案外、こういった話を書く事がないな、と思ったのでせっかくだから言及してみる。
対象者
- 来年のアドベントカレンダーの完走賞を狙っている方
- モチベーションコントロールに課題を感じている方
- ネタがなくて困っている方
タイトルこそアドベントカレンダーの完走を目標としているが、これはアドカレ以外にも言えるかもしれないので、対象者でなくても一見の価値はあるかもしれない。
記事を毎日書き続けていると、嘘が書けなくなる
正直に言えば、25記事書かなければならないというルールに対して、最初の5記事ぐらいは頑張って嘘、とまでは言わないでもある程度ぼかしたり捻ったりしながら記事を書く事はできる。
要はバズ狙い記事などである。
が、書き続けるとなると別の話だ。
どんどんネタがなくなってくるのはもちろん、25日分の記事を書く事自体も苦痛になる。
筆者のアドベントカレンダーに登録している記事も投稿日を見て貰えばわかるが、1日1記事かけているか?というと時間がなくて下書き保存になってしまったり、公開予定時間(毎日7時)まで間に合わなくて投稿自体ができない記事があった。
去年は執筆時の作戦を間違えてしまって書くネタを忘れてしまったりしたぐらいだ。
後の方になってくると書くネタがなくなるので、普段ストックしていたテーマやその時に感じた話題を取り上げて急遽記事化するなんて事もある。
このカレンダーで言えば勉強会記事などは嘘偽りなくそのタイミングでしか書けないものである。
元々は受講生向けに研修終了後もインプット/アウトプットを続けなさい、と啓蒙するカレンダーにしようと思っていたが、それだけで25記事も書けない。
記事を書くというアウトプットをしながら、記事の内容についてインプットしたり、また別の記事ネタ自体もインプットするという膨大な処理をしなければならない事もある。
記事を書き続けると嘘が書けなくなる
もし完走賞をリアルタイムに書いて目指すのであれば、これを意識してほしい。
最も確実性が高い方法で完走賞を獲得するには?
ちょっと脱線するが「アドベントカレンダーを完走する」という目標を立てた時の対応を考えてみよう。
まず、アドベントカレンダーに参加して完走賞を獲得するためには、記事を25記事用意しなければならない。
逆に言えば、たったそれだけである。
ならば、毎年12月までに25記事用意すれば簡単に達成する事ができる。
で、毎年コンスタントに25記事書く事を考えた場合、毎月2記事ずつ書けば最も無理なく続けられるのではなかろうか。
12月に入ってからネタを選定し本文を考え、毎日アップロードするという作業は思っている以上に辛い。
ズルをするなら1記事あたりのボリュームを減らしたり、よくあるメディアのようにページ数を増やすためにコンテンツを分割してみたり、という方法もなくはないが、それは良質なコンテンツと言えるだろうか?
当たり前だが、ただ記事を書けば良いというわけではない事は忘れないようにしよう。
誰にも読まれない、コメントも期待しない
自分が何かしらのアウトプットをした時、ユーザーからのフィードバックに期待したくなる気持ちはすごくよくわかる。
が、ユーザーの反応を気にしながら記事を書くと、コメントがもらえない事が分かると記事を書くモチベーションが保てなくなるためおすすめしない。
それならば、最初からユーザーフィードバックには期待しないようにする。
筆者などは過激派で、コメントがあると内容は別として嬉しくなるが、完走するまではいったんコメントも見ないし、ましてやSNSなどでエゴサもしない事を徹底している。
誰かが反応したという事を知ると、そちらが気になってしまうためだ。
こう書くと、ただ寂しい人のように見えてしまうが、案外自分の周囲に対して一度完全に興味を失ってしまう(ある意味、精神的SNS断ちをしてみる)というのもモチベーションを平易に保つために必要かもしれない。
モチベーション管理というと、低い状態が良くなく高い状態が望ましいように捉えがちだが、高くもなく低くもない状態を維持する方が継続性という観点では重要だと筆者は考えている。
執筆時のルーティーンを守る
このルーティーンが結構重要で、「やるぞ!」と思った時に集中力を継続させるために集中してるぞというサインを自らに発信し続けるのもポイントだと考えている。
たとえば、特定のお香やアロマ、作業用BGMもしくは決まった作業環境に身を置く事も良いだろう。
また、高い集中力を維持するよりは、多少の息抜きなどで集中を継続させる(途切れさせる要因を徹底的に排除する)事が重要なので、子供が寝静まった頃や電話が掛かってこない夜などは最適と言える。
また、時期的に冬場でとても寒いので、足元を冷やしたり長時間同じ体制で体が固くなりやすいので適度にほぐせる状態などが良い。
あとは個々人の考え方だが、時間を区切ってやるのか、時間を決めずに手が止まるまで作業を続けるのか、効果が持続しやすい方を選んで進めるのが良い。
完走賞のその先を考える
これはアドベントカレンダー寄稿だけに限らず、何でもそうだが、完成をゴールにするよりは、ゴールを達成した後にどうするか、どうしたいかを目標にした方がうまくいく事が多い。
就活なんかは分かりやすいが「就職すること」をゴールにする就活生のモチベーションと「就職した後にやりたい事」を目標にする就活生では面接の様子などが明確に違うという経験をする事がある。
面談面接に限らず、学生の勉強やコーチング時も同様で「勉強する事」をゴールにするよりは「学んだ内容を活かす」事をゴールにした方がモチベーションが継続されやすい。
たとえば、筆者はアドベントカレンダー執筆自体が一年の作業の棚卸しや教材開発・ナレッジ整理の意味を持っているが、完走した後に「こういう記事を書いています」という形で実績をアピールする用途で使ったり、記事を投稿する事でアクティビティ計測サイト(wakatimeなど)で活動記録を残す事ができる。
また、登壇時に記事を使ってネクストアクションを促したりする方法などで多岐に渡り活用できている。
記事を書いた後に「こうやって使おう」となれば理想だが、「こういう使い方もできるな」とストックする事で後々に自分を助ける事になるケースもある。
また、アクティビティ計測サイトの一部で求人やスカウト向けに個人開発をしている事を主張する方法もある。
エンジニアのアクティビティ計測ならGitHubを使うのが最も手っ取り早いが、合わせて何をやったか、何時間やったのかという情報を添えられるとより説得力やエンジニアライクなテーマで盛り上がる事ができるだろう。
アドベントカレンダーを完走しなくても得られるメリットを確認する
これは人によりけり。
そのため、具体的に何かは言及できないが、筆者のケースだと上述までの通りである。
重要なのは「完走できなくていい」と自らを認める事だ。
もちろん、完走賞を目指す以上は少なくとも25記事分は書いて当然だが、完走賞を目指しても完走できないケースの方が多いぐらいだと思う。
完走できなかったからといって卑下したり落ち込んだりするのではなく、来年に向けての対策を講じつつ、今年分書けた内容分だけでも振り返りついでに固めておくと良い。
ネタが尽きたのなら、来年こそは記事ネタぐらいは埋まるように密度を高めて目標計画を策定するなど、対策を講じる事もできるだろう。
時間がなかったなら、なぜ時間が足りなくなってしまったのかを反省し、来年に活かせば良い。
実際、2022年(執筆時点での去年)は投稿こそ埋めたものの、とても完走と言い難い状況になってしまった。
当時の悔しさをバネに2023年分はしっかりと新記事だけを使ったり、当日書ききれなくても先日分の記事が下書きだろうが当日分を最優先に書くという運用をする事で、ストックを貯めてでもネタを守るという事を意識した。
あくまで筆者の一例だが、参考にしてみてほしい。
継続しよう
アドベントカレンダーに限らず、アドベントカレンダー終了後もぜひ続けてほしい。
12月は意識的に記事を書くようにするだろうが、1月以降に燃え尽きて記事を書かなくなってしまうのはとても勿体ない。
媒体もQiitaである必要はないと個人的には考えている。書きやすいプラットフォームでアウトプットをする方が気楽だろう。
特にエンジニアやプログラミングに関連する記事であるという利用規約(制限・ルール)を考えると日常ネタのなんと書きやすいことか!
たとえば今ハマっているゲームや遊び方のコツ・攻略のポイントなどもまとめて記事化してみたり、と言った事もできる。
記事を書く息抜きに別の記事を書くのは大いに有りだ。
書いた内容はどうあれ、書き続けるという事は習慣化するとインプットの質も高まってくるだろう。