RHELにおけるリポジトリとインターネットのURLの違い
RHELを使い始めたばかりの方向けに、リポジトリとインターネットのURLの違いをわかりやすく解説します。
実際の現場で、エラー文を読み解いたり、リポジトリの有効化・無効化で、インストールに躓いた経験から、理解しておいた方が良いと思い、記事にしております。
インターネットのURL
インターネットのURLは、Webサイトやファイルを特定するためのものです。例えば、GoogleのURLは https://www.google.com/
です。URLを入力すると、ブラウザはその場所にあるWebサイトやファイルを表示します。
RHELにおけるリポジトリ
一方、RHELにおけるリポジトリは、ソフトウェアパッケージを格納するための場所です。RHELは、さまざまなソフトウェアパッケージをあらかじめリポジトリに用意しており、ユーザーはそこから必要なパッケージをインストールすることができます。
それぞれの役割と違い
役割
- インターネットのURL: Webサイトやファイルへのアクセス
- RHELのリポジトリ: ソフトウェアパッケージのインストール
違い
インターネットとRHELリポジトリの違い
項目 | インターネット | RHELのリポジトリ |
---|---|---|
役割 | Webサイトやファイルへのアクセス ソフトウェアパッケージのインストール |
ソフトウェアパッケージのインストール |
内容 | Webサイト、画像、動画、テキストファイルなど ソフトウェアパッケージ(RPMファイル) |
ソフトウェアパッケージ(RPMファイル) |
アクセス方法 | ブラウザ、wgetなど | yum、dnfなど |
インターネットのURL | https://www.example.com/ | https://example.repo.com/ |
例
- Google Chromeをインストールしたい場合:
- インターネットのURL: https://www.google.com/chrome/ からChromeのインストーラーをダウンロード
- RHELのリポジトリ:
yum install google-chrome-stable
コマンドを実行
RHELに書かれているリポジトリの意味
RHELの設定ファイルやマニュアルには、さまざまなリポジトリが記載されています。それぞれのリポジトリには、以下のような情報が含まれています。
- リポジトリ名: リポジトリを識別するための名前
- リポジトリのURL: リポジトリの場所
- リポジトリに含まれるソフトウェアパッケージ: リポジトリからインストール可能なソフトウェアパッケージの一覧
- 有効期限: リポジトリの有効期限(古いリポジトリは無効になる場合があります)
例
[base]
name=Red Hat Enterprise Linux 9
baseurl=https://mirror.centos.org/centos/9/base/os/x86_64/
gpgcheck=1
enabled=1
[appstream]
name=Red Hat Enterprise Linux 9 AppStream
baseurl=https://mirror.centos.org/centos/9/appstream/os/x86_64/
gpgcheck=1
enabled=1
上記の例では、base
と appstream
という2つのリポジトリが設定されています。
-
base
リポジトリには、RHELの基本的なソフトウェアパッケージが含まれています。 -
appstream
リポジトリには、追加のソフトウェアパッケージが含まれています。
まとめ
RHELのリポジトリは、インターネットのURLとは異なり、ソフトウェアパッケージをインストールするための専用の場所です。RHELをインストールすると、さまざまなリポジトリが設定されており、ユーザーはそこから必要なソフトウェアパッケージを簡単にインストールすることができます。
実務経験
実際に、インフラエンジニアとして勤務していた際、RHELのリポジトリを利用して、金融システムの検証用サーバー構築を行ってました。
具体的には、dnfコマンドを用いて、Apache HTTP ServerとtomcatとHinemosなど各種ミドルウェアをインストールしておりました。
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