5
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

開集合,閉集合,コンパクトのイメージ

Posted at

今回は,集合がopen, closed, そしてcompactであるとはどういうことなのかを自分なりに理解したので,メモしておく.Qiitaに書くことではないのかもしれないが,書くのが楽なのでここに書く.こういうのは定義だけ書いてある本が多いですが,イメージが大事だと思うので,そういう感じで書きたいと思います.もし,皆様のお役に立てれば幸いです.

数学的な「開いている(あいている)」のイメージ

まずは,数学的な「開いている」というイメージをつかむことにする.言葉からはなんとなく開放的な感じがする.数学ではこれをおなじみの記号である$<$で表現する($x < b$みたいな感じで使う).$<$をみたら,「開いている感」が出てきたらもうイメージはつかめているんだと思う(自分的に).
さて,なんで$<$が「開いている」に繋がるのかを考えよう.例として,aからbまでの実数の空間を考えよう.ここで,aやbを含めるのかは非常に大事.aもbも含める場合は$[a, b]$,aもbも含めない場合は$(a, b)$,aは含めてbは含めない場合は$[a, b)$と書いたりする.
$[a, b]$と$[a, b)$の違いはなんだろうか?僕的には,前者は壁が中にあって,後者は壁が外にあるみたいなイメージで捉えている.例えば,僕たちがとある世界に住んでいて,その世界のものしか見えないのだとしたら,前者の場合,壁である$b$は見えて,後者の場合は$b$は見えない,つまり壁がないように思える.これが僕なりの数学的な「開いている」のイメージ.$x \in [a, b]$は,$a \leq x \leq b$で,$y \in [a, b)$は,$a \leq y < b$である.こう見ると,住人$x$は壁$b$が見えていることを$x \leq b$で表現し,住人$y$は壁$b$が見えていないことを$y<b$で表現しているように見える.まとめると,後者の世界は,その住人からみたら,「開放的」に見えて,これが数学的な「開いている」というイメージ(自分流).

open ball

ここまでで,$<$が「開いている」を表現しているのをイメージできただろうか.上に書いたのはあくまでも僕なりのイメージなので,自分なりにイメージできるまで考えてみて欲しいと思う.こういうのはとにかく自分なりに消化するのが大事だと思う.

さて,ここで急に,open ballというものを考えよう.それを考えるには距離空間を導入しないといけないが,ここでは省略して,$d$を距離としよう.ある集合に距離が定義されていれば,その集合の要素同士がどれだけ離れているか(近いか)を表現することができる.余談だが,極限とかで出てくる「近づける」という言葉の数学的な表現も,距離を使って書かれる.こういうのは本にはあまり出てこない辛い.

ボールというのは,丸い.中心と半径があればなんとなく表現できそう.中心を$x$,半径を$\epsilon$とすると,open ballという集合は,

B(x, \epsilon) = \{y \ | \ d(x, y) < \epsilon \}

で定義される.ボールの端っこが含まれていないので,openなボールだ.この定義をみて,直感的に「ああ,確かにopenなボールだわ」と思えたら勝ち.

openな集合(開集合)

open ballを飲み込むと,openな集合を考えることができる.openな集合は「開いている」集合で,端っこが含まれていない集合である.端っこが含まれていないのを表現するのは結構大変で,open ballを使う.集合の中のボールを考えよう.端っこが含まれていると,なんとなく「ボールがはみ出そう」な感じがしないだろうか.このイメージを伝えるのは結構難しい....openな集合の中の世界の人は,壁が見えないので,そもそも「やべえ,はみ出た」というのがわからない.そんなイメージ.
きちんと数学的に書くと,ある集合$X$を考える.その部分集合$O \subset X$がopenであるとは,全ての$x \in O$に対して,$B(x, \epsilon) \subset O$となる$\epsilon$が存在することである.
こういうのはかなりわかりにくい.僕的には,何が与えられてるのかをまず考える.この例だと$X$が与えられている(実際には距離$d$も).その上で,その部分集合の性質を考えている.

closedな集合 (閉集合)

これは割とわかりやすい.$X$の部分集合$A \subset X$が閉集合であるとは,その補集合$X \setminus A$がopenであることをいう.全体の世界$X$の中に2つの世界$A$と$X \setminus A$があって,$X \setminus A$がopenなら片方$A$はclosedであることは多分直感的に理解できるはず.はず.はず....

compactな集合

これはなんか「包むことができる」というイメージ.コンパクトなら包めるだろ,という感じ.
例のごとく集合$X$を考えよう.
適当な$X$のopenな部分集合たち$(O_i)_{i \in I}$を考えよう.

$I$は適当なインデックス.そして,$A \subset X$の性質をみていこう.
ここで気になるのは,適当に用意した$(O_i)_{i \in I}$で$A$を包めるのかということ.

包めるなら,$i_1, \ldots, i_n \in I$が存在して,$A \subset \cup_{j=1}^n O_{i_j}$となるだろう.伝わるかわからないが....

「存在する」というのは結構わかりにくいかもしれない.でも,そう書かざるを得ない.何かを用意して,それで表現できるみたいな論法は結構使われる.極限とかもそうだ.

まとめ

今回はopen, closed, compactという概念の自分なりのイメージを書いてみた.最後らへんが適当になってしまった感が否めないが,お役に立てれば幸いです.

5
4
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?