「ウェブ解析士 認定試験公式テキスト2019(第10版)」に準じています。
オウンドメディアにおける指標・計算式
ページビュー数
・ページの閲覧をカウント
・最もシンプルなカウント方法
・解析ツールの種類や閲覧環境の影響を比較的受けにくい
・測定方法、計算方法によるズレが最も少ない指標
・サイトの規模を示す指標
・媒体の集客力を示す指標(広告を出稿する際)
・ページのボリュームの比例するため、ページが多いポータルサイトなどは必然的にページビューすが多くなる
・大手ポータルサイトのページビュー数は月間数十億〜数百億になる
セッション数(訪問数・ビジット数・訪問回数)
・ウェブサイトにアクセスしたユーザーが、サイト内を閲覧し、離脱するまでの一連の行動
・実際の行動とウェブサイトにおける計測が一致しないことが多い
・一定時間(30分)ウェブサーバにリクエストがないと、セッション終了と判断される
・一定時間はアクセス解析ツールによって変更できる
・Adobe Analyticsでは「バーチャルレポートスイート機能」でセッションの定義を変更可能
新規セッション率
新規セッション率(%)=(新規ユーザーのセッション数÷全セッション数)✕100 |
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・全セッションのうち、初めて訪問したユーザーのセッション数の割合
・測定する時期によって変わる(測定期間以前に訪問したユーザーによるセッションはリピーターセッションと判断されるため)
ユニークページビュー数(ページセッション数・ページ別訪問数)
・同一セッション内で同一ページを複数回見ても、重複してカウントしないページビュー数
・ユニークページビュー数はセッション数よりも多くなる
ユーザー数(ユニークブラウザ数・訪問者数・ビジター数・ユニークユーザー数)
・一定期間にウェブサイトを訪れたユーザーの数
・人ではなく、端末・ブラウザ単位で測定
新規ユーザー率・リピーター率
新規ユーザー率:全ユーザーに占める新規ユーザー(New Visitor)の割合 |
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リピーター率:全ユーザーに占める再訪問によるユーザー(Returning Visitor)の割合 |
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・新規ユーザー率とリピーター率を合わせると100%になる
・解析ツールによって判断が異なるので注意が必要
・ネットショップ支援サービスとアクセス解析ツールは異なる方法で新規購入者とリピート購入者の情報を取得していることがある
・同じ「新規・リピート」という言葉を使っていても意味が異なる
直帰率(Bounce Rate)
サイト全体の直帰率(%)=(直帰数÷セッション数)✕100 |
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ページごとの直帰率(%)=(ページで直帰した数÷閲覧開始数)✕100 |
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加重直帰率=(Single Access ÷ Entry Pages)×(Page Views ÷ Total Page Views) |
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加重直帰率=(直帰セッション数 ÷ ランディングセッション数)×( 該当ページビュー数 ÷ サイト全体のページビュー数) |
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・サイトの入口となった1つのページだけを見て、他のページに移動せずにサイトから離脱した行動を指す
・入り口となった1つのページ=トップページやランディングページ
・離脱=ブラウザを閉じる、他のサイトに移動する
・1ページだけを見てはね返った状態
・直帰数=直帰したセッション数
離脱率
離脱率(%)=(離脱したページビュー数÷ページビュー数)✕100 |
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・ウェブサイト外への移動やブラウザを閉じるなど、サイトを離脱する行為やセッションが切れる行動を指す
・直帰は離脱に含まれる
・離脱数は該当ページにおけるページビュー数と離脱数の割合
・離脱率はページビュー数単位で計算
平均ページ滞在時間(Avg.Time on Page)
・該当メージに滞在した時間の平均を表す
平均セッション時間(平均サイト滞在時間・Avg.Session Duration)
・サイト内に滞在したセッション時間の平均
ページ/セッション(訪問別ページ数・平均ページビュー数)
ページ/セッション=ページビュー数÷セッション数 |
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・1回の訪問(セッション)あたりのページビュー数を指す
・ページ・パー・セッションと読む
・ウェブサイトに訪れたユーザーの興味関心度合いを表す指標
コンバージョン数(CV数)
・コンバージョン=転換
・ウェブサイトの運営目的を達成する、ユーザーが行う特定のアクション
・Conversionを略してCVともいう
・コンバージョンはウェブサイトの目的によって異なる
・ユーザーのどんなアクションが目的を達成したといえるか、定義しておく必要がある
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(%)=(コンバージョン数÷セッション数)✕100 |
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コンバージョン率(%)=(コンバージョン数÷クリック数)✕100 |
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・ウェブサイト全体のセッション数(クリック数)のうち、コンバージョンを達成した割合を指す
・Conversion Rateを略してCVRともいう
ヒット数
・ウェブページは、1つのHTMLファイルで表示していることは稀で、ほとんどのページは、複数の画像やファイルを組み合わせて表示されている
・ヒット数とは、ページに関連するファイルも全部まとめて、ウェブ解析ツールにデータを送信している数
・ロボットやクローラーのアクセスも、ヒット数としてカウントしている場合がある
・Googleアナリティクスでリンクのクリックなどを測定している場合、その数もヒット数としてカウントする
・サーバログ式のアクセス解析ツールでは、サーバが転送しようとしたファイル数としてヒット数をカウントする
・ユーザーの行動を表す指標として適切ではないため、マーケティングの解析にはほとんど用いられない
・Googleアナリティクスなどのソリューションでトラフィック量を調べる方法の1つ
・Googleアナリティクスでは「プロパティの設定画面」で確認できる
・Googleアナリティクスでは無料で使えるヒット数に上限がある
広告効果における指標・計算式
インプレッション数
・インターネット広告が表示された回数を示す
・imp、imps、表示回数ともいう
・広告が1ページに複数あれば、インプレッションは広告の数だけカウントする
・1つの掲載エリアで2種類の広告を掲載している場合:ページビュー数>インプレッション数
リーチ数
・広告を表示したユーザーの数を指す
・計測はユニークユーザー数単位
クリック数
・バナーやリンクをクリックした数を指す
・セッション単位でカウント
・セッションの中でバナー広告を複数回クリックした場合も、クリック数は1回とカウントする
広告費用
・広告にかかった費用を指す
・広告媒体や広告種類によって期間やインプレッションやクリックなど、課金方法が異なる
・インターネット広告では、インプレッション課金やクリック課金が一般的
CPM(Click Per Miile:インプレッション単価/Imp単価)
CPM(円)=(広告費÷インプレッション数)✕1000 |
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・広告掲載料金の単位の1つ
・インプレッション1000あたりの料金を表す
CTR(Click Through Rate:クリック率)
ウェブページ上に「広告が表示された回数」のうち、「広告がクリックされた回数」の割合
CTR(%)=(クリック数÷インプレッション数)✕100 |
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CTR(%)=(広告がクリックされた回数÷広告が表示された回数)✕100 |
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CPC(Cost Per Click:クリック単価/サイト訪問者獲得単価)
CPC(円)=広告費÷クリック数 |
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・広告の表示によって得られるユーザーのクリック1回あたりのコストを示す
・広告掲載後の効果測定時の指標
・PPC広告(Pay Per Click広告):クリック単価で買い付けができる広告を指す。リスティング広告(検索連動型広告)・一部ディスプレイ広告など
・どのくらい効率よくクリックを獲得できているかはCPCを比較して見極めることが可能
・多くのインターネットビジネスでは「クリック」=「利益」ではない
CPA(Cost Per Acquisition/Cost Per Action:顧客獲得単価)
CPA(円)=広告費÷コンバージョン数 |
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・コンバージョン(商品購入・会員登録など、利益に繋がる成果)を1件獲得するのにかかったコスト
・CPAを見ることで各施策の費用対効果が分かる
・より低コストでサイトの目的を達成するための施策を決定する上で参考になる指標
ROAS(Return On Ad Spend)
ROAS(%)=(売上÷広告費)✕100 |
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・広告の費用対効果を示す指標
・広告費用に対して得られた売上の割合
・広告出稿によってどのくらいの売上が伸びたか、を示す
・ROASを見ることで、各施策における広告費用に対する売上の貢献度が分かる
・より低コストで収益に貢献する施策を決定する上で参考になる指標
・ROASが100%以下の場合、広告費用>売上(リターンが0以下)
・ROASが100%以上かつROIがマイナス=施策は増益に寄与しなかったと判断できる
ROI(Return On Investment:投資収益率)
ROI(%)=(利益÷費用)✕100 |
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ROI(%)= {(売上ー費用)÷費用 } ✕100 |
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・企業が広告などに投下したコスト(投資)に対して、得られる効果(利益)の割合
・費用>利益の場合、ROIはマイナスになる(100%以下になる)
・ROIを見ることで、各施策における広告の投資に対する利益の貢献度が分かる
・より利益に貢献する施策を決定する上で参考になる指標
ソーシャルメディアに関する指標
リーチ数
・ソーシャルメディアの記事やアカウントを見た人の数
クリック数
・ソーシャルメディアの記事やアカウントで紹介したリンクや広告をクリックした数
いいね数
・ソーシャルメディアの記事やアカウントやウェブサイトにあるいいねボタンやリンクをクリックした数
・いいねを押した人は、そのカウントの記事が表示されやすくなる
・いいねボタン以外(超いいねボタン)を押したほうがその効果が高くなる
シェア数
・ソーシャルメディアの記事やアカウントやウェブサイトにあるシェアボタンを使って、その内容を自身のタイムラインなどで紹介した数
エンゲージメント数
・ユーザーが反応した(アクションした)数の総称
・いいね数+コメント数+シェア数+クリック数
エンゲージメント率
・リーチ数のうちエンゲージメントになった数
・エンゲージメント率(%)={(いいね+コメント+シェア+クリック数)÷投稿時点のリーチ数 }✕100
フォロワー数
視聴時間(Watch Time)
YouTubeで、チャンネルや動画が全ユーザーで合計何分再生したかの時間
視聴数(Views)
ユーザーが、YouTubeでチャンネルや動画を閲覧した回数
購読者
ユーザーが、YouTubeでそのチャンネルに登録している人数
ビジネスに関する指標
売上
売上=客単価×購買件数 |
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原価
広告収入
変動費
商品の販売数に応じてかかる費用。原価、送料など。
固定費
販売個数に関わらずかかる費用。人件費、家賃、システム費。
販売管理費(販管費)
固定費として計上。営業費、広告費が含まれる。
コンテンツ制作費
販管費として計上。ウェブサイト新規構築(固定費)、商品情報登録(変動費)が含まれる。
広告費
固定費として計上。アフィリエイトなどの特殊ケースは除く。
売上総利益(粗利)
売上から変動費を差し引いた金額。
営業利益
売上総利益(粗利)から固定費を差し引いた金額。営業外収支が加わり、経常利益となる。
イーコマースにおける指標・計算式
平均客単価
平均客単価=売上金額÷コンバージョン数 |
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売上
売上=平均客単価×コンバージョン数 |
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売上=客単価×サイト訪問者数×コンバージョン率 |
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LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)
LTV=購入1回あたりの平均購入額×年間平均購入回数×平均継続年数 |
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上限CPA
上限CPA=LTV×広告予算比率 |
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上限CPA=粗利×広告予算比率 |
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上限CPA=(LTV−LTV獲得の変動費)×広告予算比率 |
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リードジェネレーションサイトにおける指標・計算式
商談数
商談数=コンバージョン数×商談率 |
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受注数
受注数=商談数×受注率 |
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売上
売上=客単価×受注率×商談率×コンバージョン数 |
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売上=客単価×受注率×商談率×コンバージョン率×セッション数 |
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ROMI(Return of Marketing Investment/マーケティング投資回収率)
ROMI={(訪問者数×CVR×商談化率×成約率×客単価)− マーケティングコスト}÷ マーケティングコスト × 100 |
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アクティブユーザーモデルにおける指標・計算式
DAU(Daily Active User)
・1日あたりのアクティブ・ユーザー数
・短期的な成長を見る際に使用する指標
WAU(Weekly Active User)
・週間アクティブ・ユーザー数
・短期的な成長を見る際に使用する指標
MAU(Monthly Active User)
・月間アクティブ・ユーザー数
・中長期的な成長を見る際に使用する指標
DUB(Daily Unique Browsers)
1日あたりのアクティブ・ユニーク・ブラウザー数
MUB(Monthly Unique Browsers)
月間アクティブ・ユニーク・ブラウザー数
課金率
課金率=課金人数÷アクティブ・ユーザー数×100 |
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ARPPU(Average Revenue Per Paid User/平均課金単価)
イーコマースでは「平均購入単価」という
都度課金型の売上
都度課金型の売上=MAU×課金率×ARPPU |
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継続率(新規継続率)
100人が1日1日に使って、30人が1月8日に戻ってきて再度使う=7日後継続率=30÷100×100=30%|
チャーン率(Churn Rate/解約率)
前月に100人がサービスを利用していて、そのうち10人が今月サービスを利用停止した=10÷100×100=10%