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あなたのライバルは、あなたの味方でもある。ビジネスパートナーの利益も考えよう。

Last updated at Posted at 2020-07-10

あなたのライバルは、あなたの味方でもある。

あなたが、何か技術を開発して製品を販売して利益をあげようと思っているとしよう。

あなたの製品と直接競合する技術の開発をしているライバルは、あなたが利益を上げる上でじゃまなものと思っているかもしれない。

でも私は主張したい。
あなたのライバルは、あなたの味方だ。

理由

  • あなたとライバルとは、ともに共通の技術を利用していることがある。

    • その共通に利用している技術が進展することが、ともに成長につながる
    • その共通に利用している部品が、安定して供給され価格も安くなっていくことが、ともに成長につながる。
    • そういう意味で、あなたはライバルと利害を共通にしていることがある。
  • あなたとライバルは、ともに共通のお客様の期待を必要としている。

    • あなたが開発している製品は、だれかお客様の期待にそうものでなくてはならない。
    • そのような技術があること、それが実用になることをお客様に伝えなければ、だれもあなたの開発した技術・製品に気づいてくれることがない。
    • ユーザーは、代替手段のない技術は採用したがらない。
      • 例:AMDという代替手段があるからIntelのCPUを安心して選択できたというタイミングもあっただろう。
      • 例:FPGAがXilinx,Altera がともに共通に同様なサービスを提供していることで、ユーザーはそのサービスが十分に信頼できるものだと確信できた。
      • 例:表示パネルを採用するにあたって、代替品のない方式のものよりは、代替品を確保しやすい方式の方が採用されやすい。
    • ライバルがそれが実用になることを示してくれれば、もうひとつの別な実装もあって、それがもっといいものであることを伝えるのはあなたの実力次第だ。

職業的なプログラマである場合、ビジネスの成功が重要だ。そうしないと自分の安定した稼ぎを得ることができない。アルゴリズムの開発ができて、実装ができれば十分なわけではない。

そしてビジネスを成功させるには、あなたのビジネスが伸びると喜ぶ人がいなければならない。あなたの会社の製品やサービスのユーザーが、それらを購入してくれることはもちろんだ。

ここで言いたいのは、ビジネスパートナーとの関係だ。だからこの文章では、ビジネスパートナーと関係についての私見を述べたいと思う。

人によっては、ビジネスパートナーの利益を考えない場合がある。

  • 値切れるだけ値切ろうとする考え方
  • あいまいすぎる仕様での発注と度重なる仕様変更
  • 自分たちからの情報を出し惜しみしようとする。
  • 特に、自分たちが持っているノウハウをパートナーに分け与えようとしない。

しかし、そのようなやり方ではビジネスを成功させることができない(と私は思う)。

  • 値切れるだけ値切ろうとするのをやり過ぎると、ビジネスパートナーにとって、その仕事を引き受けるメリットがなくなる。

  • 仕事を引き受けるメリットがなくなったときに、相手先の開発者のモチベーションの低下を引き起こしてしまう。

  • あいまいすぎる仕様での発注と度重なる仕様変更は、パートナーに開発の苦難を強いることになる。もっとも開発に苦難はつきものだが、しなくてよい苦労はしないで済ませられるの越したことはない。

  • 発注側であるという傲慢のために理不尽な対応をしていれば、ビジネスパートナーの心を引き離してしまう。

  • その開発を成功させることで自分たちが成長できると思える開発をしたいはず。

  • あなたが持っている有意義な知見があれば、受注側の開発が格段に楽になる可能性がある。にもかかわらず、あなたの知見を出し惜しみすれば、それを利用できないことで開発側が苦労することになる。

  • 利用しないかもしれない技術での技術的な難しさを放置しないこと。使われることがわかっているものでは、それが使われたときに開発の努力が報われるとして努力を続けることができる。しかし、利用されるかどうかわからないらしく、開発の要件として十分整理されなくて、依頼主側は、そこに書かれている開発要件がどれだけ技術的に難易度が高くなる選択をしているのか理解してなければ、虚しく感じるだろう。

ビジネスパートナーにとっても(金銭以外の意味も含む)利益のある開発にするには

一緒に開発するビジネスパートナーには、開発をしやすくするための情報をどんどん提供しよう。

難しい開発をしているときは、開発を少しでも成功しやすくするノウハウが重要だ。ある種の工夫で、必要なデータの数が数分の1になることがあります。適切な前処理を施すことで、機械学習の精度が格段に向上することもあります。

難しい開発をしているときに、そのような知見を出し惜しみするとどうなるでしょう。あなたの知見をビジネスパートナーが採用すれば、必要なデータの数が数分の1になるのに、それを相手は採用できません。そのために少ないデータでは、必要な要件に達することができないということが起こりえます。それはあなたの会社が望んでいることでしょうか。

もちろん、ノウハウを自分の会社の中の秘密にしておきたいという考えがあるのも理解します。しかし、そのようなノウハウは、すぐに他のだれかも気づいていて割と当たり前のことになってしまうものです。また、技術の進展は、そんなささいなノウハウをすぐに無意味なレベルにしてしまうほど素早く進展しているのです。

パートナーには、パートナーのとして利益が重要です。金銭的な利益はもちろんですが、一緒に仕事をしていく中で双方の技術が成長していくような部分も大切なことです。

ビジネスパートナーにとって利益のある開発にすると、自分たちのが得をする。

  • パートナーにとっての利益を考えないと、自分たちの利益が引き出せ得ない。
  • その技術のプラットフォームが数年間あるいは10数年間にわたって継続するには、技術の利用者が自分たちの製品だけでは不足であって、同じプラットフォームを使う他のユーザーがあってこそ、その技術のプラットフォームは残ることができる。

例:プラズマディスプレイは、開発している企業が数社から1社になってしまった時点で、成功する仕組みを壊してしまった。

選択肢がない技術(製品)よりは選択肢のある技術(製品)を使いたい。
選択肢がなければ、相手の言い値で買うしかなくなってしまう。
選択肢がなければ、1社での生産能力が間に合わなければ、別の会社から調達することができない。
選択肢がなければ、競争が起こりにくく、技術の向上が期待できにくくなる。
選択肢が少なければ、そのプラットフォーム上でのビジネスをするよりは、選択肢の多いプレイヤーが多い方の陣営でビジネスをすること望むようになる。

パイオニアをプラズマディスプレイから徹底させてしまった時点で、パナソニックのプラズマディスプレイは、ビジネスの枠組みとして失敗してしまった。

  • 技術開発・製品開発をする際には、パートナーと自分たちの双方の利益が得られやすいように考えることが必須だ。
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