はじめに
いやー、明日からついにエンジニアになっちゃいますね。そわそわしますね。
よく考えたら、未経験から何かをやることって、実はこれが最後のチャンスかもしれないですよ。
この先にエンジニアになるには、お金を払って講習を受けて、転職活動をして内定を獲得しなければならないのです。
未経験から何かを始める最後のチャンスを使って、しばらくは食いっぱぐれない業界で手に職をつけられるのなら、それなりにラッキーなのではないでしょうか。
私について
PHP7年目、明日で晴れて8年目です。もうそんなに経ったのか(唖然)
とはいえ直近の業務はPHPからは離れていて、知人からの依頼があった時にPHPでサイトを構築して納品をしています。ほとんど1人で。
未経験からエンジニアになりました。元々、Webメディアの編集がやりたくてエントリーした会社で役員に勧められるがままエンジニアになったというような経緯です。
後日、あらかわ遊園でヘラブナを釣りあげたところで内定通知が来ましたが本記事は釣りではないのであしからず。
2020年に新卒で入社した会社を退職してコロナ禍でフリーランスになりましたが、フリーランスの休業補償は正社員の半額というニュースでほんっと日本は働き方改革だの言ってる割にはフリーランスに理解がないことを実感して即刻正社員になったという気まぐれなキャリアを進んでいる最中です。
ちなみに、ゆくゆくはフリーランスを考えている人もいるかもしれませんが、確定申告とか事務処理が苦手な人はフリーランスはあまりオススメしないです。
できる人にはむしろアリな選択肢だと思います。でも自分で商談とかしなきゃいけないから、それを踏まえてどういうキャリアを進んでいくべきかは後に記述します。
エンジニアになってよかったこと
現場
まず、現場の人がロジカルであること。
ずっとエンジニア一筋だと分からない視点かもしれないですが、端的に言うと理不尽がないです。
技術の世界にも厳密な正解はありませんが、「セキュリティを担保すること」「必要以上にコストをかけないこと」「ユーザーに迷惑をかけないこと」くらいの原則的な正解があるくらいで、それに則った提案であればどの立場から発言しても全く問題ありません。
「下っ端は黙ってコード書いてろ」「女だからしおらしくしてろ」みたいな感情的な発言は99.9%起こり得ないです。
というより、そういう人は相手にされません。
「立場に関係なく相手の意見に耳を傾けること/発言すること」「論理的におかしいことは正しくしていくこと」って、年齢やジェンダーの垣根がフラットになっていくこれからの時代にとても必要とされるスキルだと私は思っています。
極論ですが、エンジニアを雇っている企業は総合職でも3ヶ月くらい、一つの案件のリリースをするまではエンジニアの業務を経験するくらいの文化があっても良いかもしれないです。
食いっぱぐれないこと
私が家族を養ったことがないので、一人で生きていくことが前提ですが、一人なら食いっぱぐれないです。
もちろん、業界で通用するレベルのスキルを上げていくことが前提です。
逆に、エンジニアになって"よくなかった"こと
エンジニアのキャリアを続けていくなら、特にないです。
強いていうなら、あんまりプリミティブに考えるせいか、「コストに見合わないこと」「目的・背景が不明瞭でただなんとなくやっていること」が見え透いて嫌になっちゃうみたいなことが度々あるかと思います。
例えばエンジニアをやめて寿司職人との師弟関係になったとして、毎朝6:00に滝行を受けないとその日の寿司作りを教わることができないという決まりがあったとしましょう。
「なんで朝じゃないといけないの?」「滝行を受けると寿司作るのにいいことあるの?」「食べ物を扱うのに、わざわざ風邪を引くリスクを負う必要ないよね?」などという疑問が無限に沸いてきてしまうのです。
エンジニアとしては正解です。ただ、世の中には師匠の言うことが絶対の世界もあるので、そういう世界に向いていない体質になってしまうというくらいです。別にエンジニアのキャリアを続けるなら気にしなくて良い世界ですし、「師匠に認められるためなら無駄なことを目を瞑ってでもやる」みたいなのはその狭い世界でしか通用しなくなるので個人的にはオススメしないです。
それで、どれくらい続けるべき?
「1人でwebサイトが作れるようになるまでは続けなさい。」
これに尽きます。「手に職」の観点ではそうなりますよね。
あと、転職やフリーランスの商談を見据えるなら「PHP経験3年以上」とか言える方が良いです。5年以上だと尚良いです。
技術が好きになって、エンジニアのキャリアを邁進するのはとても良いこと。
だけど皆が皆、そうなるとは限らないでしょう。
ましてや未経験でエンジニアになる時点で、他のキャリアを諦めて稼げるキャリアを選んだとか、そんなことも考えられる訳ですよ。
動機なんてこの際どうだって良いのです。日本国内だけで言えばエンジニア不足ですし、1人でも多いだけ良いんじゃないですかね。
私は胸を張って「自分はすごいエンジニアなんだ!」なんて誰に言える訳でもないけど、
例えば近所の電気屋さんが「ちょっとウェブサイト作りたいんだよね〜」なんて言ったらちょっとした簡単なブログくらいは構築できます。
実際、そうやって退職後にフリーランスで受注をしているので、仮に技術に興味が無かったとしても食いっぱぐれないエンジニアになっていた方が得ですし、逆にエンジニアだった期間が活かせないなんて損なのですよ。
せっかくの20代、ちょっとでも将来に繋がるように種を撒いておきましょう。
そういう意味での「1人でwebサイトが作れるようになるまでは続けなさい。」ということなのです。
未経験だけど続けられた理由
言ってしまえば「開き直り」ですね。
知らないことは仕方ない。今から学ぶしかない。
「何でできないの?」って言われたところで、こちとら「なんでできないって分かってて採用したの?」って思ってますよ。あ、「プログラミングが趣味です!」とか嘘ついてないですよね?
「今となっては」の目線で付け加えるなら、未経験と承知で採用しているならば採用しているなりに育てる覚悟があって然るべきなんですよね。
冷静に考えて、ロープレしていない営業の新卒が突然に電話でアポを取って商談に行ったりしないですし。
手厚くサポートしてもらえる現場ならそれに越したことはないですが、泳ぎを教えるために海に投げ込むような現場でしんどくなったら「できないって分かってて採用したんでしょうが!!」って開き直ることを思い出してください。
みなさんは自分ができないことで自分を責めすぎないことです。
土日も勉強しないといけないの?
「『俄然興味が湧いてきたぜー!!』ってならない限りは好きなことやればいいんじゃない?」っていうスタンスです。
私なんか、専らギター弾いてましたよ。無論、土日も勉強をするバイタリティに越したことはないですけど、マストではないです。機運が高まったタイミングを狙いましょう。
4月からどうすればいい?
業務の傍ら、その現場で必要な技術を勉強することです。
あ、なので、これから未経験だけどエンジニアになりたくて就活している人がいるなら、面接や面談の時にどんな技術を使っているのか聞いておくと良いですよ。
それで、じゃあPHPを勉強した方が良いってなったとして、PHPの分厚い本を前に途方に暮れる訳です。
どこから学べばいいかすら分かんない時もありますよね。そもそも。
それで、どこから勉強すれば良いか分からなくなったら実践してほしいことがあります。
それは「今日、出会った新しいことの全てを記録すること」です。
紙でもPCでも何でも良いです。※会社の規定には則ってください。
「電話を取ったらXXボタンでパークして、いなかったら保留解除で不在の旨を『〜〜』という言い方で伝える」とか
「rは4,wは2,xは1」とか
MySQL Workbenchで会社の検証用のDBに接続する方法とか
技術に関すること、業務に関すること、何でも良いです。
新卒のエンジニアであると同時に、会社員であることも忘れないでください。
その会社のお作法がいろいろとあります。電話の仕様だって、ファイアウォールの通信を許可するフローだって会社それぞれ。
会社に慣れれば慣れるほど後になって聞けなくなることが出てくるので、そういう点でも最初のメモは肝心であり、後で役に立ち、近い未来に入社する他の誰かをも助けます。
逆に後で見返して「こんなくっだらない内容」と思った内容は、そう思えるくらいに自分に定着した内容だということです。
だからこそ、まっさらな時期はとにかくメモをすることに尽きるのです。
それで、未経験でもエンジニアになれるの?
志があれば、なれますよ。
「志があれば」という但し書きが付いていることを忘れないでください。
あなた方には教わる権利はありますが、学ぶ義務、キャッチアップする義務を負っているのです。
「意志あるところに道は開ける」という言葉がありますが、
私みたいに「仕事だからやらなきゃな」くらいの気持ちでも道はそれなりに開けたので
力を入れすぎず、されど覚悟は決めて、頑張りましょう。
さいごに
あなた方が今、初心者であるように、1年後、5年後、10年後も、同じようにそわそわした気持ちで未経験からエンジニアになる人がいることでしょう。
その時は自分が初心者だった頃を思い出して、優しくしてあげてください。