『エレガントな問題解決』の例1.1.3。
解けなかった理由
- 完全に数学的な問題なのに、なぞなぞのように見えた。
- 36を3つの正の整数に因数分解することを考えたが、やる前に全部列挙することを諦めてしまった。
- 3つめのヒントの「~一番上の娘は~」はヒントになっていないと思う(双子の場合でも、どちらかが一番上の娘になる)。
どうすれば解けたと思うか
- 1つめのヒントからまず、3人の娘の年齢の組み合わせを列挙することが、答えに近づくことかもしれないとは気付いていたのだから、それをしてみるべきだった。できないと感じた理由は、一般的な場合の計算方法を見つけることにこだわったからであって、36を3つに分けるくらいならできたかもしれない。
- 年齢の組み合わせがあれば、その後の会話がヒントになっていることに気付けたかもしれない(実際には気付けなかったし、ヒントでない、無駄な会話であるかもしれないとも思っていた)。
- 「一番上の娘」がthe oldest daughterの訳だとして、1年以下の年齢差を無視するとしたら。つまり、双子が3人の娘に含まれていて(6, 6, 1)の場合、the oldest daughtersとしないといけないとしたら、これが3つめのヒントになる。これに気付いたら、答えを1つに絞れる。
娘の年齢の組み合わせを求める
長女の取りうる年齢は、36の約数の中で次女以上の年齢のものである。だからまず、
36の約数を全て求める。そのためにまず、36を素因数分解する。
36 = 2^2 \cdot 3^2
すると、36の約数は $(2 + 1) \cdot (2 + 1) = 9$個ある。
\begin{aligned}
\left\{2^0 \cdot 3^0 , 2^1 \cdot 3^0 , 2^2 \cdot 3^0 , \right.\\
\left. 2^0 \cdot 3^1 , 2^1 \cdot 3^1 , 2^2 \cdot 3^1 , \right.\\
\left. 2^0 \cdot 3^2 , 2^1 \cdot 3^2 , 2^2 \cdot 3^2 , \right\}\\
= \{1, 2, 4, 3, 6, 12, 9, 18, 36\}
\end{aligned}
長女が36の場合
次女と三女の年齢の積は1なので$(\text{次女}, \text{三女}) = (1, 1)$の1通り。
長女が18の場合
次女と三女の年齢の積は2なので$(\text{次女}, \text{三女}) = (2, 1)$の1通り。
長女が12の場合
次女と三女の年齢の積は3なので$(\text{次女}, \text{三女}) = (3, 1)$の1通り。
長女が9の場合
次女と三女の年齢の積は4なので$(4, 1), (2, 2)$の2通り。
長女が6の場合
次女と三女の年齢の積は$6 = 2^1 \cdot 3^1 $なので$(6, 1), (3, 2)$の2通り。
長女が4の場合
次女と三女の年齢の積は$9 = 3^2$なので$(3, 3)$の1通り。他の積が9になる場合は、
次女が長女の年齢を超えるので除外される。
長女の年齢が4より小さい場合は、積を36にするために、次女の年齢が長女を超えてしまうので、
0通り。
以上より、3人の娘の取りうる年齢の組み合わせは以下の8通りのみ。
\{(36, 1, 1), (18, 2, 1), (12, 3, 1), (9, 4, 1), (9, 2, 2), (6, 6, 1), (6, 3, 2), (4, 3, 3)\}
残りの2つのヒントを適応すれば、答えにたどり着く。