LoginSignup
1
0

More than 1 year has passed since last update.

AI Dynamics Japanの「Builder」で F1ミニカーを分類するAIアプリを作ってみた

Last updated at Posted at 2022-05-15

概要

AI Dynamics Japanは、エッジデバイス向けアプリ開発に注力するスタートアップです。

AIアルゴリズム内製ツールBuilderは、SORACOMのAIカメラS+ Camera向けAIアプリをノーコードで作成できるクラウドサービスです。Pythonコード等を一切書くことなく、GUI操作のみでAIアプリの作成・実装が可能です。

Builder は、2022年5月現在、β版として提供中、無料で使えます:https://aidynamics.jp/services/builder

Builderを使用したAIアルゴリズムの作成手順

例として、F1ミニカー判別AIアルゴリズムを、Builder で作ってみたいと思います。 以下の6つのステップを踏みました:

  1. F1ミニカーの写真を集める
  2. 画像中のF1ミニカーを枠で囲む(アノテーション作業)
  3. 教師データを Builder にアップロードする
  4. AIアルゴリズムを Builder で学習させる
  5. Builder からAIアルゴリズムをダウンロードする
  6. AIアルゴリズムをS+ Cameraに転送する

1. F1ミニカーの写真を集める

F1_toy_photos4.png

今回は、5種類のF1ミニカーを用意し、これらを様々なアングルから撮影しました。

  • Mercedes W10
  • Ferrari F10
  • Ferrari SF90
  • Renault B201
  • Minardi PS01

一般に、一定の基準を満たす精度のAIを作るためには、判別単位(クラスといいます)毎に1000枚程度の画像を用意することが必要と言われています。今回は少々譲歩し、各車種300程度撮影、合計1500枚程度の写真を集めました。

2.画像中のF1ミニカーを枠で囲む(アノテーション作業)

F1_toy_photos2.png

集めた画像には様々なF1ミニカーが写っています。各写真に対し、「ここに写っているのがXXXです」といった指定をします。具体的には枠(バウンディングボックスといいます)で囲んでいくのですが、この作業を「アノテーション」といいます。

今回は、アノテーション作業にマイクロソフト製のフリーウェア「VoTT」を使用しました。「VoTT」のダウンロードおよびアノテーション作業方法はこちらをご覧ください。

アノテーション作業を経て出来上がったデータを「教師データ」といいます。

3. 教師データを Builderにアップロードする

2022-05-15.png
はじめにアカウントを作る必要があります。メールアドレスとパスワードを設定すると、アカウントは簡単に作れます。
2022-05-15 (1).png
「新しいモデルを作成」のボタンを押し、
2022-05-15 (2).png
「モデル名」を入力、「次へ」を押し、
2022-05-15 (3).png
「学習を開始」を押しましょう。
F1_toy_photos5.png
教師データのBuilderへのアップロードは、VoTTの出力フォルダを Builder にドラッグ・アンド・ドロップすれば、完了です。

4. AIアルゴリズムをBuilderで学習させる

two_clicks.png

教師データをクラウド環境にアップロードすると、Builder が、自動的にAIアルゴリズムの作成を開始します。Builder の特徴として、煩わしい環境構築やパラメータの設定は、一切必要ありません。2時間ほど待つと、AIアルゴリズムが完成します。

5. BuilderからAIアルゴリズムをダウンロードする

count_or_alert.png

Builder は、現在2種類のAIアルゴリズムに対応しており、ダウンロード時に選択します:

  • 「物体カウント」:カメラが定期撮影し、F1ミニカー数をクラウド報告
  • 「物体検知アラート」:カメラがF1ミニカーを新たに検知すると、メール通知

AIアルゴリズムファイル(.tgz形式)のダウンロード時に、いずれかの種類を選択します。

6. AIアルゴリズムをS+ Cameraに転送する

AIアルゴリズムファイルのダウンロード後、AIアルゴリズムが含まれる.tgzファイルをSORACOM AIカメラS+ Cameraにアップロードすると、「F1ミニカー分類アプリ」が動作を開始します。

AIアルゴリズムのS+ Cameraへの転送は、

  • AIアルゴリズムのSORACOM Harvest Filesへのアップロード
  • SORACOM Mosaic Consoleを通じた、S+ Cameraへのインストール

の手順を経ます。

結果

AIカメラの前にF1ミニカーを置くと、こんな感じの結果が出力されます。
いかがでしょうか? AIアルゴリズム内製ツールBuilder、是非お試しください!
F1_toy_photos3.png

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0