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SwiftUIの基本的なデータハンドリング方法

Last updated at Posted at 2020-11-15

公式ドキュメントを読んでSwiftUIにおけるViewとデータのハンドリングの知識が深まったので、理解の再確認のためにも情報をまとめました。基本的に公式ドキュメントの要約です。

なお、過去にこちらの記事でView間のデータ受け渡し方法の紹介として、EnvironmentやPreferencesを紹介しましたが、基本はState、Binding、ObservableObject(EnvironmentObject)だと考えています。

指摘がありましたら、是非コメントください。

基本のStateとBinding

State

  • Viewの表示内容を制御するための変数
  • publicで宣言した場合は親Viewからコンストラクタ引数として値を受け取ることが可能(初期値は不要)
  • privateで宣言した場合は初期値が必須
  • 自分自身で利用するか子Viewへの値渡しとして利用可能
  • 親Viewから引数で受け取ったStateは子Viewで変更したとしてもその変更は親には伝わらない

Binding

  • publicで宣言したStateと同じく、親から値を受け取る
  • 親Viewから受け取ったStateの値変更を親に伝えたいときに利用する

StateとBindingは近い親子関係や自分自身で完結する場合にのみ使うべきです。
図で書くとこんな感じです。

スクリーンショット 2020-11-14 23.15.35.png

複数Viewを考慮すると必要になるObservableObject(EnvironmentObject)

先ほどのStateとBindingを使えばView間のデータのやり取りは可能です。
しかし、親子関係を持たないView間(図2)や階層の深いViewへのデータ渡し(図3)はどうすれば良いでしょうか?
そのような場合はStateのバケツリレーではなくObservableObjectを使います。

スクリーンショット 2020-11-15 23.12.13.png

スクリーンショット 2020-11-15 23.12.22.png

ObservableObject

class Book: ObservableObject {
    @Published var title = "Great Expectations"
}
  • イメージとしてはState変数を複数持てる構造体
  • 利用側がObservedObjectとして定義した場合、Published宣言された変数の変更を検知することができる
  • Stateのようにコンストラクタ引数にObservedObjectを渡すことで子Viewで値の参照&変更をすることができる
  • 子View側でPublished宣言された変数を変更すると、親View側で変更を検知することができる

EnvironmentObject

コンストラクタ引数で渡さないと行けないのであれば、先に挙げた課題は解決しないとのではと思った方は鋭いです。
いちいち、バケツリレーするのは面倒ですし、コピーミスが発生する恐れがあります。
そのような場合は EnvironmentObject を使います。親ViewでEnvironmentObjectとして、ObservableObjectインスタンスの指定があれば、そのViewの全ての子孫ViewがObservableObjectの値を参照することができます。
また、図2の画面AとBは直接の親子関係はありませんが、SwiftUIは全ての画面はSceneDelegateで指定されるRootViewの子孫関係にあり、元を辿れば必ず同じViewを見つけることができます。

struct BookReader: App {
    @StateObject var library = Library()
    
    var body: some Scene {
        WindowGroup {
            LibraryView()
                .environmentObject(library)
        }
    }
}
  • 上の例で言うと、LibraryがObservableObject
  • @StateObjectはObservableObjectの大元、Stateと同じく値を保持するため@StateObjectとして宣言する
  • LibraryView以下の子孫にLibraryを参照変更させたい場合はenvironmentObject()でLibraryのインスタンスを指定する
struct LibraryView: View {
    @EnvironmentObject var library: Library
    
    // ...
}
  • 利用側はEnvironmentObjectとしてメンバ定義を行う
  • 親のenvironmentObject()で指定されたインスタンスがここに入る
  • library内の@Published宣言された値を変更すると、LibraryをEnvironmentObjectとして保持している親と子孫にその変更が伝わる

EnvironmentObjectを使った時のイメージ

スクリーンショット 2020-11-15 23.45.33.png

スクリーンショット 2020-11-15 23.45.48.png

まとめ

  • 親と子のような関係が浅いView間のデータやり取りはState/Bindingで十分
  • 親子関係の無いView間でのデータやり取りはObservableObject(EnvironmentObject)を使う
  • 親、孫、ひ孫といった深いView間のデータやり取りはObservableObject(EnvironmentObject)を使う
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