有理関数の積分は整式の割り算などを通じて、部分分数分解をすればあとは適当に結局、以下の3つの積分公式の組合せになるっていう定理がLeibnizによって導かれている。積分の定理の中でこの定理はとても綺麗だと思う(美しいと思うが、数学に対して美しいという言葉はなんか使い回されてしまって逆に美しくなくなってしまったのでw)。
\begin{align*}
\displaystyle \int \frac{1}{(ax+b)^n}dx&=
\left\{\begin{array}{l}
\displaystyle \frac{1}{a}\log |ax+b| \quad (n=1) \\
\displaystyle -\frac{1}{a}\cdot \frac{1}{n-1}\cdot \frac{1}{(ax+b)^{n-1}}\quad (n>1)
\end{array}\right.\\
\int \frac{1}{a^2+x^2}dx &=\frac1a \tan^{-1}\frac{x}{a}\\
\int \frac{f'(x)}{f(x)}dx &= \log |f(x)|
\end{align*}
基本的に部分分数分解(展開)は
\frac{1}{(x+1)(x^2-x+1)} = \frac13 \cdot \frac{1}{x+1}
-\frac13 \cdot \frac{x-2}{x^2-x+1}
のように分解する作業だが、展開後の式は分母が2次式の時は分子は1次式になる。
もっと一般的には分母が$n$次式なら分子は$n-1$次式になる。
元が整式だから3番目の公式を使えばそれは積分できるようになるね。はみ出た部分を$\tan^{-1}$で吸収する感じ。
とすると次は?
\frac{1}{(x-1)^2(x+2)}
これを部分分数分解すると
\frac{1}{(x-1)^2(x+2)} = \frac13\cdot \frac{1}{(x-1)^2} -
\frac19\cdot \frac{1}{x-1} +\frac19\cdot \frac{1}{x+2}
とするのが一般的だが(この分解が出来るってのは右辺から通分すればわかるはず、気になる人はやってみて。)、
\frac{1}{(x-1)^2(x+2)} = \frac{Ax+B}{(x-1)^2} + \frac{C}{x+2}
として求めようとする人もいる。まぁこっちでもいいけどね。
こっちでやると一つ作業が多くなるからってことでさっきやった方で部分分数分解するって感じ(多くならない時もあるが)。なんで作業が一つ多くなるかは実際に積分すればわかるはず。