業務内容や要求する技術水準が高いのに、年収の下限の値が低すぎると感じさせる求人がある。
それは求人上得策ではないことを伝えたい。
推測する状況
- その能力を満たす新卒が見つかったときに、その低い側の給与水準にしたい。
- 中途採用での前職の給与水準から、金額を積み増ししなくても応募してくれるならば、低めの金額にして要相談としておこうとなるのだろう。
- あるいは、スタートアップで、まだ利益がないので、賃金を抑制しなくちゃならない。
そういう理由のため、業務内容に比べて年収の下限が低い求人条件となるだろうと思う。
その分野の専門能力を持つ人が、必須条件をみて判断するしたとき
- 「十分な能力を持つ院卒の学生が入社しても、他のふつうの学生と同じ待遇しかしないんだろうな」
- 「入社年度の先輩・後輩を意識したチーム運営をするんだろうな。」
- 「そうすると、その分野の専門知識があっても、先輩をたてるやりかたをするんだろうな」
- 「そして、昇給はそんなに期待できないだろうな」
専門性を評価してもらえなんだなあ。
中途採用だったら、〇〇◯の年収なのに、新卒だと安いんだからやってらねないよ。
さっさと経験積んだら、転職するのが良さそうだ。
という判断を招き寄せていないだろうか。
会社によっては、新卒でも高い年収水準
事例1
新卒エンジニア職の「給与 500万円以上」(残業代の有無は不明)
カンファレンスでの発表経験とあるので、その分野での専門性と能力を見ている。
事例2
これは、また別の会社の新卒の条件だ。
伸びている技術分野で、人こそが重要であることをわかっている会社での採用条件だ。
会社によっては、新卒・中途採用の区別のない求人
採用のための条件が厳しいが、採用後の年収は600万円以上になっていたりする。
新卒だから、入社したあとに、半年の研修をして配属などという時代とは変わっている。
こういう分野で採用されたければ、学部や大学院での研究内容を選ぶ必要がある。
何が起こっていると推測するか
その技術分野での新卒の院生
- 専門性を考慮しない一括採用の大企業は、就職先の候補から外している。
想定している採用後の状況(一括採用の大企業):
- 目的の分野に配属されるとは限らない。
- 配属先にいる人も、その分野のこと知らなすぎる。
- でも権限だけは持っていて、自分たちに任してくれない。
- 成果出しても、昇給幅の上限は決まっているから、いつまで立っても給料の水準は上がらない。
- 数年後の自分の未来を描けなくなる。
想定している採用後の状況(機械学習分野の求人の特化型の採用の場合)
- まず、新卒の院生でも、優秀な開発のできる人を見抜こうとしている。
- 開発の中身が魅力的である。
- 組織は、その技術分野がわかる人にあふれていて、技術的な話題が楽しい。
- 組織運営は比較的フラット(あるいはとてもフラット)である。
- 事業としての成功はこれからだが、力いっぱいやるだけのことをやればいい。
「大学での研究なんて大したことない」
「大学での研究なんて大したことない」とか偉そうに言っている人は、それ以上の成果をあげているだろうか。
レベルの高い研究をしている人たちがいることを知ったうえで言っているだろうか。
あなたの事業分野で、その成果がそのまま役立たないのは、しかたがない。
ちゃんとしたデータとの向き合い方をしたうえで、
研究をやり遂げ、開発をやり遂げられる人間になるには
どれだけ努力が必要かわかるだろう。
必要なのは、抱える課題を一緒に解決していく方法を見つけること
人を採用するときは、抱える課題を一緒に解決していく方法を、その人と一緒に見つけられるかということが一番の課題である。
そのためには、なぜ人を中途採用しようと考えるのか
何を一緒になって取り組んでもらいたいのか
それを伝え、応募者が、それに対する自分が何ができそうかを伝えてすり合わせていくものである。
まとめ
- 採用活動を行なっている方々は、その採用での下限の年収を上げるように、社内で提案してくださることを希望します。
- そうすれば、能力の高い人が集まりやすくなると私は考えています。