしれない場所への到達時間(=衝突予想時間)
- 「かもしれない」運転
- おそらくは、カメラ画像から距離を推定し、距離の不連続箇所から、そこに人が出てくるかもしれないという場所という候補をつける。
- 動画のシーケンスで、実際に人が出てきたかどうかは重要ではない。
- そこから人が出てきうるかどうかを判断することである。
付記
- 自動運転の見返りが期待しやすい自動車専用道路での自動運転にだけ注力しすぎると、人がいる分野での基礎的な技術の開発がないがしろになって、技術的な部分を他社に特許でがんじがらめにさせられてしまう可能性があることに注意しなくてはならない。