HDD の不具合には様々なパターンが存在します。
中でも OS に認識されない不具合は問題の認識が遅れ被害が拡大する可能性があります。
このような例として、過去に遭遇した問題について説明します。
状況
以下のように TeraStation の動作が不安定になりました。
- 管理画面にログインできない、または、ログインできても動作が異常に遅い
- 共有フォルダ自体は参照できる
- LCD にエラー情報は表示されない (DEGRADE MODE にもならない)
- 再起動などを試しても改善しない
原因
調査し、最終的に HDD の 1 台が以下の壊れ方をしていたことが判明しました。
- HDD に接続はできる (HDD の型番などは取得できる)
- SMART 情報の取得ができない
- データの読み書きができない(マウントできない)
具体的には Crystal Disk Info で以下のようなステータスが得られました。
Crystal Disk Info は HDD の詳細や状態を確認できるフリーソフトです。
HDD自体は認識されていますが、SMART の結果部分が空白となっており、情報が取得できていないことが分かります。
壊れた HDD は、SMART 情報の取得でエラーになるのではなく、単純に応答を待ち続けてハングしている可能性があります。
そのため、明らかに HDD が壊れているにも関わらずそれを認識できず、
管理画面が不安定になるという現象だけが表面化したと考えられます。
これを放置すると、いずれ別の HDD で不具合が発生した時点で RAID が維持できなくなり修復不能なエラーとなる可能性が高そうです。
対応
HDD 情報を参照できないので、外部から見て HDD の不具合と断定することはできません。
以下の手順で HDD 状態を確認します。
- データのバックアップを行う (念のため)
- TeraStation の電源を OFF
- HDD を 1台ずつ取り出して他 PC に接続し、Crystal Disk Info を使用して状態を確認する
結果、上記画像のような異常ステータスの HDD が存在していれば、該当 HDD を新品と交換します。
おわりに
TeraStation が不安定だからといって、必ずこの問題とは限りません。
挙動が不安定にも関わらず原因が特定できなければ、別の手段で解決を試みる必要があります。
自分では過去に3度ほど同じ現象に遭遇しましたので、
同じような状況で困っている場合には念のため HDD の状態を確認してみることをお勧めします。