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SDKがオープンソース化したステレオカメラが市販されている

Last updated at Posted at 2017-09-16

 画像認識分野の開発速度の進展は激しい。

OpenCVがもたらしたもの

 OpenCVに代表されるオープンソースは、画像認識技術を開発し続けることができる限られた組織のものから画像認識を使いこなそうとする個人(企業の中で働く人も含む)のものへ変えてしまった、
 そして、多数の人々の手でメンテナンスされて最適化されていることは、ある時点での企業の開発済みコードをどんどん陳腐化させる力となっている。
 企業の中の個人の場合も、所属部署を離れると同じ会社の中でさえ(それが自分ひとりで開発したものであっても)所属部署で開発したソースコードを利用できなくなるのが大半だろう。そのため、企業での開発コードも陳腐化のリスクを持ち続けている。
 そういった状況の中で、オープンソースというのは、職業人としてのソフトウェア技術者を、ソフトウェアを開発し続けることができる自由をもたらしていると言えるのだろう。

OpenCVと同等以上でなければ意味がない。

 ステレオ計測は、古くからある画像技術の一つだ。独自開発するならば、OpenCVにあるコードよりも性能がなくては意味がない。OpenCVがGPU対応していることや、OpenCV互換のライブラリがFPGA対応していることも考量に入れよう。

 そのような状況においてステレオカメラモジュールを作って販売するには、既存のOpenCVと同等以上の性能と使いやすさを提供しない意味を成さない。

OpenCVと同等以上の移植性、ターゲットデバイスでの最適化のしやすさが求められる。

 Windows、Linux(PC, Arm)、など複数のターゲットで動作することもOpenCVと同等以上を求める上で必要になってくる。
 さらには、ターゲットデバイスに固有の最適化ができることも必要になってくる。
 そうすると、ステレオ計測のソースコードのオープンソース化というのが、自然な延長線上に見えてくる。

オープンソース化することでステレオカメラハードウェアの利用可能性を高める

ソースコードをオープンソース化することで、WindowsのOSのバージョンが変わっても、ステレオカメラハードウェアが利用できなくなるというリスクは小さくなる。ARM系のCPUでのGPUを含む最適化の可能性などがステレオカメラハードウェアの利用者側の力次第でいくらでも可能性がでてくる。例えばRaspberryPiのGPUを数値計算のためのGPUとして活用することとか、ZYNQデバイスのFPGAを利用してステレオ計算を高速化するなど、利用者の力次第で可能性は変わってくる。

SDKをオープンソース化したステレオカメラモジュール

SDKのオープンソース化
(MIT License)
http://ovrvision.com/

image.png

利益の源泉は他社に追随させないハードウェアへ

これらの結果、利益の源泉は他社が容易に追随できないハードウェア、またこれらを組み合わせたシステムになる。
ソフトウェアで収益を上げようとする企業は、そのソフトウェアの手法が、他者によってオープン化可能性があることを念頭に戦略を組む必要がある。

この企業の場合
「ARやVRと組み合わせて使うことを前提としたステレオカメラ」という点に強い独自性がある。
そのハードウェアの利用を拡大して、他社が容易に追随できないハードウェア、またこれらを組み合わせたシステムの分野で利益を上げようとしているのだろうと推測する。

サポートしているOS、言語、ライブラリの幅が広い。
これならば、気に入った開発のしやすいOS・ライブラリで作っておいてから、Unityのゲーム化することも可能だろう。

参考
USB3.0 カメラについて調査中
市販 Stereo Cameraについて調査中

追記:
ステレオ計測に対してパターン光を投影する場合には、受動的なステレオ計測と違ってきます。
受動的なステレオ計測の弱点を、パターン光によって補えるためです。
そのような可能性をいれこむ際には、OpenCVのライブラリそのままではなくて、更に追加のライブラリを必要とすることでしょう。

  • 被写体との距離
  • 視野角
  • 画素数
  • 奥行きの分解能
  • フレームレート
    の組み合わせで、どういう用途に対して価値をもつステレオカメラなのか、開発者はそれを明確にして開発することです。

参考情報
ROS How to Calibrate a Stereo Camera

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