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他の人も納得できる折り紙の「コツ」の引き出し方

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平鍋さんの記事でご紹介頂いた前回は、折り紙のかぶとを上手く折る「コツ」をGSNの文脈ノードとして引き出してみました。これによって自分の「コツ」を可視化することはできたと思うのですが、果たしてその「コツ」だけで他の人も納得する綺麗な折り紙のかぶとが折れるのでしょうか?今回は他の人も納得できる綺麗な折り紙のかぶとの折り方について考えてみたいと思います。
前回の折り紙GSNで引き出した「コツ」は、1ステップ毎に綺麗なかぶとを折るために自分が「気をつけたこと」から引き出していますが、自分と他の人の綺麗に対する価値観が共有されていないと「気をつけたこと」が一致する可能性は低く、思いつきで書き並べた感は拭えません。この思いつき感をなくすためには、その「コツ」がどのように引き出されたのかを明文化して納得してもらうことが必要になると思います。

「コツ」の引き出し方を考えてみる

まず折り紙のかぶとの構造を以下のようにモデル化してみます。折り紙のかぶとは頂点と辺と面から構成される折り紙の特性を継承し、かぶと固有の部品である鉢、鍬形、鍬形台、眉庇で構成されています。また、破線矢印は折り紙を折る人の折り方によって大きさの比率に影響がある関係を示しています。このモデルでは当たり前のことを示していますので、おそらく他の人にも納得頂けると思います。

OrigamiModel.png
図 折り紙モデル

次に、この折り紙モデルを足がかりとして他の人も納得できる「コツ」の引き出し方を明文化していきましょう。折り紙モデルでは折り紙共通の構造とかぶとやツル固有の構造を示していますが、今回はかぶと固有の構造に着目した「コツ」の引き出し方をGSNで描いてみます。コツの引き出し方としては、綺麗の基準となるキーワードをかぶとの構造に照らし合わせることで導き出すことにしました。この引き出し方と引き出した「コツ」をGSNで描くと以下のようになります。

CriteriaforKabuto.png
図 かぶとを折るコツGSN

それではこの「かぶとを折るコツGSN」を解説してみます。

  1. トップゴールは「綺麗なかぶとを折るコツに納得できる」としてゴールノード(G1)で示しています。
  2. 綺麗の基準を引き出すキーワードとして「バランス」、「左右対称性」を採用し、文脈ノード(C1)で示しています。また、GSN全体で利用できるよう最上位に位置づけています。
  3. トップゴールは折り紙モデルのかぶとの構成を示す文脈ノード(C2)に基づいた戦略ノード(S1-3)に従って「部品」と「大きさの比率に影響のある部品の関係」に分解していきます。
  4. 各サブゴールに対してキーワード(C1)を照らし合わせて引き出した「コツ」を証拠ノード(Sn1-6)のコメントで示しています。

自分の前提と相手の前提の共有にGSNを活用

今回描いたGSNで引き出した「コツ」に基づいて折られたかぶとであれば「コツ」の思いつき感は払拭できたのではないでしょうか?もちろん全ての人の思いつき感が払拭できるとは思っていません。ただ、今回描いたGSNを納得してくれた人とは綺麗に対する価値観を共有できているため、前回感じた「コツ」の思いつき感はかなり払拭できているように思っています。
実際のソフトウェア開発においても前提を相手と正しく共有できていれば、認識相違に起因する手戻りの発生などを防ぐことができるように思います(例:仕事の入力となる仕様書を間違えて設計していた)。「自分の考えを可視化し、相手と正しい共通理解を形成すること」、この当たり前なのに難しい問題を解決する一つの手段としてGSNは有効であると考えています。

最後に、チェンジビジョンさんが提供しているastah GSNは、GSNを描く時のちょっとした困りごとに対して気配りある機能を提供してくれるため、ストレスなくGSNの作成に注力することができます。例えば、ゴールノードの妥当性を説明するためにたくさんの情報を証拠ノードに書き込むと、ノードのシェイプが大きくなってしまって見映えが悪くなりますが、この時、astah GSNが提供するコメント機能がとても便利です。今後もユーザに対する気配りに優れたツールであってくれることを期待しています。

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