2
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

MPLS JAPAN 2016を振り返る

Last updated at Posted at 2017-02-22

MPLS JAPAN 2016の講演資料が公開されたので、概要と感想を纒めました。
http://www.mpls.jp/

個人的にはAristaのブロードコムチップの変遷にともなう汎用スイッチの適用領域の変化や、NTTコムのE-CORDへの取り組みが。トヨタの地理分散IoT基盤の話などが面白かったです。

#概要と感想

##「SD-WAN」セッション

###SD-WAN市場動向とユースケース

  • 山下 浩平    (マクニカネットワークス株式会社)
    
  • 概要:viptela社のSD-WANソリューションの紹介。セキュリティ機能にコストがかかることをターゲットに、サービスチェイニングによりある拠点のセキュリティアプライアンスを共用するモデルを提案。
  • SD-WANのメリットとしてコスト・迅速性・セキュリティ・アプリレベル品質の4点を挙げており、主張が明確でわかりやすい。

###SD-WAN技術要件とルータ実装例

  • 鈴木 昌彦    (シスコシステムズ合同会社)
    
  • 概要:シスコ社のSD-WANソリューション「intellignt-WAN」「IWAN in DNA」「Meraki」のうち、主に前者2つの紹介。主に既存のCisco社スイッチ/ルータ(ASR、CSRなど)で実装されてきた機能を用いたモデルを提案。
  • IWANにおけるDMVPN(Dynamic Multipoint VPN)はHub&SPOKE型でスタティックなトンネルを貼りSPOKE間はダイナミックにトンネルを貼るという面白い思想をもったVPN。
  • PfRはDiffservクラス毎の帯域を測定し動的にパス帯域の制御(最適化)を行う思想。
  • やはりこちらも「セキュリティ」「アプリケーションレベルのパス制御・最適化」「オーバレイ」を挙げており、さきほどのマクニカのものと要件的着眼点は非常に近い。

WANの問題を解決するSD-WANに期待される要件

  • 井上 直也 (ネットワンシステムズ株式会社)
  • VeloCloud Networks社のSD-WANソリューションの紹介。シスコやマクニカらと同じく専用ハードウェアのゲートウェイアプライアンスによるご提供。at&tやSprintに採用されているらしい。
  • クラウド上のオーケストレータからパケットキャプチャの実行を指示したりできるらしい。
  • ゼロタッチプロビジョニングを実際の動作含めて紹介。物理回線繋いだらあとはメール記載のURLをクリックでアクティベートされるとか未来を感じる。オーケストレータがクラウド上に居る強みですね。
  • 要件として「専用機器コスト」「拠点の迅速開通」「セキュリティ」などを挙げており、ONUG SD-WAN WGによるトップ10の要件を紹介するなど、要件面の深掘りが他とくらべて充実している。

SD-WANを取り巻く技術要素、今までと変わること・変わらないこと

  • 毛利 元三    (Nuage networks / Nokia)
    
  • 概要:EVPN技術を使ったマルチ企業マルチテナント環境におけるL2/L3セグメンテーション実現における課題と解決法を紹介。
  • たとえば企業AとBのVPN網を構成しそれぞれに管理権限を委譲したとき、企業AとBを相互接続するときにはどうすればいいか?など実例をまじえて紹介。
    -「2016年10⽉末時点で約30社のSD-WANベンダが存在」として、それらの特徴を1枚めで纒めてくれている。これ1枚読めばSD-WANと呼ばれるものが何かざっくり理解できて便利である。

###SD-WANにおけるVNF利用と回線の最適化

  • 槙島 和紀    (ファーウェイ・ジャパン)
    
  • 概要:VNF技術を(企業向けの)SD-WANで活用するときの課題と解決の方向性について紹介。ファーウェイ製品の宣伝はとくになし。
  • ユースケースとしてはvCPEを紹介。
  • VNFの利用が期待される領域として「セキュリティ」「オンデマンド機能追加」を挙げ、テレコム系VNF向かいのオーケストレータが成熟してくればSD-WANにも恩恵があるのでは、と示唆している。

###オーバーレイネットワークとスケーラビリティ

  • 進藤 資訓    (Viptela, Inc.)
    
  • 概要:viptela社のSD-WANソリューションの中身について。セキュアなVPNを張りたいとき、拠点間フルメッシュモデルでは鍵交換が大変であることを述べ、HUB-SPOKEによる鍵管理集約モデルを実装していることを紹介。
  • HUB-SPOKEにおけるHUBからSPOKEへの鍵配布にはOMP(Overlay Management Protocol)というものを使っているらしい。よさそう。

SouthSIDE主体のSD-LAN/WANとは

  • 川北 潤(アライドテレシス株式会社)
  • 概要:アライドテレシスのSDNトポロジ管理フレームワーク「AMP」とOpenFlowコントローラ/スイッチソリューションの「SES」の紹介。
  • オフィス拠点側装置のSyslogやSNMP TRAP、CSVなどを集約して標準的なAPIをクラウド側に提供するアーキテクチャのようだ。
  • アプリ連携が売りで、人事系アプリやウイルスバスターとも連携しまっせ、と謳っている。おもしろい。
  • NorthSIDE(データセンタ)の技術をSouthSIDE(エンプラ)に適応させる技術の紹介、と銘打っているようだ。

##「White Box」セッション

激変するICT基盤技術

  • 高木 正貴    (Intel)
    
  • 概要: Intel DCのこれまでの歴史についてラックの写真でざっくり述べたあと、いつものIntelテクノロジー(Optane[3D XPointを使った製品のブランド名], 3D NAND with NVMe, FPGASoC, Omni-path, Rack-Scale Design, OCPへの取り組み)の紹介。White Box Switch要素はゼロ。
  • Optaneはその技術要素が長らく隠蔽されていたこともあり微妙にわかりづらい。下記URLを参照するとふんわり分かった気持ちになれる。
  • http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1015196.html

汎用シリコンの進化、拡大する適用領域の現状及び今後の展開

  • 野田 真 (アリスタネットワークスジャパン合同会社)
  • 概要:ブロードコムチップの進化による汎用スイッチ適用領域の変化(LeafからSpine, Core, そしてEdgeへ)について実際のプロトコルをふまえて紹介。エッジへの適用については、「キャリア網コアやブランチルーター等の用途は除く」という但し書きつき。
  • Trident系のチップとDNX系のチップの住み分けや系譜が非常にわかりやすくおすすめ。

MPLS in Open Networking

  • George Tchaparian (Edgecore Networks)
  • 資料なし。下記ツイートによればOCPへの取り組みとその動きの紹介か。

ONOSとPacket-Opticalユースケース開発の取り組み

  • 鈴木 繁成、古澤 徹 (NTTコミュニケーションズ株式会社)
  • 概要:NTTコムのONOS/ON.Labへの取り組み状況と、今年度ONSで紹介したE-CORDユースケースのPoCであるDisaggregated-ROADMについて紹介。
  • トランスポンダ(Fujitsu/Ciena)やファイバスイッチ(Calient)をOpenFlowで、Wavelength-Selective-Switch(Lumentun/OPLink)をSNMP/Netconfで制御したらしい。中身が気になる。

##「5G」セッション

###クルマに関するIoTのユースケースとネットワーク

  • 大西 亮吉 (株式会社トヨタIT開発センター)
  • 概要:テレコム網のエッジルータにデータ蓄積等を行えるIoTゲートウェイを分散配備し、IoTデータ収集負荷を地理的分散しようという提案のoneM2Mでの検討状況についての紹介。
  • 今後2020年以降を見据えた3GPPのrel.16に入れ込んでいく予定らしい。

モビリティIoTにおける通信技術とKDDIの取り組み

  • 宮本 敦 (KDDI株式会社)
  • 資料なし。

5Gに求められる仮想化技術について

  • 岡廻 隆生 (ソフトバンク株式会社)
  • 概要:ふんわり5Gの網構成と仮想化技術の適用領域について紹介。
  • 4G/5Gの網構成を知らないひとはざっくり理解するためにはよいかもしれない

5G Deployment toward 2020 and Beyond

  • 中村 武宏 (株式会社NTTドコモ)
  • 概要:5Gにおいてドコモが2020年に実現しようとしている領域と202X年に実現しようとしている領域それぞれについての紹介。eMBB(ブロードバンド)/MassiveMTC(移動なし系)/CriticalMTC(URLCC, 高信頼低遅延)のうち2020年はeMBBにまずは着手するという筋書き。
  • ユースケースや目標要件が明確でわかりやすい
  • ドコモからみた5Gの定義と方針はこっちのURLのほうがわかりやすい。https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/tech/5g/5g01/03/
2
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?