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それなりに業界経験を積んできたエンジニアおじさんの筆者が真面目に考える課題意識と解決の提案のはずだったが、書き終わってみるとただの愚痴になってしまっている感が否めないので閲覧時は要注意。

まず前提として、「エンジニア業界に限り」報酬や業務内容(スキルアップ・得意領域など)を考える事ができる事が多い。
が、エンジニア職が長いと非エンジニア界隈の現場でビックリするような事が日常茶飯事的に行われている事に気付けない事がある(例:筆者)ため、注意喚起と啓蒙のため記す。

対象者

  • エンジニア経験が長く「なってしまった」方
  • 平日以外の勤務が常態化している業界にいない方
  • アルバイト・パート経験がない、ブランクが長い方
    • 事務やIT派遣は含まない

発端

ありがたいことに、今年は筆者の環境で年末年始が長くなり、自由な時間が多くなった。
今まではスキマ時間に勉強会に参加したり来年の業務計画を練ったり、この時期だと確定申告に備えて準備をし始めるのだが、これらの雑務をこなしても時間ができる状態である。
1月の業務を前倒しで進めるのが業務的思考だが、せっかくの(拘束や制限のない)自由時間なので、システム開発や指導でクライアントの業務支援プロジェクトで構築したシステムがどのように運用されているか、システムユーザー目線を経験するのも重要だと考えたため、年末年始にアルバイトをさせていただくことにした。

対象業界・企業は以下

  • 大手飲食チェーン店
  • コンビニ
  • 交通雑踏警備会社
  • 介護
  • ライン工

利用ツールは以下

  • タイミー(日雇い)
  • 直接雇用(年末年始のアルバイト)
  • 仲介エージェント

期間は早ければ11月〜遅くとも1月いっぱいまで(執筆時点では折り返し地点であるため、調査中)と、従事期間にズレがある事にご留意いただきたい。
また、利用ツールやこれらの差異については言及しない。


人材不足の考え方

筆者は長らくIT研修が長かったため、人材不足=特定業務の推進役が不在と認識していた。
というのも、エンジニア希望者は(報酬なり自由な働き方などで)決して少なくなく、エンジニアとして活躍される方が少ないという状態だったため、単純に適正や能力不足で多くのエンジニア志望者に接しすぎていたためだろう。
そのため、人材不足という言葉を誤解を恐れずに言えば侮っていた。

また、もう15年以上も昔の話だが、筆者のバイト・労働派遣時代は希望シフトを多く出しても実際に入ったのは週2~3とかもザラだったので、その頃の経験のまま「とりあえず空いてる時間を出しとけ」というアドバイスにそのまま従ってしまったのだ。
その結果、初勤務日を含め希望した日を全て出勤扱いにされてしまうという大失態をやらかしてしまった。
これを、特に直接雇用と全ての仲介エージェントでやってしまったので、本業も合わせて投稿時点で34連勤という結果になってしまった。[^1]

働きすぎは良くないが、希望日を出してもシフトが入らないだろうとタカを括れない時代になってしまったことを痛感した。
我々エンジニア界隈での人材不足とは意味が異なり、本当の意味(新人でもいいから入ってくれ)で人手不足を感じる結果となった。

人「財」と人「材」と人「手」

以下事由により、本項で「人材」と「人手」を定義していく。

考え方によっては差別的思想と捉える事ができてしまうため、人財についてはここでは言及しないが、閲覧時には十分に注意されたい。

エンジニア界隈においては、たとえばプロジェクトなどで1人月という単位で工数を評価する事がある。
この想定されている人物像が厄介で、言葉を選ばずに言えば人海戦術でかき集めた人手は一人月として評価されないのだ。
できない人が100人集まろうが、できる人1人に相当しないのである。

人月という言葉だけに対して言及すると、できる人1人が百ヶ月稼働すれば100人月だし、できる人100人を集めて一ヶ月稼働させても100人月となる。
が、実際のケースでは何人できる人を集めて頑張っても一ヶ月で終わらせられない業務は多く存在する(システム開発とは、プログラムを書いてテストをすれば終わるというものでないし、開発中のシステムをテストすることは難しい)ため、人月至上主義は危険な計算方法であることも認識しておこう。

定着率の低さも課題

人手不足について、メディアでは新しい人が入ってこないと嘆かれる事が多いが、実際に人手不足の業界に入ってみるとオンボーディングが適当すぎて新人の忍耐力が試されるような慣習がいまだに続いている事に驚いた。
IT業界勤務(プログラマー・コンサルタント)は家に帰れないのが常態化していた時代12もあるにはあったが、全体として改善していった事もあり新人が家に帰れないとか、まともな研修を受けられなくて仕事ができないという問題も解消に向かっていった。

が、特に介護は個人的には経営サイドがITを入れようとして解決を目指している印象を受けていただけに、現場でITツールの使用を拒否しているような言動があったのは非常に残念だった。
同じ事が建築業界や現場系HRオペレーターにもあり、神Excel至上主義が横行しているのはただただ閉口するばかりである。
おそらく業界の慣習なのだろうが、「業務を変えずにシステムが合わせるべき」という思想が現場に根強く残っており、システム開発者サイドからの改善が難しい界隈はリーダーだけでなく現場メンバー全体の見解である事が、これでもかというぐらいによく分かってしまった。
筆者はIT業界サイド、またコンサルタント視点でしかこういった現場を評価してこなかったのでムダなことを頑張ってやってるんだな、と内心思っていたわけだが、筆者が評してきたムダな事を頑張ってやる事を生き甲斐にしている人間が現場を回しているという事を気にしていなかった事が気付きとなった。

ここでは現状の良し悪しについて言及はしない。

全ての業界でオンボーディング施策の重要性を見直されたい

あえて強い言葉にした。本項では「研修効果がないのに、研修をする事が目的になっている」という状態へのアンチテーゼとしたい。
特にオンボーディングの人間として気付いたのが、研修は理解をして実務で活かせてナンボというKPIを立てて研修計画を練るものだが、そんなものは一切ないという状況だった。
特にひどいのが「研修しても分からない事が多いので現場で学んでください」と研修者が発言したという事実で、しかも結構な数の人間が言っているのだ。
正直、研修を受けていて「そんな研修の仕方や考え方なら研修自体いらなくね?」と思っていたわけで、実際に現場に出てみると研修の内容などほとんど役に立たず、なんなら研修で教わった内容を忠実に守っていると「お前はやる気があるのか」と怒鳴られる始末である。

おそらく、研修自体もだいぶ昔の内容をそのまま慣習的に続けていて、最新の知見や実態がカリキュラムに含まれていないことと、たとえば社内でやり方を共通化しようとしてうまく浸透できていない、または現場から強い反発3があり実現できない事など課題が多く散見された。

こんな事をしていては何人採用しようが人材不足を解消できるわけがない。(と筆者は思う)
が、現場自体は変えようがないので採用を増やすよりは、過去のデータから定着率が高い層を見極めて面接に組み込んだ方が採用コスト(研修リソースも含めて)を見直せるだろう。

相手への尊重が欠落している

少なくとも、話題に上げた人と、話題となっている人の間で信頼関係が成立しているなら分からなくもないが、関係性が分からない上でそういった意識を感じられなかったため言及するものである。

まず、この課題は世代ごとの考え方の違いが如実に出てくるためすぐに変革する事は難しい、という前提とする。
現場で強い権限や裁量を持っているのがいわゆる長老・お局さまであるケースである。
昨今は若い経営者(20代のバイト店長や30〜40代のビジネスオーナー)も増えてきたため、権力に従う文化が根強いシニア層も理解?を示されているように思う。

逆に、若手層が多い現場だと日常会話がディスり合いになるようだ。
新人のおじさんとしては話題の人間がいない場で職場の人間やお客様を平気で笑いのネタにする風潮は非常に入りにくい上に「この人たちと一緒に仕事をすると陰口を叩かれるんだな」と思えてならないので、職場に長くいたいとは思えない。
ある意味、この職場ではディスり合いがコミュニケーション(職場文化)なので変革は非常に難しいだろう。仕事中は私語禁止のルールがあるのでやりようはあっても、休憩時間での会話内容は制限できない。
これは若手層だからという問題ではないと思うが、一度でもこういった文化が出来てしまった事で新規参入が居づらくなる空気を作ってしまうのは問題と捉えるべきだろう。
特に経営層も若手だと問題と思わないのかもしれないが、職場は友人間のコミュニティとはまた違う場であるべきという意見に同調したくなった。

なお、IT業界の若手コミュニティでも多少のネガティブキャンペーンはあるが、相手への敬意は感じられるのである程度の自制が働いているように思う。

新規のフォローアップは素晴らしい

会社として新人の質問やオンボーディングは徹底周知しているためか、あるいは結果として新人に仕事を任せると、自分一人でやるよりも大変になるという事は認識されているのか、フォローアップへの意識はどの業界も高いようだ。
各業界ともにアルバイト1社、関連業種はタイミーでの見解であるため参考にするのは危険だが、現場が新人にOJTは慣れているのかもしれない。

従業員エンゲージメントは必要か?

必要の立場で考えている。

社員レベルだと必要、経営層も高い素養がある人物を採用したいという前提はあるだろうが、筆者の立場で恐縮だが私など所詮アルバイトである。
一応私自身も経営者という意識があり、経営のお手伝いをさせていただくコンサルタント経験などの立場からアルバイトとはいえ貢献できる部分はお手伝いしたいという思いはあれど、こういうケースは非常にレアケースであると認識した上で、アルバイトの非面接者の目的はお小遣い稼ぎや生活費のためである方が圧倒的だろう。
さて、こういった層に従業員エンゲージメントを高める施策が有意かどうか、という話をしたい。

まず結論から言うと、最初は向上心がなくても長く続けていくうちに愛着がわき、当事者意識も強くなってくるので最初から愛社精神を求めるのではなく、それぞれの従業員の愛社精神を徐々に育てていくのが重要になってくる。
そのため、従業員ごとの重視するポイントを会社として可能な限り提供できるように環境を整備し、難しい部分は対話を以て徐々に改善していく事を約束していく。
これはアルバイトではなく、若い世代(Z世代とかそういう意味ではなく、対応当時の若い世代)に共通する事かもしれない。
私見だが、私生活で重責を背負っている方ほど「辞められない」というプレッシャーから仕事(≒会社)への帰属意識が高まっていく印象がある。

ただし「自分の仕事量が多くなるから」という理由で周囲を統率・指南しようとする考え方もあるため、一概に「真面目」や「リーダーシップを発揮する」という事実だけで愛社精神と評価するのは危険である。
マネジメント・リーダー職は普段からポジティブなコミュニケーションを取る事を心がけたい。


報酬も大事。待遇も大事。それ以上に大事なのは人間関係

エンジニア職で希望条件を考える場合は、潜在的に人間関係を重視している可能性に気付きにくい可能性を考慮しておこう

たとえば、普段頻繁に顔をあわせる事がない上司やシフトや配置を調整すれば会うことのない同僚(先輩・後輩)、職場トラブル時にクライアントにモノを言える窓口担当者ならある程度は対処できそうだが、平日毎日顔を合わせざるを得ない環境になると、おそらく報酬や待遇を気にしている余裕はないだろう。

エンジニアだと人柄が良いのか当たりがあまり強くない(そもそも、積極的なコミュニケーションは不得手な方が多い)ので、人間関係で困ることは少ないのかもしれない。
しかし、あくまでも「少ない」だけで、優先順位としては人間関係であるという前提が隠れているかもしれない事は認識しておきたい。

注釈

  1. 【IT職は家に帰れない?】私の実感値も含めてかなり労働環境が改善されている。一部では残念ながらそういった案件(筆者は企業が悪いとは思っていない)があることも否めないが、こういった団体も改善されていくことを願う。

  2. 【ブラック企業という表現】昨今、差別表現への意識が高く、筆者も思想に部分的には共感したため本稿では避けた。が、なるべく「差別表現への強い意識による言葉狩り」が行き過ぎないようにしたいものである。(いわゆるツイッター・Xなどの言葉狩り行為など)

  3. 【現場からの強い反発の例】「研修でどう教わったか知らないが、この現場では俺がルールだ」=本業務は請負契約なのだが、これは現場責任者の方の発言であり、請負会社の担当者(契約社員)からは現場に従ってくれという指示まで出ている。これは指揮命令権が発注者にあるので偽装請負では?と思うがこれが実情である。

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