87
30

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

引きこもりで発達障害のアラフォーが未経験から完全在宅勤務Webエンジニアになったよ

Posted at

はじめに

タイトル通りですが、引きこもりで発達障害(ASD)があるアラフォーの私が
プログラミングの勉強を経て完全在宅勤務のWebエンジニアになりました。

大学中退、就職氷河期世代、正社員経験なし。

発達障害は生来のものですが、診断されたのは大人になってからです。
診断される前からなんとなく自覚があったため
中学時代あたりから「私には真っ当なサラリーマンとか無理だな」という漠然とした考えがあり、
大学を中退した後は自分に向いている仕事を探して
手当たり次第に色々な派遣やアルバイトをしていました。
写真店店員、テレオペ、通販会社、クリーニング、着ぐるみ製作、データ入力などなど。

どれもしっくりこないし長続きしないと悩んでいたら発達障害と診断され、
障害者雇用枠で事務系の仕事を始めましたが、仕事内容は単純な入力作業や郵便物の仕分け。
障害者雇用枠の仕事は軽作業や単純労働、低賃金のものばかりでした。

エンジニアを目指したきっかけ

在宅勤務をしたいから

前職、障害者雇用枠で働いていた時、職場の人に嫌味を言われていた最中に軽い眩暈がし、
気づいたらチック症を発症していました。
チック症とは、本人の意思とは関係なしに体が動いてしまう症状のことです。
発達障害との関係は不明ですが、併発している人もいます。

チック症の症状は人によって異なります。
私の場合はまばたき、鼻を啜る、音声チックがあります。
まばたきや鼻啜りはそれほど目立たない症状です。問題は音声です。
自分ではコントロールできないけど何かブツブツ言ってしまう。
これが本当に辛くて、道端ですれ違う人にひどいことを言われるのもそう珍しくありません。
発症してからは人を遠ざけるようになり、前職を退職し、引きこもるようになりました。

数年間無気力でネガティブな日々を送っていたある日、
「IT業界ではリモートワークができる」のような話を耳にしました。
人と会うのは苦痛だけど、完全在宅の仕事なら何とかなるかも?と
引きこもりから社会復帰することを第一目標として
在宅勤務が出来るチャンスが増えるならとエンジニア職に興味を持ちました。

ニューロダイバーシティに興味を持ったから

ニューロダイバーシティとは、直訳すると「神経多様性」で
発達障害を人間の多様で自然な進化の一部として捉えようとする考え方です。

最近ではそれが転じて発達障害人材の特性を活かした
雇用を創出しようとする運動のことも指します。
中でも発達障害人材をITエンジニアとして活用することに注目が高まりつつあります。
最初は海外で言われ始め、日本では今年度から経済産業省が推進を始めています。

海外で自分と同じような人たちがエンジニアとして活躍していることに興味を持ちました。

プログラミングの勉強を始める

しかし、プログラミングの勉強といっても何をやったらいいのか分からない。
そんな時、引きこもり支援のメールマガジンで
プログラミング学習ができる就労移行支援事業所のことを知りました。

就労移行支援に行く

就労移行支援事業所とは、主に障害者手帳を持った人向けに就職支援をする場所です。
履歴書添削や面接練習など、就労に向けたトレーニングが主ですが
職業訓練のようなことをやっている事業所もあります。

本来なら職業訓練はおまけ要素ですが
近年、発達障害者の間でIT系への興味が高まっているのか
プログラミング学習ができることを売りとした事業所が増えてきました。
私が行ったのもそんな事業所でした。

習った内容はHTML,CSS,JavaScript,PHPです。
事業所独自のカリキュラムで、
以前に個人ホームページを独学で作成したことがあったため、スムーズに学習を進めることができました。

しかし、事業所のカリキュラムを終わらせても出来上がったのは
個人ホームページとそう変わらない内容。なんじゃこりゃ。
職業指導員さんに相談してもエンジニア経験がない人しかおらず、どうにもなりませんでした。
こんなのでエンジニアになれるわけないでしょう。
だったら、自分でなんとかするしかない!
プログラミングの独学を始めることにしました。

独学開始

同じ事業所に通っている他の利用者さんも独学で頑張っている人が多かったです。
事業所のカリキュラムはいまいちでしたけど、周りに独学者がいる環境はいい刺激になりました。
どんな勉強をしているか情報を交換したり、自分で調べたりして勉強方法を模索しました。

学習サイト

書籍

他にYoutubeや個人ブログでプログラミング関係のものを見て
真似してコードを書いたりしてました。

学習した内容はHTML、CSS、JavaScript、PHP、Python、Ruby、Java、Vue.js、
Wordpress、Laravel、Railsあたりです。
独学で何をやったらいいのかさっぱり分からなかったため
学習の方向性が定まらなくて迷走してました。

あとは、趣味の英語の勉強も続けました。

ポートフォリオ作成

未経験エンジニアの就職活動に重要とされるポートフォリオの作成に取り組みました。
これまでインプットメインの学習で、真似して書いてみることはあっても
成果物を作っていませんでした。

いざ自分で1から作るとなると最初は手が止まってしまい、
苦戦して完成まで数ヶ月かかりました。

ポートフォリオの内容はこれまで学んだことを紹介するWebサイトと
JavaScriptで作った簡単なゲーム、コーディング課題やWordpressのブログ、
それからPythonでRPAにようなものを作ってGithubに上げました。
学んできたことがごちゃごちゃになった統一感がないものが出来上がりましたが
成果物を最後まで自分の力で作り上げたことで自走力は身についたと思います。

就職活動

障害者雇用枠希望で就職活動を始めましたが
精神、発達障害向けの障害者雇用枠はやはり軽作業や事務系の仕事が多く、
求人を探す時点で難航しました。

段々とオープンポジションの仕事や単純労働以外の仕事も増えてきてはいます。
エンジニアの求人もあることにはありますが、そのほとんどが実務経験必須のものばかり。
さらに在宅勤務で探すと絶望的に少なかったです。

プログラミング学習が出来ると謳った就労移行支援事業所の中には
「IT業界は人手不足!だからあなたもプログラミングを学びましょう!」といった
宣伝文句で利用者を集めようとするところもあります。

しかし、実際の求人は未経験OKのものは少なく、求職者には厳しい現実が待っています。
人手不足すぎて未経験者を育てる余裕がない企業が多いからです。
プログラミング学習が出来る事業所が増えてきたからといっても、
求人がなければ就職できません。

私は就職活動を始めてからその厳しい現実を思い知りました。
これからプログラミング学習を始める方は
あらかじめ未経験OKの求人がどの程度のものなのか
事前に調べてから学習を始めることをお勧めします。

就職活動の結果

最終的にこのような企業に入社しました。

  • 障害者雇用枠
  • 非正規(パートタイム)
  • 完全在宅勤務
  • 時短勤務(週20時間以上)
  • 受託開発

引きこもりからの社会復帰が第一目標だったため、
無理せず続けていけるようにと時短勤務の条件を選びました。

40代で未経験からのエンジニア転職はやはり厳しかったです。
こちらの動画で言われている通り、非正規雇用で再スタートするのが背一杯でした。
https://www.youtube.com/watch?v=QCX4hZEOk_0

非正規ではありますが、希望の在宅勤務の仕事ができたことは良かったです。

入社決定後

面接時に「入社までにやった方がいいことはありますか?」と聞いたところ
「RailsとGitの勉強をして欲しい」と言われたので
入社までの1ヶ月ほどの間にその勉強をしました。

1ヶ月では全部終わり切ることが出来ず、Railsチュートリアルは完走できませんでした。
現在再チャレンジしてます。今度こそ完走したい。

最後に

Webエンジニアになってから1年ほど経ちました。
発達障害者の自分に仕事が合っているのかどうか未だに手探り状態ですが
エンジニアとして仕事を続けてきて、タスク管理や質問の仕方、伝え方など
プログラミング以外でも学ぶことが多く、今まで自分に足りていなかったものを吸収し
生活面でも充実してきたように感じます。

エンジニアの仕事は日々勉強で、辛さや厳しさもあります。
しかし、前職のスキルアップやキャリアアップ、昇給など全く望めず
単純作業ばかりで閉塞した環境と比べると
エンジニアの実務で得られる経験はためになり、とても充実しています。

前職ではよく職場の人たちが
「なんで障害者なんて雇ってるの」「補助金をもらえるからだよ」なんて話している場面が
よくありましたが(特にチック発症後)
今の会社ではそういうことがなく、感謝しています。

40代で再スタートするのは大変でしたが
この年で新しいことを始めて、
続けてこれていることは自分にとって大きな自信になっています。
これからも勉強を続けて、スキルアップしていきたいです。

87
30
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
87
30

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?