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ウィキペディアタウンの定量効果を分析してみた

Last updated at Posted at 2018-12-22

はじめに

今年も全国でウィキペディアタウンが盛んに開催され、各地域の史跡や文化財などの記事が増え続けている。大山街道を舞台に開催しているウィキペディア街道「大山道」もこれまで19回開催して、地元の名所・旧跡を対象に計46本の新規記事を作成してきた。

【参考1】 プロジェクト:アウトリーチ‎ | ウィキペディアタウン
【参考2】 ウィキペディア街道プロジェクト

19回開催してきた中で、ふと、ここまでの取り組みを定量的に振り返ってみたくなった。そこでウィキペディアタウンに関して誰もが疑問に思うであろう、以下3点について、実績(数値)ベースで可視化してみた。

Q1:継続して参加者は集まるのか?
Q2:ウィキペディアタウンで執筆の腕は磨けるのか?
Q3:作成した地域記事は閲覧されているのか?

Wikimedia Toolforge

今回の分析(Q2,Q3)では、Wikimedia Toolforgeを活用した。
Wikimedia Toolforgeのツールに、ページビュー分析 があり、各記事の日別・月別のページビュー数やサイズなどを調べることができる。表示したページビュー数は、CVSやJSON形式のファイルでダウンロードすることも可能である。

Q1:継続して参加者は集まるのか?

ウィキペディアタウンに限った話ではないが、イベント開催は単発では盛り上がるものの、その後、回を重ねていくと減少するのが一般的である。では実際のところはどうなのか?

ウィキペディア街道の全19回の参加登録データを基に、参加者数推移をグラフ化してみた。開催場所や季節によって変動はあるが、基本的には開催回数が増えるにつれて緩やかに減少傾向にある。
ウィキペディア街道「大山道」参加者数の推移
ただし内訳で見ると10回以上(過半数)の参加者が6名で、うち5名は本イベントがきっかけとなっている。よって、開催回数をこなすことは、発信者(執筆者)とその仲間を増やすきっかけとなる、とは言えるのではないか。

Q2:ウィキペディアタウンで執筆の腕は磨けるのか?

記事のクオリティは本来は内容で測るべきもので定量化が難しい。ただし脱初心者にフォーカスを当てるならば、記事のボリュームサイズをみることで、ある程度判断ができるのではないか?と考えた。

そこで、ウィキペディア街道の全19回の作成記事の平均サイズ推移をグラフ化してみた(ウィキペディアンの方が集中執筆した一部の記事は平均から除いた)。

初心者中心の開催である最初の数回は、平均で5,000バイト程度の記事が多かったが、回数を重ねるにつれて10,000バイト前後の記事が多くなっている。初心者がウィキペディアタウンに繰り返し参加することは、一定レベルまで執筆の腕を磨くことに繋がると言える。
作成記事のサイズ
なお参考までに、平均から除いたウィキペディアンの方が集中執筆した記事のサイズは20,000バイト台であった。一定レベルまで執筆の腕を磨いたらその後は、個人での鍛錬次第、ということかもしれない。

Q3:作成した地域記事は閲覧されているのか?

ウィキペディアタウンで作成された地域記事は、実際に参照されて活用されているのだろうか?そこで「Google検索のヒット順位」、「主な記事のページビュー数」の2つの観点を確認してみた。

Google検索のヒット順位

「ウィキペディア」のメディア力によるところが大きいが、Google検索でのヒット率は高く、約75%の記事がトップ(1位)で表示される結果となった。
Google検索でのヒット順位

主な記事のページビュー数

ウィキペディア街道では、地域に密着した多くの神社記事を執筆した。主な神社記事の月別ページビュー数をグラフ化して見ると、年末年始と、七五三の季節である10月を中心に、ページビュー数が伸びており、地域に密着した行事の際に参照されていることがわかる。
ページビュー数.png

なおウィキペディア街道の執筆記事で最もページビュー数が多いのは、知名度が高い「世田谷代官屋敷」となった。毎年度12月と1月に開催されるボロ市の時期を中心に、高いページビュー数を記録している。
代官屋敷.png

終わりに

今回はひとまず初歩的な定量分析をやってみたが、実績データを蓄積して可視化することで、色々な考察結果が見えてきた。今後も引き続き実績データに基づき可視化と分析を進めたい。

以上

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